アプリ限定 2023/12/20 (水) 18:00 26
今年最後のGI競輪祭を終えて、2年ぶり5回目のKEIRINグランプリ出場が決定した。グランプリ出場&S級S班復帰を祝して、今回はスペシャル企画。同じ山口県のヒーローで、昨年のSGボートレースグランプリを優勝したボートレーサー白井英治選手との対談が実現した。2人の出会いやそれぞれの競技の魅力、そして白井選手からはグランプリを勝つ極意など、さまざまな話題が飛びかった。競技の垣根を越えて、昨年のグランプリ王からこれ以上ないエール。12月30日のKEIRINグランプリに向けて最高の勢いがついただろう。今回はグランプリ前の第1弾としてお届けします。第2弾の模様も乞うご期待! ぜひ最後までご覧ください。
12月某日、山口県某所に山口支部所属のトップレーサー2人が顔をそろえた。昨年、ボートレースのSGグランプリを制したボートレーサー白井英治選手と、2年ぶり5度目のKEIRINグランプリ出場で、初のグランプリ制覇を目指す競輪選手・清水裕友だ。親交が深い山口県が誇る公営競技界のスター2人が年末の大一番を前に熱く語り合った。
ーー白井英治選手(以下、白井)、本日はお越しいただきありがとうございます。
白井 よろしくお願いします。
ーー清水選手(以下、清水)はグランプリ出場、そしてS級S班復帰おめでとうございます。
清水 ありがとうございます。良かったです。
ーー競技は違えど同じ山口支部に所属のレーサー。まずはお2人の出会いからお伺いしたいと思います。お会いする前から、それぞれの存在を知っていましたか?
清水 もちろん知ってました。
白井 いつだったかな、弟弟子の末永祐輝から「推しのレーサーがいますよ」って言われて、車券を買ったら儲けさせてもらったんですよね。それがヒロトだったんです。
清水 (うなずきながら)はい、たしか小倉ですね。2017年の年末の初日特選(17年12月27日)だったと思います。その前に末永さんとお会いしていたんですよね。
白井 そういうのもあって会いたいなって思ってた。いろんなことを教えてあげたいと思った。
ーーそれから2人が実際に会ったのは…
清水 2018年の11月に(山口県周南市の)徳山のボートレース場で周年記念(GI)があって、それをたまたま競輪選手何人かで観に行ってて。で、その時、奇跡的に山口支部のスーパースターの2人、白井さんと寺田(祥)さん(同じく山口支部が誇るボートレースのスター選手)がフライング休みで大会に出場していなくて、行っていた日に2人のトークショーがあったんです。それでお2人が来場されてるって聞いて、ごあいさつをしに行ったんです。
白井 そこで、今度飲みにでも行こうかって。
清水 はい、そうです。そこからですね。連絡先を交換させてもらって。良くしていただいてます。
ーーお互いの第一印象は?
白井 好青年だなと思ったね。
清水 自分にとってはテレビの中の人だったので。ホンマに存在するんやって。
白井 失敗してほしくないなぁって。俺らも叩かれてきた。いろんなことで叩かれる。いろいろと教えてあげたいなぁって。今でも思ってます。
ーー今回は清水選手のグランプリ特別企画です。昨年、グランプリ連続出場が4で途切れました。
白井 ヒロトはいつか獲りますよ。去年の競輪祭は最終日に観に行ってて、終わった後に一緒に飲んだんです。ヒロトが出られなかった悔しさは知ってますんで。
ーーそうだったんですね。
清水 はい。
白井 俺は1年で返り咲けると思ってた。いつか(グランプリを)獲るだろうと思ってます。
ーー清水選手が悔しい思いをした一方で、白井選手は昨年、7年連続のグランプリ出場、10度目の挑戦で初めてグランプリを優勝しました。
清水 一緒に飲んだ時も俺がグランプリ獲るから見とけって言って、有言実行したんですよ。かっこよかったですね。
白井 でしょでしょ。
清水 鳥肌立ったっす。
ーー白井選手、10度目の挑戦でグランプリ制覇。ずばり勝因は?
