KEIRINグランプリとは!?

ーー今回は高木真備さん、野原美咲さんにKEIRINグランプリとは何か、また今年のグランプリ出場選手について語っていただければと思います。お二人ともよろしくお願いします。

高木真備(以下、真備)　みなさんこんにちは！ 高木真備です。今日はよろしくお願いいたします。

野原美咲(以下、美咲)　こんにちは！ 野原美咲です。よろしくお願いいたします。

ーー早速ですが、KEIRINグランプリとはいったいどういったレースなのでしょうか。

真備　グランプリには年間のG1優勝者と獲得賞金額上位者の9人が出場できます。その9人は翌年にS級S班を務めるトップ選手たち。恐らくすべての選手が、この舞台に出ることを目標にしている特別なレースです。

美咲　優勝賞金は1億円を超えますし、1年で最も注目を集める競輪のレースだと思います。

真備　ボートレースやオートレースのイベントに呼んでいただいた時に「グランプリは買うよ」と言って下さる方もいます。他競技のファンの方からも注目されているんだなと感じます。

ーー競馬でいえば有馬記念、ボートレースでいえば賞金王決定戦のように、普段公営競技をやらない方でも「KEIRINグランプリは買うよ」って方は確かにいますね。

立川競輪場は…好き嫌いが分かれるバンク

ーー今年のグランプリは立川競輪場で開催されます。東京所属だった真備さんにとって立川は地元バンクですが、どんな競輪場なのでしょうか。

真備　冬の立川は、寒くて重くて風が強くて直線が長くて…。好き嫌いがすごく分かれるバンクだと思います。

美咲　私は好きでした！ 直線が長くて最後に追い込めるので。確かに冬は重たいですけど。

真備　私が最初にグランプリに出たのが立川だったんですけど、はじめてジャンで脚がいっぱいになってしまったんです。風速4メートルのコンディションで本当に重くて、7番手で何もできず終わってしまいました。普段、立川で練習していると、他の競輪場がすごく軽く感じます。

ーー風向きはどんな感じでしょうか。

真備　基本的にはバック向かい風。ただ日によって違うんですよね。バック向かい風の日はまくりが決まりにくいけど遅めのまくり追い込みが届いたり。ホーム向かい風の時は先行選手がゴール前で失速しちゃうし…。番手選手がいつも通りのタイミングで抜きに行くと、その後ろの3、4番手が伸びてきちゃうので、いつもより遅めに追い込みに行くように意識するといいよ、とアドバイスされたことがあります。

美咲　やっぱり立川は先行選手より追い込み選手が有利っていうイメージが強いですね。

真備　あと、競輪場の外にバンクが見える芝生の広場があるのですが、よく幼稚園児くらいの子たちがお散歩なのか集団で来ています。バンクの方を見ながら「ニバンがんばれー」とか「アカ頑張れ〜」って応援してくれるんですよ(笑)。すごくいい雰囲気ですし、地域の方との距離が近いのも立川競輪場の特徴だと思います。

帰ってきた中国ゴールデンコンビ 「マツキヨコンビいいですよね〜」

ーー今年のグランプリはこちらの9人によって争われます。

真備　さすがグランプリって感じのメンバーですよね。

美咲　今年一年活躍された選手が揃うわけですし、好メンバーすぎて誰が優勝しても納得できるメンバーだなという印象です。

ーーまだ並びは発表されていないので、想定でのお話になりますが。9人がどんな選手なのか、お二人にうかがいたいと思います。

ーーまず、前年度覇者の脇本雄太選手はいかがでしょう。

美咲　ワッキーさん…。脇本選手は「最強の自力選手」じゃないでしょうか。脇本選手が駆けたら、その上を他の選手がまくるっていうのはほとんど見たことがないですし。位置にこだわるレースは少ないので、別線としてはいかに脇本選手を後方に置くか、っていうことを考えていると思います。ただ、今年は8月のオールスターで落車し、大ケガを負ってしまいました。復帰後も四日市記念、競輪祭と決勝には乗っていますが、ケガの影響はまだあるのかも…。どこまで調子が戻っているかが大事なポイントになると思います。

