2023/05/13 (土) 10:00 6
今回より「決勝レース展望からシリーズ全体展望へ」とリニューアルした本コラム。本日からはじまる函館記念「五稜郭杯争奪戦」の注目ポイント&初日の推奨レースをお届けします。著者・吉井秀仁氏の『本命を軽視することなく、別軸で“妄想車券”を追い求める』といった予想スタイルはダービーで火を吹いたばかり!GI直後の熱気冷めやらぬ中で繰り広げる函館記念を存分に楽しみましょう!(※ダービー最終日に回収率677.1%、シリーズ通して回収率149%の実績)
読者のみなさん、いつもオレのコラムを読んでいただきありがとうございます。今回から内容をリニューアルして初日に重点を置き書いていきます。これからもコラムをよろしくお願いします。ダービーの最終日はみなさんのお役に立てたのでは!? 妄想好きの予想だから毎回じゃねえけどさ。やっぱデカいの当てると気持ちいいね(*^^)v
さてさてリニューアルと言えばレーススタイルもリニューアルしてきたように感じる。平塚ダービーは現場で見てて「新時代に突入したか?」と思ったな。決勝は単騎の山口拳矢が優勝! ビッグモンスター脇本雄太は勝負どころで8番手、準決勝で後塵を浴びた犬伏湧也がフルスロットルで逃げたね。脇本は雨に泣き不発に終わった。かたや恵みの雨となったのはバンマク打った清水裕友の3番手で4角強襲した山口拳矢だった。冷静な読みと判断はお見事! 若きダービー王・山口拳矢! 本当におめでとうございました。
この山口拳矢の優勝は“大きなうねり”をもたらすのでは? と見ている。同年代の選手たちが「オレもやれる!」と発奮し、新時代を加速させるターニングポイントになってもおかしくない。昔の話だがオレがダービーを獲った時がそうだった。前年に同期の山口健治が覇者となり、「オレだって!」の気持ちが沸騰したもんだ。いつの時代も同年代が意識し合う構図ってのはそんなに変わらんだろうよ!
さて、本題に移ろうか。ダービーが終わり一息つく間もなく函館記念へダービー組が参戦してくる。北の大地を守るSS班の新田祐大がダービーの走りを修正し、攻めの姿勢をみせるのか! はたまたシリーズ大活躍の犬伏湧也が勢いそのままに突っ走るか! いずれにしても驚異の存在になるべ! もうシリーズリーダーと言っても過言じゃねえぞ!
その2人だけじゃねえ。嘉永泰斗だってダービー最終日に新田を相手に白星〆。選手間で流行しているフォーム「守澤乗り」をモノにしたようで、長い距離を踏める積極戦法に加え、展開によっては飛びつき辞さずのオールラウンダーだからな。嘉永も楽しみな存在。
懸念材料があるとすれば「ダービー後の体力とメンタルはどうなのか?」ってこと。SS班の新田はハードスケジュールに対応する術は心得ているはずだから問題はないだろうよ。だが、若い自力選手は長丁場開催のダービー後に調子崩さず対応できるのか? 車券ファンはこのあたりしっかりと見ていくことをオススメしたい。そこを割り引いても出場選手見るからに激戦模様だけどね!
オレの孫弟子・野口裕史は北海道出身! 里帰りでいつも以上に張り切ってるはず。ご存じの通り、野口といえば先行にこだわる先行職人! 誰が相手でもやることはひとつ!ともがき合いも辞さず戦法にブレがない。今節で“幸せ配達人”となるのか? はたまた押し切り勝ち決めるのか? ダービー直後の野口の調子はしっかりと見極めておきたいね。いずれにしろ野口の走りは潔く、薫風(くんぷう)のように爽やかな気持ちにさせてくれるべ。
挙げればキリはなくなるが、目標に恵まれれば宿口陽一の台頭もアリアリ。そのほか吉田有希も忘れちゃいけねえ。伊藤慶太郎、渡邉雅也、伊藤旭の存在も気になるし、注目株としてピックアップしておくぞ!
初日の推奨レースは8Rでいってみるべ! 並びを整理すると⑦野口裕史-③福田知也-⑤大塚玲の南関3車に②金ヶ江勇気-⑨坂本健太郎の九州、⑧重倉高史-①小堺浩二の中部、⑥下野義城-④吉岡伸太郎の愛媛はそれぞれ2車。(⇐⑦③⑤・②⑨・⑧①・⑥④)
細切れだし、野口ライン3車のアドバンテージはデカい! いつも通り主導権を握り福田との直線勝負だ。少々ダービーの疲れが気がかりだが③=⑤・①②⑦が本線。だが下野あるいは重倉あたりが野口に付き合い先行争いなら…! 金ヶ江のまくり一発ありそうだな。福田への②=③・①⑤⑦⑨と、まくり切って坂本との②=⑨・③①④を押さえるってのはどうだべ!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。