白井 執念と無欲かな。
清水 そういえば防府記念はいつも以上に執念が出るかも。
白井 (地元記念)6連覇だっけ? 凄いよね。ボートでは無理だよ。競輪ではいたの?
清水 いないですね。
ーー現行制度になってからは4連覇が最高でした。
白井 本当に凄い。しかも玉野でも勝って。
清水 ありがとうございます。
白井 競輪のグランプリは一発勝負なんでね。そこがボートレースとは違うよね。
ーー白井選手でもグランプリを優勝するまで10回の出場を要しました。
白井 最初は勝てればいいかな、自分の姿勢さえ見せられればいいかな、という思いで臨んで、本気で勝つ時は姿勢が固まってくる。
清水 どれくらいかかったんですか?
白井 そこまでに4、5年かかったかな。
白井 ヒロトみたいな選手だったら年月かけた方がいいよ。いつか必ず獲れるから。これまでのグランプリのヒロトは必ず見せ場を作っているし。
清水 ありがとうございます。焦ってはないです。
白井 ヒロトはハングリー精神があるから。(グランプリに)出られることを当たり前だと思ってない。悔しさをかみしめながらやってるのが素敵だね。だからすぐに戻って来れた。グランプリって1年、一生懸命努力して頑張った結果。ヒロトならいつか獲れる、いつか獲ると思ってる。そのタイミングっていうのはボートレースと違うところがあるかな。
ーー白井選手はグランプリ制覇した昨年、これまでとは何か違うことをなさったりしたんですか?
白井 座禅を組みに行きました。
ーー初めて行かれたんですか?
白井 そうですね。初めて行きました。
ーー効果抜群でしたね。
白井 最後はメンタルの勝負になるんで。マイナス要素はないと思います。今度、ヒロトも連れて行きますよ。僕が行ったところではないですけどね。もうちょっと進化したところに。な?
清水 はい、行ってきます。
ーー座禅というのは時間はどれくらいなのでしょうか。
白井 僕は1時間くらいだったかな。今度のところは進化したところなのでもう少し長いかもしれないね。
ーー白井選手から見て、清水選手の今年の走りはどのように感じましたか?
白井 やっぱり防府記念の連覇は凄いし、グランプリにしっかり合わせて来たな、さすがに昨年の悔しさは忘れてないなと思う。(グランプリを)獲りたいという気持ちが伝わってくる。湧き出てくるものがあるよね。いつもと顔つきが違うもん。
清水 そうですか? してます? そんな顔。
白井 うん。
ーー2年ぶりにグランプリの舞台で清水選手と松浦悠士選手の中国ゴールデンコンビが復活します。白井選手は並びが気になりませんか?
白井 僕はヒロトが前だと思ってる。前の方がいいパフォーマンスができると思う。調子もいいんでね。
清水 あ、僕が前でやることになりました!
ーーいつ頃に決まったんですか?
清水 12日くらいに決まりました。
ーーあらためて意気込みの方をお願いします。
清水 自分らは並びが決まった。やることやって、とにかく力の出し惜しみだけはしないように。気持ちで負けて何も出せないんじゃ何もない。しっかり精神統一して臨みます。
白井 そうそう(笑)、それそれ。
ーー清水選手、現在の状態はどんな感じですか?
清水 練習がうまくいってる感覚がある。これまではグランプリに行ってセッティングを悩んだりとかもあったけど、今回はレース場に行ったら寝とくだけとかにしたい。ここまでは練習含め順調にいってます。
ーー白井選手は、グランプリ制覇した要因に「執念と無欲」をあげていました。清水選手がグランプリを勝つためのポイントなどはありますか?
