アプリ限定 2023/11/18 (土) 12:00 48
元ガールズケイリン選手・高木真備さんのコラム。今月は小倉競輪場で行われる「競輪祭女子王座戦」に出走する注目のガールズ選手紹介です。元トップ選手だからこその着眼点で選手の“強み”を解説します!
いよいよGP前最後のビッグレース『競輪祭』が始まります!
ガールズは今年からGI扱いとなり、名称も『競輪祭女子王座戦』に変わりました。ここでGP出場権争いが決着するのが一番の見どころ…熱い戦いが本当に楽しみです。
ただ、この開催! まだまだ他にも見どころがあると思っているので、ちょっとだけ熱く語らせて頂こうと思います!笑
むかしむかし、私がデビューした頃。
その当時ガールズは1期2期の先輩方と私たち3期しかいなかったので、今に比べたら人数が少なかったです。
それでも、先輩方はやっぱり強くて歯が立たない。レースにただ参加しているだけでは埋もれてしまう…と感じて、何とか自分らしさを出そうと必死に考えて食らいついていたのをすごく覚えています。
私が今まで参加してきた競輪祭では、デビューしてすぐの選手がいい走りをして『うわー!すごい!!』と選手同士で盛り上がる場面に何度も遭遇しました(自分のレースが終わったあとは、数人で検車場に集まって観戦することがあります!)。
『強い!』と思わず言ってしまうような走りは、強豪選手たちの記憶にも必ず残りますし、次に走るときには注意しよう…と意識することもあると思います。
そうなると少しずつ存在感は増していきますよね!! それがビッグレースで活躍できるようになる一歩につながっていくと私は思います!
あれから9年が経ち、ガールズ選手も200人近くになりました。
今からデビューする選手は、私の頃よりもっともっと選手が多くなっているのでそこで埋もれないようにするのはとても大変だろうなと思います。でも、今回のようなビッグレースが大きなチャンスになるのではないかと思います!
今回は、そんな走りを期待している2名の選手をご紹介します。
まずは飯田風音選手。
飯田選手はダッシュがあるタイプ。タイミングが合った時の捲りは鋭くてキレがあります。
中でも私が推しているのは先行力!! 前受けからそのまま突っ張って逃げ切りができる選手だと感じています。
実は突っ張り先行は持久力だけがあればできるか…というとそうでもなくて。
ガールズケイリンは誘導員がいなくなると一度スピードがガクンと落ちます。そのスピードが落ちたところから一気に加速するにはダッシュ力が重要になってくるんです!
さらに、後ろから仕掛けてきた選手は助走をつけてくるようなもの。先頭からその選手を突っ張るには、ダッシュ力と踏み出すタイミングが噛み合う必要があります。
飯田選手は、それが上手にできるタイプだと感じています!
上位陣が後ろで見合って仕掛け遅れた場合、持ち前のダッシュ力で一気に先行体制に入れれば、後方からの捲りが間に合わず逃げ切り…狙えると思います!!
もう一人は、畠山ひすい選手。飯田選手と同じく、思い切りのいい走りができる選手です。
畠山選手は落車後まだ復帰したばかりですが、だからこそビッグレースの経験がワンランクもツーランクも一気にアップするきっかけにできると思います。
今はどんな事でもぐんぐん吸収して力にできる伸び盛りの時期!
ビッグレースの雰囲気はやはり独特で…。記者さんや選手の人数はもちろん、発走前の選手のピリつき具合もいつもと違ったりします。
そのなかで走るだけでもプラスになると思いますし、そこでいい走りができると今後の普通開催に参加した時に一皮向けた感がはっきり分かると思います!
2人とも今開催で結果はもちろんですが、存分に自分をアピールしてきてもらえたらいいなと願っています。
いよいよはじまる競輪祭女子王座戦! グランプリ出場権争いに加えて、若手の選手の走りにも注目してみるとまた違った楽しみ方や応援ができると思います!
ぜひ色んな選手に注目して、それぞれのストーリーを想像しながら応援してみてください!!
高木真備
Takagi Makibi
元ガールズケイリン選手(106期)。2014年に奈良競輪場でデビューし、玉野競輪場で初優勝する。2016年のガールズケイリンコレクションでファン投票1位を獲得して、優勝。同年末にガールズグランプリ初出場を果たす。2020年には、特別競輪ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)で完全優勝し、同年のガールズケイリンコレクション(伊東)も優勝した。ガールズケイリングランプリ2021で悲願の優勝を果たし、2022年4月に引退。現在は動物保護活動をしている。