佐々木は準決勝と同様に、番手への飛びつきから勝機をうかがっていく！

　翌週に【高松宮記念杯競輪】を控えた開催となった【施設整備等協賛京都向日町カップ】は、S級S班が不在の大会となっています。

　今大会では2日目から予想会といったイベントや、トークショーにも参加させてもらっています。その予想会ですが、展開予想は当たっていても、ゴール前で筋違いの選手が車券に絡んでくることも多く、買い目を出すのにも苦労しています。

　こんな時に頼りになるのは、このバンクを走り慣れている地元選手たちなのですが、決勝には地元どころか、西日本の選手は大分の阿部選手だけとなりました。

　一方、決勝に進んできた東日本の選手は神奈川が3名、静岡が2名と、南関東だけで5人となりました。さすがに南関東5車での連携とはならず、各地区で分割しました。ただ、普段は協力関係にあるだけに、この2つのラインで厳しいレースはしてこないと見ています。

　その並びですが、神奈川ラインが佐々木選手-佐藤選手-小島選手。静岡ラインが簗田選手-二藤選手となりました。3車となった関東ラインは朝倉選手-黒沢選手-志村選手で、阿部選手は単騎戦となります。

　このメンバーだと先行一車と言えるのが朝倉選手です、阿部選手もバックを取っている回数は多いものの、単騎で先行はしてこないでしょうし、かといって、簗田選手の先行も考えにくいと言えます。

　3車となった佐々木選手は先行してくる可能性もありますが、準決勝のように先行すると見せておいての、黒沢選手のところへの飛びつきを考えているはずです。

　それだけに展開の鍵を握るのはスタートとなります。車番的には1番車の佐々木選手が有利ですが、朝倉選手は準決勝で同県の木村選手に風を切ってもらっただけに、この決勝では前受けからの、突っ張り先行も辞さない覚悟もあるはずです。

　その場合だと神奈川ラインが中団となります。後方から簗田選手が朝倉選手を抑えに来て、隊列が外に膨らむようならば、佐々木選手は関東ラインのインを切りながら、黒沢選手のところに飛びつきを狙ってくるでしょう。

　簗田選手が前受けをした場合でも、その後ろは神奈川ラインで、後方が関東ラインとなります。後方となった朝倉選手が抑えに行くタイミングで、佐々木選手も一緒に合わせていきますが、やはり目標は黒沢選手であり、その横でイン粘りをしてくるはずです。

　タテ脚はありながらも、横の動きが強くない黒沢選手にとっては、番手で競られるのは避けたいところですが、朝倉選手が是が非にでも駆けてくれた場合には優勝のチャンスが巡ってきます。

　簗田選手も横の動きができる選手です。ただ、佐々木選手の方が車番もいい(1番車)だけに先行一車と言えども、黒沢選手の後ろを佐々木選手と取り合うことはしないでしょう。単騎の阿部選手もそうですが、まずはいい位置を取ってからの、展開次第では飛びつきもを狙ってくるはずです。

　スタートの位置取りから、幾つかの展開予想こそしました。捲りが決まりにくい向日町バンクですが、ここまで実力が伯仲すると、ゴール前では予想していなかった選手が、車券に絡んでくることも充分にあり得えます。

　最終日にも予想会には参加しますが、

「今大会は非常に難しいです」

　と最初に付け加えるのも忘れないようにしたいと思います。

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