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鈴木誠のハイブリッド展望

【日本選手権競輪予想】初日落車の影響など関係無し! 平原選手が今年のGI初タイトルを掴む!/鈴木誠の展望

2021/05/09 (日) 12:00 1

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は京王閣競輪場で開催されている日本選手権競輪の決勝レース展望です。

関東ラインの後につけるのは、清水か? 郡司か?

【日本選手権競輪】は162人と選手数が多く、勝ち上がりが厳しい大会です。また、6日間の開催の中に2日しか休みが無いので、コンディション作りも難しくなります。

 ただ、こうした大会に多く出場しているベテランともなれば、その辺の調整も上手くできるので、そこで若手との差が出てきます。実際に準決勝に上がった選手の中にも、あまり若手選手はいなかったですね。

 その中でも、厳しい勝ち上がり条件の中で結果を残し続け、準決勝でも先行して2着に残った眞杉選手は、高く評価できると思います。決勝ではその眞杉選手の後ろに、準決勝と同じく平原選手が付けて、その後ろを武藤選手が固める関東ラインが唯一の3車となりました。

 S級S班で並ぶ中国ラインですが、ゴールデンレーサー賞と同じく清水選手が前で、後ろが松浦選手。今大会は抜群の状態と言える郡司選手の後ろには、同じS級S班の佐藤選手が回ります。浅井選手、松岡選手は単騎のレースを選択しました。

 決勝でも先行するのは眞杉選手かと思います。そうなると準決勝と同じように、関東ラインの後ろの取り合いが、清水選手と郡司選手とで繰り広げられそうです。

 中国ラインの2人ですが、眞杉選手や郡司選手といった好調選手と比べると、そこまでグッドコンディションではないのかな、との印象を受けます。実際に清水選手が前を任されたゴールデンレーサー賞でしたが、先行しなかった辺りを見ても、この決勝でも自分の届くところからレースを運んでいくのではと見ています。

 一方、郡司選手は状態の良さを物語るように、どんな展開になっても、抜群のスピードで必ず上位に来ています。ラインを形成した佐藤選手も、さすがグランプリレーサーと言えるような走りを見せていますし、関東ラインの後ろをすんなり取れるようだと、チャンスが巡ってきそうです。

 それでも、関東ラインの優位は動かないでしょう。眞杉選手の番手を回る平原選手は初日の特選でゴール直後に落車をしていますが、その後、2日間休みがあったことで回復も図れたのでしょう。

 ゴールデンレーサー賞で果敢に先行した走りを見ても、落車の影響はそこまで出ていないと思います。そして、準決勝で眞杉選手を残せたことで、より有利に決勝を走れるようにもなりました。

準決勝で3着に粘った眞杉匠(6番車)。決勝でもラインを組む平原康多(9番車)にとって有利な状況になった(撮影:島尻譲)

 並びですが、眞杉選手は中団からレースを進めていき、郡司選手か清水選手に抑えられたなら後方に引いて、そこから一気に先行していくと思います。平原選手は準決勝のように眞杉選手を残すようなレースをしなくてもいいわけですし、眞杉選手が単独で先行できた時に、最も優勝に近づくのが平原選手でしょう。

 関東ラインの3番手を回る武藤選手も、予選、準決勝と伸びの良さが目につきました。平原選手の後ろをピッタリと付けていけるようなら、GI初制覇も見えてくるはずです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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