ーー脇本選手との連係が予想されるのが古性優作選手です。

真備　古性選手はスーパーオールラウンダー！ 本当に何でもできるし、器用さ、キレはすごいなって。

美咲　古性選手のハンドルさばきや、落車回避術などは神業と呼ばれてSNSとかでも話題になりますもんね！

真備　たぶん本番は脇本選手の番手だと思うんですが、古性選手が前で戦うとしても勝機は十分にあるのかなって。自分でやった時はもちろん、人の後ろに付けて前の選手が不発でも必ず上位に食い込んでくる。それくらい本当に全てのレベルが高いですし総合力は輪界イチだと感じます。

美咲　近畿2人は「最強の自力」と「最強のオールラウンダー」の最強コンビですね！

ーー最強コンビといえば清水裕友選手と松浦悠士選手の中国ゴールデンコンビも復活しますね。

真備　清水選手のことは「同期の宝」って呼んでいます(※105期、106期は同期にあたる)。

美咲　そうそうそう(笑)。清水君はとにかく気持ちで走る人。必ず仕掛けて見せ場を作るし、だから後ろの人にもチャンスがある。清水君の走りを評価する人はすごく多いと聞きます。

真備　清水選手は「立川が地元の次に好きなバンク」って前に話していました。寒くて重いバンクは得意みたいで、この時期の立川にはピッタリの選手だと思います。1年でS班に復帰したのも本当にすごいですよね。

美咲　清水君って良い時と悪い時の差もちょっとあるけど、地元の防府記念を6連覇したりと、ココってところで気持ちを高めて結果を出すことができるすごい選手だと思います。

ーー清水選手のS班返り咲きを一番喜んでいるのは松浦悠士選手ではないでしょうか。その松浦選手ですが別府記念最終日に落車してしまいました…。

真備　松浦選手のケガは心配ですよね…。ご本人はSNSで「軽傷です」と発信していましたが。その別府記念ですが、落車して引き揚げていく時に“大丈夫だよ”ってアピールするように手を挙げていましたよね。ファンの方を大事にする松浦選手らしいなって感じました。

ーー松浦選手はどんなイメージですか。

美咲　松浦さんも「最強オールラウンダー」ですけど、古性選手とはちょっと違うタイプかなって。古性選手は体が勝手に反応する感じ、松浦選手は「頭を使って、考えて、賢く」みたいな印象です。

真備　確かに松浦選手は「競輪IQ最高」って言われていますよね。昔、松浦選手に「レースの組み立てはどうやって考えているんですか？」って質問したことがあるんですけど「何パターンも考えて想定している」っておっしゃっていました。すごく準備を大切にする方だなって。

美咲　あとファンのことをすごく大事にしていますよね。別府記念の手を挙げたやつもそうですし、SNSで積極的に発信したり、イベントにもたくさん出ていて。お客様ファーストな選手だと思います。

真備　どこかの記事で清水選手と松浦選手を「マツキヨコンビ」って書いてあるのを見ました(笑)。「松清コンビ」も注目です。

美咲　このコンビ、いいですよね〜。どちらが前になるかわかりませんが、後ろの選手は特に優勝のチャンスがあるんじゃないでしょうか。

“もってる”山口拳矢選手 勝負強さ「気になってきました(笑)」

ーー眞杉匠選手についてはいかがでしょう。

真備　眞杉選手は今まで先行してラインに貢献するレースが多かったけど、段々と“自分が勝つ先行”になってきた印象です。“タイトルを獲れる”っていう気持ちでG1に臨んで、実際にふたつ獲りましたし、特に競輪祭を自力で勝ったのは本当にすごかったです。今までやってきたことが実を結んだ一年だったんじゃないでしょうか。眞杉選手とは今年一緒にトークショーにも出演させていただきましたし、ぜひ頑張ってほしいです。

ーーダービー王の山口拳矢選手のイメージはどうですか。

真備　山口選手は“もってる”っていう言葉がピッタリだなって(笑)。特に単騎になった時の勝負強さはすごいですよね。ダービーを優勝して時もそうでしたし。グランプリ本番も単騎なら、脚をためて3コーナーくらいからのまくり追い込みが決まるかも？ とにかく“もってる男”でスター性があるので、初出場初優勝で親子グランプリ制覇! みたいなのも十分あるのかも…。最近の調子を見ると少し心配な部分もありますが、それでもやっぱり気になる選手ですよね。

