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前田睦生の感情移入

【奈良競輪G3・秋篠賞】ケガの多い三谷3兄弟・政史と将太、中井太祐それぞれのリベンジマッチ

2021/04/28 (水) 12:00 3

三谷3兄弟は根性のブラザーズ

「ウソやろ…、ウソやろ…」

 三谷将太(35歳・奈良=92期)は2月の奈良記念「春日賞争奪戦」は二次予選で落車、途中欠場となった。弟・竜生(33歳・奈良=101期)もその時の二次予選で失格…。そしてまた先日の奈良競輪でのFI決勝(青垣賞争覇戦)でも失格と、どうしても奈良で結果を出せない。

 将太はようやく復調の兆しがある。昨年夏から、半年近い欠場。何度も痛めてきた鎖骨の具合が思わしくなく、今回は時間をかけて立て直してきた。
そんな、鎖骨。競輪選手なら、“鎖骨を折って一人前”と言われるが、折れるとすさまじく痛いらしい。

 将太がだいぶ前に鎖骨を折った時のことを話してくれた。

「みんな鎖骨を折ったくらいじゃ普通にしとるでしょ。そんなもんかと思っていて、いざ自分がやったら、メチャクチャ痛い! こんなに痛いんかと、倒れたまま『ウソやろ…、ウソやろ…』言うてましたよ」。そんな思いをしても、本当は落車は避けられるなら避けたいが、そのリスクを負いながら戦う姿勢は変わらない…。

長兄と三男はラグビー、次兄はサッカー

 長兄・(三谷)政史(38歳・奈良=93期)は2月の記念にあっせんが入っていたが、直前の向日町FI(日本名輪会カップ荒木実賞)で落車して、欠場を余儀なくされた。
「肺がつぶれたりして、安静にしなアカンと医者には言われたんです。でも帰ったら乗れそうやったんで乗ったら、『きつすぎて、死ぬ!』と。やっぱり欠場になりました」。笑えない話だが、事実だ…。

 3人とも落車、ケガが絶えないのだが、三谷兄弟というのはド根性の塊なのだろう。今の苦しい時期を、当然、根性で乗り越える。2月は 3人でのあっせんに燃えていたが、かなわず。今回は兄2人がリベンジに向かう。

竜生は思い出の京王閣ダービーを

竜生は2017年5月の京王閣ダービーを制した

 竜生のGI初制覇は2017年5月の京王閣ダービーだった。兄たちの走りを胸に、もう一度、最高の輝きを取り戻しに行く。竜生の復活のためにも、兄たちの走りに注目が集まる。

 ダービーは無観客での開催と発表があった。今はただ、開催できることを大事にすべきだろう。昨年の静岡大会が中止となった時のショックは想像を絶した。万全に万全を期し、開催が無事に終えられるために努力するしかない。

中井太祐は優勝がノルマ

若かりし頃の中井太祐

 中井太祐(31歳・奈良=97期)は2月大会で弟・俊亮(28歳・奈良=103期)と兄弟同乗を果たした。弟の仕掛けに乗り、最終2角からは思いを受け、兄が内を突撃。4角では接触もあり転びそうになるほどの、突撃だった。そこでつかめなかった優勝は、今回手にするのみ。

 ダービーを走る俊亮への最大のエールとなるだろう。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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