アプリ限定 2023/09/07 (木) 12:00 99
元ガールズケイリン選手・高木真備さんのコラム。今回は練習地のひとつだった立川競輪場の記念開催・鳳凰賞典レースに出場する2選手をピックアップし、元選手ならではの目線で紹介します。アプリ限定の後半では自身二度目の冠杯と、同期の石井貴子さん(千葉)との旅行についてお話します。真備さんから思い出の写真がたくさん届いていますので、ぜひアプリをダウンロードしてお楽しみください(アプリのダウンロード・ご利用は無料です)。
みなさんこんにちは、高木真備です。今回は立川記念に出場する選手の中から2人、応援の気持ちを込めて紹介してみます。
まずは北井佑季選手です。先日の平安賞で初のGIII優勝を遂げました!
現役時代一緒に練習させてもらっていたので、まだ北井選手が自転車に乗り始めた頃から知っています。
今でこそ“アンダーアーマーのマネキン!?”と思うほどのムキムキの身体をしていますが、元々Jリーガーとしてサッカーをしていたこともあってか、ここまでのムキムキ感はありませんでした(現役時代みんなでよく話してました笑)。
しかし、師匠の高木隆弘さんのメニューをこなしているうちにムッキムキに!! 高木さんの練習は半端ないですし、みんなで昼食に行ったとき北井さんだけは「定食のご飯大盛りとラーメンも食え!」と言われてめちゃくちゃ食べさせられていたので、近くで見ていた身としては、あの体になるのは納得です。
養成所の入所前に肩の手術をしたことがあったそうですが、怪我をしたのは上半身なので歩くのは特に問題ない! ということで、手術の翌日から退院まで毎日1階から最上階まで階段の登り降りを1人で繰り返していたと病院の先生から聞きました。
このストイックさがあったからこそ、その後の養成所試験も1発合格できて、さらにデビューしてからもすぐに活躍できているんだろうなと感じます。そんなストイックな北井さんなので近いうちにGIを獲る日が必ず来ると思って応援しています!
もう一人はオールスター覇者となった眞杉匠選手。
オールスター決勝前の各新聞や周りの評価で“関東4車の番手を走る眞杉選手”に本命がついていたのをいくつも拝見しました。
眞杉選手がレース前に新聞や予想紙を見るタイプかどうかは分かりませんが(選手宿舎に置いてあるので見たい選手は自由に見られます)、周りの雰囲気や記者さん達の質問等から、自分が1番タイトルに近くて期待されていると感じていたと思います。
コメントでも決勝前夜は眠れなかったとありましたし、そのような状況で結果を残すというのはとっても難しいんですよね!
期待されていない時や展開も向かないだろう…となっているレースの方が気楽に望めて、終わってみれば意外と結果が良かった、ということもあったりします。
ガールズと男子のレースを比べるのは全然違うと思いますが、私でさえもそのような事を経験したことがあったので、男子のG1ともなれば想像つかないほどのプレッシャーがあったのではないかと思います。
そのようなプレッシャーのなかでしっかり勝ち切ったというのは本当に自信になったと思いますし、今後のレースで今までだったら緊張するような場面でも落ち着いて走れるようになったり…驚くほど余裕が持てたり…はっきり分かるくらい一皮剥けた感覚になっているのではないかなと思いました!
なのでこの立川記念から年末に向かって、さらにパワーアップしていく眞杉選手の力強い走りが見られることを楽しみにしています!!
8月10〜13日に京王閣競輪場で大阪・関西万博協賛名輪会カップがありました。
この記念で後閑信一さんが男子のレースを、私がガールズのレースを…というような形で冠杯をやらせていただきました。そこで、後閑さんとコラボしたグッズを制作しました!
夏休み中の開催だったこともあり、わんにゃんフェスティバルにはお子さんもたくさん来てくれて、とても嬉しかったです。
私にとって2回目の冠杯。やらせていただいたこと、たくさんの方に来ていただいたこと、感謝してもしきれません! ありがとうございました。
オールスター競輪が終わってから、千葉の石井貴子さんと岐阜に遊びに行ってきました。
貴子さんの登録地は千葉ですが、出身は岐阜県ということで、貴子さんの故郷の岐阜に遊びに行くことにしました。実は去年も二人で岐阜に行ったのですが、今年も恒例みたいな感じで、お互いの近況報告をしあったりしました。
岐阜ではすごくきれいな川で川遊びをしたり、鮎食べたりしたのですが、一番の目的は郡上踊り。日本三大盆踊りのひとつの伝統的な盆踊りで、夜通し、朝まで踊るんです! 私が遊びに行った日は夜の23時ぐらいまでだったんですけど、貴子さんのお母さんに浴衣を着せてもらって、2時間半ぐらい踊り続けました!
貴子さんとは競輪学校の入学当初はすごく仲がよかったけれど、ビッグレースで毎回顔を合わせる間柄。本当はもっと仲良くしたいけれど、勝負をしなければならないので、あまり近づきすぎると心の内とか、弱みとか、レースの不安とかばれちゃう気がして。仲良くしたかったのに、なかなか上手くできなかったガールズ選手のひとりでした。
前検日に会ったとき、このままレースしないで楽しく帰れればいいのに…なんて思うこともありました。勝ちたいけど色んな怖さもあって辛い時期でした。レースが始まったら勝者と敗者が出るので、二人とも“楽しかった”の気持ちでは帰ることはなかなか難しかったりします。前検の夜に楽しく話していても、心は許しきれない…。そういうのが年に何回もあって、もっと素で話したいと思っていましたが、引退して「もう勝負しなくていいんだ!」と思ったらすごい楽しく話せるようになりました。こうして二人で岐阜にも行けて、現役の時はさ〜って色々話して盛り上がって、すごく楽しかったです!!
貴子さんは怪我をしたりいろいろ苦しい時期もあったけれど、今年のアルテミス賞で2着になってかっこいいなと思って。貴子さんが頑張っているから、私も違う世界での目標を頑張ろうと思えて! 今までと違う関係になれたということが嬉しくも、楽しくもあります。
高木真備
Takagi Makibi
元ガールズケイリン選手(106期)。2014年に奈良競輪場でデビューし、玉野競輪場で初優勝する。2016年のガールズケイリンコレクションでファン投票1位を獲得して、優勝。同年末にガールズグランプリ初出場を果たす。2020年には、特別競輪ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)で完全優勝し、同年のガールズケイリンコレクション(伊東)も優勝した。ガールズケイリングランプリ2021で悲願の優勝を果たし、2022年4月に引退。現在は動物保護活動をしている。