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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【高松宮記念杯競輪予想】松井は「自分も優勝を狙う自力」新山・松浦・脇本に対抗できるか/ヤマコウ展望

2023/06/18 (日) 12:00 46

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 第74回高松宮記念杯決勝メンバーが出揃いました。

①脇本雄太(福井・94期)ー⑦古性優作(大阪・100期)ー⑧稲川翔(大阪・90期)
⑤松浦悠士(広島・98期)ー④山田庸平(佐賀・94期)
⑥松井宏佑(神奈川・113期)ー②郡司浩平(神奈川・99期)
⑨新山響平(青森・107期)ー③佐藤慎太郎(福島・78期)

 ここでポイントになるのは⑥松井だと思います。②郡司が後ろなので先行策か、それとも、自分も狙える捲り勝負なのかですね。⑥松井は令和2年の競輪祭決勝で、②郡司のGI初優勝に貢献しました。その時は決勝に参加しただけでしたが、「今回は自分も」の気持ちだと思います。私が⑥松井に取材して感じたことは「タイトルを狙う」でした。「最近調子いいね」から始まって、柔和な表情で受け答えしていましたが、「そろそろ(タイトル)いいんじゃない?」と聞くと、顔付きが変わって「そうですね」と答えました。その時に「優勝を狙っているな」と感じました。

 平塚ダービーで山口拳矢(岐阜・117期)が優勝し、その後函館GIIIで嘉永泰斗(熊本・113期)、宇都宮GIIIで眞杉匠(栃木・113期)が優勝しました。自分より学校の成績が下位の嘉永や眞杉が優勝し、在校成績3位の松井は「自分もいるぞ」と焦燥感もあったと思います。決勝は「自分も狙えて、尚且つ郡司さんも」の心境でしょう。今節の動きも非常にいいとは思いますが、先行意欲が強い⑨新山の3番手が取れるかと言われると、⑤松浦の方が位置取りは1枚上だと思います。①脇本は「人気に応えなければいけない」ので、1着を狙える航続距離で仕掛けます。初手は①脇本にとってそんなに重要ではないと思います。

H.⑨③ ⑤④ ⑥② ①⑦⑧

 ⑥松井は「自分も優勝が狙える自力」なので①脇本の動きを見て被る前に仕掛けたいでしょうね。となると、遅くても2角で仕掛けると思います。⑥松井が仕掛けても⑨新山の先行を簡単に捲れるイメージが湧きません。①脇本の負けパターンは最終バック一列棒状ですが、⑥松井が自分の優勝を狙うことによって、混戦になると考えました。

         ←①⑦⑧
     ←⑥②
B.⑨③ ⑤④

・本線1ー7ー354

 先ほど話したように、①脇本の負けパターンは最終バック一列棒状の時だと思います。⑤松浦も⑨新山の3番手を回れたら、後ろの動きがない限り直線勝負でしょう。

        ←①⑦⑧
B.⑨③ ⑤④ ⑥②

・別線5ー349ー2349

 ③新山は1走目、残り2周から1周のタイムが23秒0で通過しました。単純に2で割っても11秒5、11秒5です。そこから残り1周もがく訳ですから、驚異的なタイムを叩き出しています。人気になるであろう①脇本が、③新山を捲れるのかどうか興味が湧く1戦となりました。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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