白井 力は足りてると思うんで。運の要素も大きいと思う。あとはさっきヒロトが言ったように、力をしっかり出し切る事でしょうね。本当に獲ってほしいね。
清水 いやー、競技は違えど、2年連続で山口県にグランプリを持って帰りたいですね。
白井 頼んだぞ。また山口県が盛り上がるね。
清水 頑張ります。
ーーそうなったら本当に凄いですね。
白井 山口の競輪選手が、こんなに強くなるとは思わなかったからね。
清水 やっぱり桑原(大志)さんがグランプリに行ってくれたおかげですね。身近な人が乗ってくれたのが大きい。
白井 周りの選手が結果出したら『自分もできる!』ってなるよね。
ーー清水選手、松浦選手の中国コンビに大注目です。
白井 松浦選手が獲るってことはヒロトが獲るってこと。個人的にはどちらかが勝てばいいと思う。ヒロトを応援してるイコール、ヒロトのラインを応援してる。中四国が獲れば盛り上がる。とにかく中四国が勝たないと。中四国の選手が勝つのっていつ以来なの?
清水 最後はたしか児玉(広志)さん(香川支部、2000年立川)だったと思います。
ーー中国勢は1996年の小橋正義さん(岡山支部)が最後ですね。
清水 小橋さんはよく気にかけてくださるんです。僕が小橋さんと同じメーカーの自転車を使っているので。鳥取県にあるプレストっていうメーカーさんなんですけど。
白井 自転車ってどうやって作るの?
清水 そうですね、メーカーさんに直接行って頼んだ方がオーダーもしやすいです。同じメーカーさんの方が自分のこともわかってくれているので。
白井 そうなんだね。
ーーさてお時間も迫ってきました。清水選手からあらためてグランプリへの意気込みをお聞かせください。
清水 白井さんとこういう企画をやって、変な走りできないでしょ。初めてグランプリに出た時(18年静岡)は本当に無欲で戦えていいレースができた。出し惜しみせず、これまでのグランプリ以上の走りができれば。力を出せるように練習している感じなんで。本当にそこだけですね。
白井 とにかくその通りだと思う。無欲くらいの方が力が発揮できる。「勝とう、勝とう」と思うと体が硬くなって力が入らなくなるんで。心を無にしなきゃいけない。それが一番難しい。
清水 (座禅で)瞑想して、自分の名前を忘れるくらい無になって、無欲で行きます。
白井 それはまたちょっと違うと思うぞ(笑)。
清水 とにかく頑張ります!
ーー白井選手は12月30日は、28日から開催のボートレース徳山でのレース中ですね。
白井 そうですね。モーニングなのでグランプリの時間帯は宿舎で見られると思う。正座して見ときます。
清水 (笑)。
ーー好結果を期待しましょう。最後になりました。白井選手がボートレースを知らない競輪ファンに、清水選手が競輪を知らないボートレースファンに、それぞれメッセージをお願いします。
白井 そうですね。ぜひグランプリ(19日から24日まで、ボートレース住之江)を見てもらって、見てもらうことが大切。それで魅力を感じてもらって、ですね。とにかくレースを見てもらいたい。
ーー今年は、白井選手はグランプリではなく、グランプリシリーズでの戦いになります。(シリーズ戦は負傷のため途中帰郷)
白井 出るからには全力を尽くして頑張ります。
清水 人が出せる、人力で出すスピード感を。ボートレースと違った迫力があると思う。やっぱり生で観てもらうのが一番伝わると思う。レースを見てほしいですね。
ーーお二方、今日は本当にありがとうございました。
白井・清水 ありがとうございました。
同支部のグランプリ王者からの金言をもらった清水。グランプリ前夜祭までに精神統一も行って、初制覇への準備は万端で挑めるだろう。2人の対談の続編を1月にもお届けします!
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〜ご応募は締め切りました〜
(取材・構成=netkeirin編集部)
清水裕友
Hiroto Shimizu
清水裕友(しみずひろと)。山口県防府市出身。105期。日本競輪選手会山口支部所属。師匠は國村洋。ビックレースはGI「読売新聞社杯全日本選抜競輪」(2020年)、GII「サマーナイトフェスティバル」(2020年)、GII「ウィナーズカップ」(2021年)。