2023/05/05 (金) 22:30 23
GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。”今日のヨーロッパ(468)”と題し、帝王・山田裕仁が調子や選手心理から買えるヨーロッパ(468)を紹介します。「ウマい車券」では昨日、驚異の回収率426.1%と絶好調! 今回は平塚2Rと3Rに注目。午前中に穴で資金を稼いで余裕を持って午後の車券を楽しみましょう。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら
ヨーロッパ(468)とは?
競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。
【予想レース①】
平塚2R 日本選手権競輪(GI) S級一般
①志田龍星(119期=岐阜・25歳)
②瓜生崇智(109期=熊本・28歳)
③木暮安由(92期=群馬・38歳)
④池田憲昭(90期=香川・41歳)
⑤大森慶一(88期=北海道・41歳)
⑥大塚玲(89期=神奈川・41歳)
⑦山田英明(89期=佐賀・40歳)
⑧橋本瑠偉(113期=栃木・28歳)
⑨坂本貴史(94期=青森・34歳)
【並び予想】
←①⑥(混成)⑦②④(混成)⑧③(関東)⑨⑤(北日本)
【注目のヨーロッパ】
⑥大塚玲
⑧橋本瑠偉
積極的に高配当を狙って、ブンブンと振り回していきたい一戦だ。ここで人気を集めるのは、唯一の3車ラインとなった九州&四国勢。その先頭を任された⑦山田英や、その番手を回る②瓜生崇が人気の中心となることだろう。確かに⑦山田英はここでは能力上位で、レースの組み立ても上手い。しかし、主導権を奪いにいくような競輪をするとは思えず、捲り不発に終わるケースが十分に考えられる。
主導権を争うのは①志田龍か⑧橋本瑠で、その直後の3番手につけられそうな⑦山田英が、勝負どころですんなり捲って抜け出すーーというのが順当決着のシナリオだが、5番手や7番手に置かれた場合でも捲りきれる調子かといえば、そんなことはない。ここを走っている時点でデキがいいわけはなく、それでも相手関係の軽さや競走得点から、人気を集めるのは確実。ならば「消し」で勝負したほうが面白い。
まず狙いたいのが、①志田龍の番手を回る⑥大塚玲。ここ平塚がホームバンクでもあり、気合いは十分に入っている。他地区連係の即席コンビなので、①志田龍がうまく主導権を奪いきれた場合でも、遠慮なく差しにいける。また、もっとも主導権を奪いにくる可能性が高い⑧橋本瑠も、狙う価値は大アリ。番手を回る③木暮安のデキがイマイチなので、逃げ切るカタチを狙っていきたい。
細切れ戦でかなり紛れがありそうな一戦なので、スジの⑥→①や⑧→③はもちろんのこと、スジ違いの買い目も積極的に拾っておきたいところ。「⑦山田英は捲り不発になると決め打って、⑥大塚玲か⑧橋本瑠を1着固定で狙う」がこのレースのテーマで、ここが正解だった場合はその時点で高配当が約束されるのだから、相手はかなり手広くいったほうがいい。3連単ではなく2車単でも、十分なリターンが得られるはずだ。
【予想レース⓶】
平塚3R 日本選手権競輪(GI) S級一般
①原田研太朗(98期=徳島・32歳)
②野田源一(81期=福岡・44歳)
③宿口陽一(91期=埼玉・39歳)
④三宅達也(79期=岡山・45歳)
⑤橋本強(89期=愛媛・38歳)
⑥山崎賢人(111期=長崎・30歳)
⑦近藤保(95期=千葉・40歳)
⑧松川高大(94期=熊本・34歳)
⑨福島武士(96期=香川・37歳)
【並び予想】
←①⑨④(中四国)③⑦(混成)②(単騎)⑥⑧⑤(混成)
【注目のヨーロッパ】
⑥山崎賢人
⑧松川高大
先ほどのレースとは違って、こちらは「それなりに堅く決まりそうなヨーロッパ」狙い。このシリーズでは自分の競輪をまったくできていない⑥山崎賢だが、強力な機動型がほかに見当たらないここならば、巻き返せる余地は十分あるはずだ。他ラインの先頭が①原田研や③宿口陽ならば、主導権を奪うのに手間取ることはあるまい。マイペースで逃げて、その後にどこまで粘れるかの勝負といえる。
一次予選は、後方ママで見せ場なく6着という冴えない結果だった⑥山崎賢。翌日の一般戦でも、抑え込まれて最後方に置かれ、最後よく差を詰めるも3着までという不甲斐ないレースが続いている。本調子にないのは間違いなく、土曜日のレースについても仕上がりの面で不安は残るが、その他の選手も⑥山崎賢と同程度か、それ以上にデキが悪い。ならばやはり、主導権を奪える選手のほうが有利だ。
ただし、⑥山崎賢が主導権を奪いきるも末の粘りを欠いて最後に失速ーーといったケースも考えられる。⑥山崎賢の番手を回る⑧松川高が差すパターンや、番手捲りから抜け出すパターンをしっかり押さえておくべきだろう。このライン3番手の⑤橋本強まで含めて、2車単ならば⑥⑧→⑥⑧⑤を本線に設定。あとは、中団でうまく立ち回れそうな③宿口陽が捲って2〜3着に届くパターンを押さえておきたい。
山田裕仁
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。