2023/06/29 (木) 08:00 10
『飛ぶ鳥を落とす』勢いの古性優作が参戦してきた。自力のスケールアップで縦脚に研きがかかっているし…! そこに自在戦を加味すれば、こりゃ“付け入る隙”ってもんも見当たらない。迎え撃つ関東勢に「大きく立ちはだかる壁」みてえな存在だろ。ここに限界を感じさせねえ慎太郎さんもいる。上位陣の安定感はハンパねえ。
上位陣の独走体制で決着してしまうのか? いやいや、そんなに簡単な結果はあるはずがない。これを破る鍵は、関東勢の強固な連係となってくる。宇都宮記念決勝戦で眞杉匠がバンマク、佐々木悠葵が絶妙の走りをしてワンツー。これに菊池岳仁ら若手をうまく束ねる司令塔・平原康多が機能すれば好勝負になってくる。
ドームといえば“高速バンク”が定番。スピードある選手の活躍も大いに期待できる。その点、力で推す深谷知広も逆転の可能性は大きいぞ! そして渡邉一成の走りも注目していい。まくり一辺倒のイメージの渡邉だがダッシュを生かし突っ張り、相手を翻弄する巧みなテクニックは秀逸。今回もこういった走りが見られるかもね! まくりにウエイトを置きはじめた岩谷拓磨だが、積極的な走りにシフトすればひょっとして? の期待が膨らむ。
妄想車券の演出者として注目すべきは佐藤礼文だな。追い込み型に転じてからマークセンスの良さがうかがえる。展開対応が柔軟で“大物食い”ありの高配当が期待でき、シリーズ通して目が離せない。他にも逃げ有利のこのバンクなら新村穣、藤原俊太郎あたりも面白い存在! 欠場明けになるが上杉嘉槻も面白い。調子を見極めて狙いたくなる選手だ。
さて、妄想先取りの推奨は3Rにすっか! 並びは①大石剣士-⑤内藤秀久-⑦大塚玲の南関ライン、関東勢は⑥宮下一歩-②佐藤礼文、北日本は④田口勇介-⑨金成和幸、③酒井拳蔵-⑧冨尾享平の大阪コンビの細切れ戦だ(⇐①⑤⑦・⑥②・④⑨・③⑧)。
佐藤がスタート早く、宮下の前受け。中団は大石が取り、田口、酒井あたりが切ったところを大石が一気に叩き、内藤との直線勝負①=⑤に大塚の流れ込みの⑤-⑦、宮下に乗り突っ込む佐藤の②=⑤が本線と読む。
妄想をひと捻りすれば…!? 大石が前受けの場合だ! 田口が切り、酒井が出ると宮下のカマシが決まり、佐藤が展開に恵まれ抜け出す。酒井のまくりで②=③、佐藤が酒井を止めると冨尾が突っ込める②-⑧、宮下の逃げ残り②-⑥なんて感じを妄想の〆でいかがか!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。