美咲　立川バンクも合っていそうですよね。ダービーの再現みたいな感じで一発もありそう…。なんか拳矢選手、気になってきました(笑)。

ーー深谷知広選手もグランプリの舞台に帰ってきました。

美咲　今年の深谷さんは番手を回るようになって、タテだけじゃなくヨコでもすごくしっかりされていて。番手できっちり仕事をしたりと選手としての魅力が一段と増した気がします。特に優勝した共同通信社杯の時は、外を張って(渡邉)雄太君をサポートしてから追い込んで1着と、新しい深谷選手を見せてくれました。深谷選手が移籍してきてから静岡はすごく盛り上がっています。来年のグランプリは静岡で行われるので、来年につなげる意味でも今年も頑張って欲しいです。

最強の追い込み選手 佐藤慎太郎は「気配りの方」

ーー続いては新山響平選手です。

美咲　新山選手は今年がS班1年目でしたが、どんどん貫禄や風格も出てきた気がします。そして何より突っ張り先行というスタイルを確立しました。“新山=突っ張り先行”も定着していますし、スタイルを貫きながらグランプリ出場権を獲得したのは素晴らしいことだと思います。ただグランプリは北日本が2車になりそうなんですよね。ライン3車なら突っ張り先行の可能性が非常に高いと思ったんですが、2車で突っ張り先行してもちょっと厳しいのかな、と。本番でどう組み立ててくるのか注目しています。

ーー新山選手マークになりそうなのは佐藤慎太郎選手です。慎太郎選手といえば…。

真備・美咲　(声をそろえて)最強の追い込み選手(笑)！

真備　慎太郎選手は立川グランプリを優勝していますよね。

美咲　慎太郎さんが後ろに付くと、先行選手もすごく気持ちの入ったレースをする印象です。それは慎太郎さんが後ろにいる安心感や信頼感があるからこそだと思うんです。先行選手の頑張り、それにしっかり仕事と結果で応える慎太郎さん。競輪という感じですごくカッコいいなって。

真備　慎太郎さんは現役の時からよく話しかけてもらっていました。「おはよう、SNS見たよ！ あれ、すごいね」とか、挨拶プラス一言つけてもらえるのがすごくうれしかったです。周りのことをすごくよく考えてらっしゃるし、気配りの方っていう感じです。

美咲　今年は守澤(太志)選手もいないですし、生粋の追い込み選手は慎太郎さんだけ。どんなレースを見せて下さるのか楽しみです。

古性優作選手と清水裕友選手に注目！

ーーまだ並びが決まっていませんが、現時点での予想をうかがいたいと思います。まず、展開はどうなりそうですか？

美咲　近畿は脇本選手、中国勢は清水君が前回りと想定します。先行しそうなのは新山選手、清水君が中団を取るのかな。でも清水選手は仕掛けが早いのでホームくらいから巻き返しそう。そうなると脚をためている選手に流れが向くのかな…。

真備　みんなが思っているのは「脇本選手を後方に置く」こと。その思惑は他のラインは一致していると思います。

美咲　ライン3車のところがないし、単騎も多いコマ切れになりそうなのがポイントですよね。

真備　冬の立川っていうのを踏まえると、最終バック過ぎに一番脚がたまっている選手が優勝する気がします。逆にジャンからホームに駆けて脚を使ってしまった選手は厳しいのかな…。そうなるとやっぱり単騎で脚をためる選手の存在は気になりますよね。

美咲　やっぱり山口拳矢君、来そうだな(笑)。

真備　あとはライン構成や車番を見てから最終的な狙い目を出したいと思います。

ーーグランプリはどういった車券の買い方をする予定ですか?

真備　私は最高配当が3万円くらいなんです。3着が抜けてしまって10万車券を逃してしまったことがあったので、グランプリでは5万円以上の配当を当てたいなって(笑)。グランプリですし資金もたくさん用意して、とにかく“抜けないように”。軸を決めて〇-全-全で勝負しようかな(笑)。

美咲　私はグランプリの車券を買うのが今年が初めてになります。今までは“誰が勝つんだろう”って純粋にグランプリを見ていましたが、車券を買うとなると見方がちょっと変わるかも。私も3着が抜けて大きい配当を逃したことがありますけど、やっぱり2着と3着は絞りたいなって。逆に1着の欄に2人くらい入れてのフォーメーションを考えています。

ーーでは、最後にお二人の注目選手を教えてください。

真備　私は同期の清水選手です。これは清水選手が飼ってる犬の絵です(笑)。

美咲　私は…。古性選手にしました。これは…古性選手の似顔絵です。古性さん、すいません(笑)

▶高木真備の買い目予想
▶野原美咲の買い目予想

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