アプリ限定 2024/04/28 (日) 20:00 21
「ガールズグランプリ2021」優勝、年間賞金女王の称号を手にした高木真備さんは、2022年5月に選手引退。その後は保護犬・保護猫活動に取り組み、自身がメインとなるイベント活動を精力的に行っています。そんな高木さんが30日からいわき平競輪場で行われる日本選手権競輪(通称:ダービー)を大展望! 2024年の“ダービー”は果たしてどんな大会になる!? さらに、決勝当日朝に買い目予想も公開します!
いわきはめちゃくちゃ相性が良くて、 オールスター(2017年ガールズドリームレース)とサマナイ(2020年ガールズケイリンフェスティバル)と、ビッグの優勝がいわき平でしたし、“先行して11秒台で上がりたい”という目標をもって走っていた時がありましたが、それを達成できたのもいわき平競輪場。自分自身といわき平の相性がすごく良かった思い出があります。
サマナイで優勝した時は、決勝戦がはじまるまでその日の男子選手のレースをずっと見ていました。イエローライン付近がすごい伸びている傾向というがあったので、私が出場する決勝戦の時、最終バックではまだ後方だったんですけど、落ち着いて外のコースを踏めて伸びたことを今でも覚えています。
まず、いわき平は風がすごく強いです。ナイターだとやんだりしますが、昼間は強烈な風が吹くので、予想するうえで風の影響については要注意じゃないかなと思います。バンクも直線がやや長いと思うので、自力選手は残るのが難しいです。4コーナー、イエローラインあたりのコースがよく伸びますので、大外から伸びてくる選手たちがゴール前で波乱を巻き起こすことがしばしば。
ただ、前を走ってる選手が、外から伸びてくる選手を牽制しようとして、内をあけると、内側からも割って入ってくる選手が伸びてきたりするので、内も外も全然違うライン選手決着で高配当という結果も見られますから、車券は本当に難しいですね(笑)。私自身、今年のいわき平記念で万車券を当てたりはしたのですが、2・3着が抜けで高配当を外しちゃったことがあったので、買い方は“全-全”車券がいいのかなって思いました(笑)。
男子選手の中で“KEIRIN グランプリ”はもちろんですが、一番獲りたい最高峰のG1は“ダービー”という話を聞いたことがあります。“ダービー”は誰もが憧れるタイトルとなると、勝ち上がりも厳しいうえに慎重になってしまい“守り”の姿勢になる場合もあるんじゃないかと考えてみました。
勝ちに拘る気持ちが強くなると選手心理に変化が生まれて、仕掛けようと思った時に躊躇してしまい仕掛けそびれたり、まくりに構えて不発になったりとか。逆に空回りして早駆けしてしまうことがあったりして。
勝ちたいと強く思う場面で、実際に勝ちきるのはすごく難しいことだと私自身は感じていましたので、もしかしたら心理的な部分で比べると“ダービー”は他のG1よりも荒れやすいのかなと感じました。
調子はもちろん、レースに対する戦法と気持ちの部分がうまくはまって、その開催全部(6日間 4走)で上手く自分の力を発揮できた人が決勝に上がれるんじゃないかなと思います。
あとは若手選手。G1出場経験が少ない選手にも注目してみたいです。出場できた喜びとプレッシャーが少ない状態で臨めるのは大きいと思うので、そういった選手を買い目に入れてみたいですね。去年でいうところの伊藤旭選手(2023 年ダービー3日目に大波乱を演出)のような、格上相手でも慌てずに肝の座ったような器用さや思いきりの良さがある若手選手には注目したいです!
注目選手はやはり北井佑季選手。これまでとはちょっと変わった北井選手になりつつあるのかなと感じたのですごく楽しみです。今まで先行基本で積み上げてきたものに加えて、他の戦法をちょっとずつ組み合わせながら試行錯誤してるのかなと感じたので、ここからさらに強さが増していくんじゃないかなって! すごく楽しみです。
今年の全日本選抜競輪(岐阜、G1)で良い成績を残してから(決勝3着)は周りの評価も変わってきたりして何か気持ちの変化があったのかなとコメントを見て私は感じました。
でもひとつ、競輪って面白いなって私自身ずっと感じていた部分でもあるのですが、レースに対する気持ち(勝ちの意識)が変わってきてからがまた難しくなるという経験をしたことがありました。迷いなく先行することが仕事だと思ってる時の“無欲の先行”ってびっくりするような破壊力があったりするのですが、逆に緻密に計算して勝ちにこだわって取った1着って違った難しさと強さがあってまた深みが違うというか…!
同じ1着でも違った1着に感じて、このそれぞれの着の奥深いところについて考えるのが私は好きだったりします!(マニアックな話になっちゃいました…笑)
『自分は先行しかない』と思って走れて迷いなく力を出し切ることができたから逃げ切れたというケースもあったと思うんですけど、今度は勝ちを意識し出すと“逃げればよかったのに捲りに構えて不発になってしまった”とか、逆に“やっぱり自分は先行した方が良かったんだと思って無理やり先行争いして着外になってしまった”とか色々な葛藤が出てくることもあるんじゃないかなと思います。
4月の川崎記念で眞杉選手と踏み合った時のレース、その姿はとても格好良かったと思いました! でも結果だけをみたら“1着をとる”という意味では最善策じゃなかったかもしれない。正解は走ってる選手が決めることだと思いますが、同じ走りに対して色んな見方ができるからまた難しい…。
今までは“自分の走りをしたい”と北井選手は発言されていたと思いますが、ウィナーズカップの頃から“優勝を目指していきたい”、“今年はタイトル取りたい”という言葉に変わってきたように感じました。ウィナーズや川崎記念では優勝できませんでしたが、いつか全てが噛み合って今以上に最強の北井選手を見られる日が来るんだろうなって! 北井選手に期待しています(笑)。それがいつなのか、今回のダービーなのか、もしかしたらもう少し先なのかわかりませんが、そのあたりの北井選手の変化が私的にはすごく楽しみなのでタイトルを取る姿を見たいなと思って応援したいと思います!
高木真備さんが日本選手権競輪決勝の買い目予想を公開します(5/5朝)。下記リンクより☆ボタンを押しお気に入り登録をされてお待ちください。どうぞお楽しみに!
netkeirin取材スタッフ
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