2022/10/22 (土) 19:30 40
競輪歴40年、競輪を愛してやまない矢作芳人調教師が、前橋競輪で開催中の「寛仁親王牌(GI)」決勝を大予想! 今年も海外GI制覇を果たし、現在46勝でJRA調教師リーディングトップを走る名トレーナーによる本気の競輪予想は必見。決勝の発走は10月23日(日)16時30分です。
今年は2月のアメリカを皮切りにサウジアラビア、ドバイ、イギリス、フランスと海外遠征続きで、競輪のGIを国内でゆっくりと見る機会がほとんど無かった。今回の寛仁親王牌は違う。今週の出走馬が偶然1頭しかなく(とても珍しいことだ)時間に余裕があったので、初日から全レースをしっかり見る事ができた。じっくり見れれば車券は当たる、3日目までの好成績を最後まで持続したいものだ。
準決勝を振り返ろう。まず10Rからは1、2着の吉田拓、松浦の強さ、好調さが光った。お互い眞杉の番手を奪い合った末のワンツーはお見事。この2人は単に好調と言うだけでなく、普段の競輪に対する研究と豊富な練習量に裏付けされた底力がある。
11Rからはやはり古性。前回落車の影響があると本人はコメントしているが、それを微塵も感じさせない。位置取りは確かだし、競走中に最も気迫を表しているのがこの男である。今回は村上義弘引退の直後でもあり、一層責任感が増しているように見える。
12Rは平原の安定感あるレース振りと小松崎の地力強化が目を惹いた。特に小松崎は今年高松宮記念杯、オールスターに続く3回目の決勝進出となる、素晴らしい躍進だ。
いずれにせよ豪華メンバーとなった決勝戦であるが、
ここで1つ注文がある。誘導員早期追い抜きが厳しくなった近年の競輪では道中の位置取り、すなわち枠順が重要性を増している。特に今回は前橋の室内335mバンクだけに尚更だ。グランプリ覇者古性の1番枠固定は仕方ないとしても、その他の枠順は抽選にしないと公正さに欠ける。競輪界の上層部には今後この問題にしっかり向き合ってもらいたい。気を取り直して予想を。どこからでも買える難解な構成となったが、今回は小松崎のGI初制覇に期待する。やはり北日本がライン3車になった事実が大きい。グランドスラムがかかる新田だが、ヨコの動きに長けた選手が多いこのメンバーで捲り追い込みの一発に賭けるのはリスクが大き過ぎる。ここは勝負所で主導権を握り、力勝負に持ち込むのではないか?タテ脚ある小松崎がしっかり追走出来れば差し切りだ。
印は◎小松崎○新田✖︎吉田△守澤△古性で、車券は差し目中心の④=⑨→①②③⑤⑦を本線に、穴目で④→①②⑤⑦→③⑨と狙う。いやーそれにしても良いメンバーだ。
◎④小松崎大地
〇⑨新田祐大
✕⑦吉田拓矢
△③守澤太志
△①古性優作
3連単④=⑨→①②③⑤⑦、穴目で④→①②⑤⑦→③⑨
矢作芳人
Yahagi Yoshito
東京都出身。栗東で開業するJRA調教師。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者数日本一の開成中学・高校に入学するも、大学には進学せず競馬界を志す。オーストラリアでの修業の後、JRA競馬学校厩務員課程に入学。厩務員、調教助手を経て、2004年に超難関の調教師試験に合格。翌年厩舎開業。これまで日本ダービー2勝(ディープブリランテ、コントレイル)、米ブリーダーズカップ2勝(ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌ)、優勝賞金13億6000万円のサウジカップ(パンサラッサ)など国内外のGlを多数勝利。2022年は59勝で通算5度目のリーディングトレーナーに輝いた。日本・世界を代表するトップトレーナーにして、年間365日のうち360日は車券を買うという、底知れぬ競輪愛の持ち主。