2024/06/07 (金) 12:00 20
今年2回目のGI日本選手権(ダービー)は決勝6着。昨年は8分の1車輪差でVを逃し、今年こそ狙ったダービー初制覇は、来年以降に持ち越しとなった。その後も好調をキープして賞金ランキングは3位と好位置につける。今年の前半戦ラストのGI高松宮記念杯競輪を前に、近況のレースを振り返ってもらった。最後は恒例のお便りコーナーもあります。
ーーダービーは決勝6着。1走目の特選と、決勝は単騎での戦いでした。
調子は悪くなかったし、準決勝もいい捲りが出た。ダービーに向けてやってた事がいい方に出た。
ーー1走目から“これはやれる”って感じだったんですか?
1走目はあまり手応えを掴めなかった。思い通りの流れにならなかったし、一番前まで出るつもりはなかったけど、押し出されるように前に出ちゃった感じ。出てからのプランもなさ過ぎましたね。2走目は脚がスカスカする感じがすごくあって…。
ーー二次予選は苦しい展開になってしまいました。なんとか3着で凌ぎました。
なんとか耐える事が出来て首の皮一枚つながった。準決勝まで1日空いたので、指定練習で乗ったりしてしっかり調整出来たと思う。
ーー準決勝は会心の捲りが決まりました。レースは新山響平選手の突っ張り先行でした。
北日本の後ろから行きたかったけど、周りのスタートも早かった。あの位置になったので、落ち着いてワンチャンスを狙いに行った。
ーー4番手から小林泰正選手も捲っていましたが、その上をものすごいスピードで乗り越えていきました。
脚を使っていなかったんで。泰正の仕掛けを見ずに行ったのが良かった。自分で行ってみてダメだったら仕方ないっていう気持ちで。
ーーこれはかなり手応えが?
準決勝は手応えありましたね。練習でも上がってきてる実感もあったんで。
ーー決勝は単騎戦でした。
ちょっと難しかったですね…。最終ホームで4番手、悪くない位置は取れたけどヨシタク(吉田拓矢)の巻き返しが早かった。さすがでしたね。
ーー関東勢5車が3対2に分かれて、残り4人が単騎。なかなか戦いづらかったかと思います。
それでもなんとかしなくちゃいけなかったですかね…。
ーーちなみにレース前にオッズは見ましたか?
控え室に(テレビが)ついていたので見た。ダービーの決勝で単騎で人気になってた。お客さんに申し訳なかったですね。
ーー単騎同士で清水選手と古性選手の折り返しが2連単の上位人気でした。2選手の今年の強さが評価されていたのだと思います。
そういうところできっちり(期待に)応えたかった。
ーー全日本選抜に続いてダービーも決勝進出。本当にあと一歩のところまで来ていると思います。
今年こそしっかりタイトル獲りたいですね。そういう気持ちで練習をやってるし、いい練習が出来ている。
ーーいい練習というのは今年に入ってからですか?
去年からやってるのが、今年はより明確にやっていこうって感じですかね。
ーーその思いはGIのタイトルから遠ざかっているというのが一番の理由ですか?
もう4年半くらい、手が届くようなところにもいなかったんで。一歩ずつですけどしっかり狙っていきたい。
ーー続く武雄記念は今年の玉野記念の初日だけ乗った自転車に替えたという記事を見ました。
暖かくなってきたので引っ張り出してみたけど、まだ自分には踏めないなって。準決勝から元に戻した。
ーーダービーで乗っていた自転車に?
そうですね。
ーー2日目までの自転車との感覚の違いはありましたか?
感覚的には良かった。ただ準決勝は(地元の山田)庸平さんに申し訳ないレースになってしまった。打鐘で叩いていればもう少し楽なレースになったと思う。
ーー3着で決勝進出。決勝は後ろが2日目に連係した山田英明選手と、初日に連係した稲川翔選手で競りでした。多少は想定もしていましたか?
不思議ではなかったかな。
ーー後ろが初手から競りなのは最近では記憶にありませんが…。
あんまないかもしれない。最近はあったかな…。だいぶ前に… あるのはあります。
ーーちなみになんですが、こういう場合って、レース前の話し合いはどうするんですか?
初手の位置だったり、自分が考えてる事をそれぞれに自分で伝えました。
ーーたとえば、桑原大志選手が競られてしまうような場合は?
