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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【高松宮記念杯競輪予想】「順当には決まらないのが競輪」3レース、4レースに波乱の目

2024/06/15 (土) 22:15 5

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から、狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

【予想レース①】
岸和田3R 高松宮記念杯競輪(GI)一般

①河端朋之(95期=岡山・39歳)
②志田龍星(119期=岐阜・26歳)
③岡村潤(86期=静岡・42歳)
④渡邉雄太(105期=静岡・29歳)
⑤塚本大樹(96期=熊本・35歳)
⑥畑段嵐士(105期=京都・33歳)
⑦岩津裕介(87期=岡山・42歳)
⑧林大悟(109期=福岡・29歳)

⑨恩田淳平(100期=群馬・34歳)

【初手・並び予想】
←①⑦(中国)②(単騎)④③(南関東)⑧⑤(九州)⑥(単騎)⑨(単騎)

【注目のヨーロッパ】
⑥畑段嵐士

単騎勝負の②志田龍に乗りそうな⑥畑段嵐に注目!

 シリーズ最終日の第3レースという、デキの悪い選手「しか」いない一戦。ラインが3つに単騎が3名というメンバー構成で、ここは競走得点が高く同県コンビでもある、中国勢の①河端朋と⑦岩津裕が人気に推されそうだ。確かにこのメンバーだと、①河端朋が一気のカマシで主導権を奪うような展開になれば、他のラインは手も足も出せずに終わる可能性あり。しかし、そうそう順当には決まらないのが競輪というものだ。

 同県コンビという点では、④渡邉雄が先頭の南関東勢や、補充コンビでもある⑧林大悟が先頭の九州勢も同じ。いずれも最終日だけあって気合いを入れて臨んでくるとは思うが、④渡邉雄のデキの悪さは、どれだけ気合いを入れてもカバーできないレベル。⑧林大悟も近況成績から調子のよさは感じられず、ここでもかなり厳しい戦いになりそう。そこで注目するのが、単騎勝負を選んだ②志田龍である。

 ②志田龍は今どきの若者らしく、闘志をまったく表に出さないタイプ。それもあって、調子がいいのか悪いのかを判断するのが非常に難しい。このシリーズでの結果は冴えないものだが、4日目の選抜ではなかなかいい走りをしていた。思いきっての単騎カマシ勝負もあり得るメンバー構成で、デキもここではいい部類なのではないかと思える。単騎となったことで、配当的な妙味もアップするだろう。

 この②志田龍の「後ろ」を狙いそうなのが、同じく単騎である⑥畑段嵐。中部近畿での連係を選ばなかったとはいえ、タテ脚がある②志田龍に乗ることは十分に考えられる。いかにもデキが悪そうな南関東勢や九州勢ではなく、この位置のほうが面白いと考えても不思議はないはずである。②志田龍が中国勢の後ろを狙いにいった場合も、勝負どころを①⑦②⑥という隊列で迎えられれば、好勝負に持ち込める。

 しかも②志田龍は、積極的な走りをした場合に末が甘くなる傾向がみられる。最後の直線で②志田龍を⑥畑段嵐が差しての⑥→②は、かなりいい配当になるのではないか。②→⑥はしっかり押さえつつ、より配当のつく⑥→②がらみの買い目を積極的に狙っていきたいところ。手を広げてもいいが、絞って勝負するならば3連単⑥=②→①⑦⑨あたりがオススメの買い目となりそうである。

畑段嵐士(撮影:北山宏一)

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【予想レース②】
岸和田4R 高松宮記念杯競輪(GI)選抜

①椎木尾拓哉(93期=和歌山・38歳)
②伊藤旭(117期=熊本・24歳)
③根田空史(94期=千葉・35歳)
④高橋晋也(115期=福島・29歳)
⑤松岡貴久(90期=熊本・40歳)
⑥隅田洋介(107期=岡山・36歳)
⑦山崎芳仁(88期=福島・45歳)
⑧皿屋豊(111期=三重・41歳)
⑨小原太樹(95期=神奈川・35歳)

【初手・並び予想】
←⑧①(中近)②⑤(九州)⑥(単騎)③⑨(南関東)④⑦(北日本)

【注目のヨーロッパ】
⑥隅田洋介

⑥隅田洋の「展開を見極める能力」に賭ける!

 ラインが4つに単騎が1名というコマ切れ戦。最終日に「一発決めてやろう」と積極的な走りをしてきそうな選手が多く、さらに同県コンビも多いメンバー構成だけに、ここは激しい戦いとなりそうだ。いい位置でクレバーに立ち回る②伊藤旭が先頭の九州勢が人気を集めそうだが、ここが一本かぶりになるようなイメージはなく、オッズはかなり割れそう。結果が少し紛れるだけで、美味しい配当になってくれそうである。

 主導権は、南関東勢の③根田空と北日本勢の④高橋晋が争いそうだが、このシリーズでの③根田空は、デキがいいとは思えない動きをしている。本人も調子がいまひとつだと感じているならば、できれば逃げたくないと考える場合もありそうだ。④高橋晋のほうがまだデキはよさそうで、番手を回るのが⑦山崎芳ならば、こちらが積極策というケースもあるか。さらにいえば、②伊藤旭が主導権という展開だってここはあり得る。

 展開読みが猛烈に難しい一戦だが、それだけに面白いのが単騎の⑥隅田洋。単騎だからといって後方でじっとしているようなタイプではないので、ここはレースの流れのなかで主導権を奪うラインを見定めて、その直後を狙いにいくとみた。問題はそれが「どこ」なのかだが、そこは展開を見極める能力の高い⑥隅田洋に一任。そこで正解を出してくれれば、高確率で車券絡みが期待できるはずだ。

 さすがに⑧皿屋豊の主導権という展開はないと思われるので、狙うべきは②⑤⑥、③⑨⑥、④⑦⑥の3パターン。⑥隅田洋が3番手から1着まで突き抜けるケースも考えられなくはないが、やはり2〜3着の可能性のほうが高いとみている。ならば買い目は、九州勢の3番手からであれば②⑤⑥、⑤②⑥、②⑥⑤、⑤⑥②の4点。これを3パターンすべて買ったところで、3連単の点数はわずか12点に過ぎない。

「スジ違い、かつ⑥隅田洋が2〜3着」という決着もあるとは思うが、そこまで拾いにいくとなると買い目の点数が一気に増えてしまう。ならばここは、少ない点数のわりに爆発力もある、「スジ決着、かつ⑥隅田洋が2〜3着」のカタチに絞ったほうがいい。より大きなリターンを求める方には、⑥隅田洋が1着に突き抜けるパターンを足した3連単18点での勝負をオススメする。

隅田洋介(撮影:北山宏一)

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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