2022/11/26 (土) 13:00 6
GI週特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」では、輪界のレジェンドであり解説者として活躍中の山田裕仁さんが、GI開催の中から穴レースを厳選予想。今回の対象レースは小倉競輪5日目の4R競輪祭「S級選抜」。発走は16時29分です。
【予想レース】
小倉4R 第64回朝日新聞社杯・競輪祭(GI) S級選抜
①久米良(96期=徳島・34歳)
②野原雅也(103期=福井・28歳)
③大槻寛徳(85期=宮城・43歳)
④松井宏佑(113期=神奈川・30歳)
⑤嘉永泰斗(113期=熊本・24歳)
⑥石原颯(117期=香川・22歳)
⑦坂口晃輔(95期=三重・34歳)
⑧坂本健太郎(86期=福岡・42歳)
⑨渡部哲男(84期=愛媛・42歳)
【並び予想】
←⑥⑨①(四国)②⑦(中部近畿)④③(混成)⑤⑧(九州)
あの脇本雄太(94期=福井・33歳)が③②⑤と1勝もあげられず、準決勝進出さえできなかったこのシリーズ。同様に古性優作(100期=大阪・31歳)も③②⑥で勝ち上がれずと、今年の競輪界を牽引してきた存在が、いずれも意外なほど不振な結果に終わっている。その他のレースにしても波乱決着が多かったわけだが、その背景にありそうなのが、パワータイプに不向きな小倉のバンクコンディションだ。
小倉のような屋根付きのドーム型バンクであっても、バンクコンディションというのは気温や湿度などの影響により、イメージ以上に変わるもの。現在の小倉バンクは、簡潔にいえばパワー型よりもスピード型の選手に向く「軽い」コンディションのようで、それがレース結果に大きな影響を与えている印象である。
そういった前提に立って考えたときに、いかにも波乱含みだと感じられるのが、第4レースのS級選抜。ここは、3走目で1着をとっている②野原や⑤嘉永、⑥石原を使える⑨渡部あたりが人気を集めそうだ。とはいえ、負け戦とあってどの選手もデキは目立たず、展開次第で結果はガラッと変わりそう。機動型が多い四分戦で、出入りの激しい流れとなりそうなのも、そう考える理由のひとつである。
このシリーズの傾向を考えると、捲るラインよりも、積極的に主導権を取りにいくラインを重視したいところ。となれば、後方からとなりそうな⑤嘉永が先頭の九州勢は狙いづらい。昨日に1着をとれたがいつもの強さは感じられず、一気の脚で先頭まで突き抜けるようなイメージは持てない。「捲るも不発」が大アリで、最高にうまくいっても⑤嘉永が2〜3着に届くかどうかだろう。
中部近畿ライン先頭の②野原は、中団からの捲りを主体にレースを組み立てそう。しかし、基本的にパワータイプというのもあって、今の小倉バンクに合っているとはいえない。3走目の選抜戦では4番手からいいスピードで捲って1着をとったが、今回も同様にいくかどうかは微妙なところ。人気の中心となるのであればなおさら、少し割り引いて考えたほうがいいように思える。
主導権を争うのは、四国ライン先頭の⑥石原か、③大槻との即席コンビで挑む④松井。唯一の3車ラインとなった四国勢のほうが狙いやすいのは事実だが、今のバンクコンディションに合っているのは、ナショナルチーム仕込みのスピードがある④松井である。この両者の3走目はいずれも2着という結果だったが、内容がよかったのも間違いなく④松井のほう。もっとも展開に恵まれそうなのは、その番手を回る③大槻だ。
以上の理由から、④松井と③大槻の折り返しから②⑤⑦⑨に流す3連単8点を、勝負車券の本線に設定。また、③大槻が1着で2着に中団〜後方から捲った別線が食い込むパターンである「③→②⑤⑦⑨→②④⑤⑦⑨」の3連単16点も、狙ってみる価値は十分だ。④松井が最後まで粘りきれば高配当は確実で、③大槻からのスジ違い決着でも、この買い目ならば大きなリターンが得られるはずである。
【推奨買い目】
③④→③④→②⑤⑦⑨(8点)
③→②⑤⑦⑨→②④⑤⑦⑨(16点)
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山田裕仁
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。