桑原さんとだけやります。
ーー同地区やラインの選手が競られてしまう時はその選手とだけなんですね。
そうです。
ーーありがとうございました。その決勝ですが、ちょっと意外な展開になったのではないでしょうか。
初手的にも根田(空史)さんが突っ張りと思って見てたら、弾いたのでこれはマズいと思って、叩いてから考えようと。打鐘で叩いたけど、結構ペースも上がってて。予期せぬレースというか、打鐘先行は予想外だった。
ーー後ろも稲川選手になったり、山田選手になったりと二転三転でした。
最終ホームからのことはほとんど覚えてない。とにかく両ラインを出さないように踏んでた。
ーー自力に転じた深谷(知広)選手に捲られはしましたが、根田選手と志田(龍星)選手を出させず意地を見せてもらいました。
あれでもうちょい持つようになればレースの幅も広がると思う。また練習で取り組んでいきたい。
ーーダービーから中4日とタイトな日程の中でしたがある程度の結果を残せました。
そこまで疲れもなくて引き続き感触は良かった。ただ武雄が終わってから(疲れが)ドッと出た。めまいが出たりとかそういうのがありましたね。
ーー全プロ記念競輪までは10日ほど間隔がありました。
全プロもちょっとキツかった。いい状態ではなかった。初日が一番良くなかった。
ーーそんな状況でこれ以上ない結果でした。
自分が一番ビックリ。入った状態を考えたらピンピンはビックリだった。しっかり勝ちきる事が出来たのは良かったと思う。
ーー2走目のスーパープロピストレーサー賞は犬伏(湧也)選手の頑張りもありました。
勝てたのは良かったけど、ラインで決められてない。番手を回った時にそこが課題。自分ももう少し援護出来るように。走るたびに課題が見つかっていく。
ーー翌日の全プロ大会は?
ケイリンに出て予選敗退でした。
ーー出走予定だった前橋記念は欠場となりました。
全プロの時も具合が良くなくて、ちょっと腰痛も出たので。
ーー次のGI高松宮記念杯までそこまで日がありません。
武雄が終わってからちょっと思うような練習が出来ない時はあったけど、最低限のやれる範囲では(練習を)やれてる。練習での調子はいいんで。
ーー得意とは言えない時期もやってきます。
いつもはだいだい全プロくらいで暑さの兆候が出るんだけど、今年はそこまで気になってない。天気もこれくらいを維持してくれたら。
ーー今年3回目のGIが今年の前半戦最後のレースになります。
いい感じで締めたい。ここ何年かでは(今年の前半戦は)一番いいような気がするので。
ーーあらためて今年の強さですが、今年が良くなるようにやってきたのですか?
たまたまかみ合ってきてるような感じ。ウエートとかの成果が出てきたし、自転車の寸法も3年前とかに比べたら全然違う。自転車は3年前とは同じものがないくらい、なにもかも違ってる。そうじゃないのはハンドル幅くらいだけじゃないかな。
ーーレース形態の変化も関係していますか?
レースが変わってるから自分も変わらないといけないっていうのが大きい。
ーー話は変わりますが、前回のコラムでは中日ドラゴンズの試合を観戦し、次に行くチケットも取ったとありました。
ダービーの翌日、5月6日に行ってきました。取鳥雄吾、久保田(泰弘)、弟子の原田(峻治)と4人で。
ーー試合結果は?
勝ちました(2対0)! 中日ドラゴンズファンを3人増やした。
ーーお弟子さんの原田選手の名前が出ましたが、ルーキーシリーズでデビューを果たしました。
ダービー期間中も見た。ルーキーシリーズに関しては学校の競走訓練を見てるような感覚。自分を出して欲しいなと思っては見てた。脚力が劣ってるのは事実。まぁ問題は本デビューしてからでしょう。
ーー練習は一緒に?
一緒にやってます。防府バンクも6月中旬くらいまで使えるので、バンクでもやってます。
ーー防府競輪場の工事もだいぶ進んでいますか?
そうですね。
ーー熊本競輪も再開しますし、防府競輪も秋には再開します。
みんなで盛り上げていけたらな、と。
ーーダービーお疲れ様でした! 準決のあの位置から捲り痺れました。決勝は悔しい結果になりましたが、状態的にはどうでしたか?(ゲスト)
自分の中では納得いく状態で走れました。
ーー中日ファンになった動機はなんでしょうか?私の知り合いにも防府では珍しい!? 中日ファンがいますが、清水選手の知り合いにも居ますか?(ゲスト)
高校の同級生に1人いたと思う。動機は、2004年の日本シリーズがテレビでやってて、中日対西武だったと思うんですけど、中日を応援してたのが始まり。なぜその時中日を応援してたのかは覚えてないですけどね。
ーーおすすめのプロテインありますか?(匿名)
エクスプロージョンさんです!
ーー清水選手の好きな車番が3番と聞いたのですが、今も変わらず3番車が好きですか?(さやちゃん)
基本3番車が好き。あとは5とか9が。
ーー奇数が好き?
そうですね。
ーー3が好きな理由は?
昔から赤が好きなんで。
ーーダービーの決勝は3番車でした。
そうですね、最近は多い気がする。
ーー5番車、9番車は何か理由がありますか?
5と9はなんとなく成績がいい気がする。2番車はあまり…。黒があまり好きじゃないので。
(取材・構成=netkeirin編集部)
清水裕友
Hiroto Shimizu
清水裕友(しみずひろと)。山口県防府市出身。105期。日本競輪選手会山口支部所属。師匠は國村洋。ビックレースはGI「読売新聞社杯全日本選抜競輪」(2020年)、GII「サマーナイトフェスティバル」(2020年)、GII「ウィナーズカップ」(2021年)。