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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【小田原城下町音頭杯予想】文句なしの走りを見せてきた北井佑季 本命を背負って勝てるのか/ヤマコウ展望

2023/10/15 (日) 12:00 40

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 小田原施設整備等協賛競輪GIII決勝メンバーが出揃いました。車番、ライン構成は以下の通りです。

①北井佑季(神奈川・119期)ー④大塚玲(神奈川・89期)ー⑦大森慶一(北海道・88期)
③柴崎淳(三重・91期)
⑤宿口陽一(埼玉・91期)ー②河野通孝(茨城・88期)ー⑧磯田旭(栃木・96期)
⑥久田裕也(徳島・117期)
⑨山本伸一(奈良・101期)

 4月に小田原記念競輪『北条早雲杯』を開催したので、今回の『小田原城下町音頭杯』はGIメンバーは参加していません。それでも決勝3着以内に入れば来年の競輪祭出場資格が得られる上に、賞金も高いので選手のモチベーションは高いですね。

 その中でも①北井佑季の走りは文句無しですね。勝つだけではなくて、レース内容でも他の選手を圧倒しています。①北井を苦しめる先行型は⑥久田ですが、単騎なので北井の先行一車と言っていいでしょう。決勝戦も前受けして突っ張ると思います。

S.①④⑦ ⑤②⑧ ③ ⑥ ⑨

 この初手になったら誰も動きませんよね。中団の⑤宿口は①北井の突っ張りに備えて4番手をキープするはずです。後は単騎選手が①北井を叩くかどうかですが、一度先頭に出てもそこから先の展望が見えません。なので一列棒状でレースが進むと思います。みすみす9番手になるのを嫌がって⑨山本が前受けすることはありそうですが、「自力」にこだわっているので、そこから先打つ手がありません。③柴崎は混戦になるのを願って捲り勝負と割り切っているでしょう。①北井を捲れるのは③柴崎になりますが、混戦になるとは考え難いですね。

2.←①④⑦ ⑤②⑧ ③ ⑥ ⑨

 4番手の⑤宿口ですが、初日特選は北井の先行を捲ろうと仕掛けますが不発。決勝は①北井の後ろも視野に入れていると思いますが、バンク上段から駆けるタイプではないので、コースが開くかどうかは疑問ですね。

         ←⑥ ⑨
H.①④⑦ ⑤②⑧ ③

      ←⑥⑨
B.①④⑦ ⑤②⑧ ③

・本線
1ー47ー47523
7ー1ー4523

 最終バック9番手になりそうな③柴崎を入れていますが、これは⑥久田の自転車の進み具合によると思います。⑥久田が3番手外くらいまで進んでいたら③柴崎の絡みがあると考えました。ちょっと2着は厳しいかな‥。

 ③柴崎は「僕は人の後ろを回ると魅力が半減する」と言っています。彼が混戦を得意としないのは、天性の脚力があったからです。私はS級では自力が通用しなかったので「追い込み」しか道は残されていませんでした。やるしかなかったのです。しかし、彼はそんなことをしなくてもトップ戦線の自力選手でした。追込選手は、前の選手がダメなら、共倒れしても割り切れますが、彼ほどの自力選手になると力を出しきれずに負ける葛藤はあったと思います。自分を冷静に判断できることは非常に大切です。

 私は本命を背負って勝つ選手が本物だと思っています。北井はどうでしょうか。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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