2022/08/15 (月) 10:01 6
GI週特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」では、輪界のレジェンドであり解説者として活躍中の山田裕仁さんが、GI開催の中から穴レースを厳選予想。今回の対象レースは西武園6Rオールスター競輪「S級優秀」。3連単のオッズは割れ気味で混戦模様。発走は17時48分です。
【予想レース】
8月15日(月) 西武園6R オールスター競輪(GI)S級優秀
①諸橋愛(79期=新潟・45歳)
②町田太我(117期=広島・22歳)
③中本匠栄(97期=熊本・35歳)
④桑原大志(80期=山口・46歳)
⑤武藤龍生(98期=埼玉・31歳)
⑥岩津裕介(87期=岡山・40歳)
⑦長島大介(96期=栃木・33歳)
⑧岩谷拓磨(115期=福岡・25歳)
⑨橋本強(89期=愛媛・37歳)
【並び予想】
←②⑥④(中国)⑨(単騎)⑦①⑤(関東)⑧③(九州)
二次予選での落車もあって、負け戦を回ることなった①諸橋。ここは、捲りに構えるであろう⑦長島の番手から勝負となる。ライン3番手を固めるのは地元の⑤武藤で、こちらも最終日にファンの前で、いい走りを見せたいところ。②町田と⑧岩谷が前で叩き合う展開もありそうなここは、確かに関東勢を買いたくなる。力上位でもある①諸橋から売れるのは、当然といえば当然だろう。
しかし、このレースではあえて逆らいたい。というのも、前述の「②町田と⑧岩谷が前で叩き合う展開」が本当にあるかどうか、個人的にはかなり疑問だからだ。確かに両者ともにイキのいい機動型で、逃げに強いこだわりを持つタイプではあるが、現時点での能力はハッキリと②町田のほうが上。それなりに脚は使わされるだろうが、おそらくは前受けからの突っ張り先行で、意外にすんなりと主導権を奪いきれるとみている。
前での主導権争いが早々にカタがつくとなれば、そのぶん厳しくなるのは、後方から捲りにいく⑦長島だ。
勝ち上がりの過程では内容・結果ともに振るわず、存在感をほとんど発揮できていない。相手関係が楽になった日曜日のレースでも見せ場なしの4着と、デキに関しても疑問符がつく。好走できたとしても「捲るも2着が精一杯」という結果になりそうで、そうなると①諸橋は3着でしか買えないことになる。勝ち上がりの過程では好結果を残せなかった②町田だが、デキは決して悪くない印象。日曜日には、突っ張り先行から楽に主導権を奪いきってそのまま逃げ切るという、なかなか強い内容をみせている。このシリーズでは、決勝戦に乗った新山響平(107期=青森・28歳)や、菊池岳仁(117期=長野・22歳)といった「町田と似たタイプ」が目立っているのもあって、その影に隠れているだけである。
その番手を回る⑥岩津も、じつはかなり調子がよさそう。単騎勝負だった二次予選では、人気の関東ラインの後ろから内々でうまく立ち回り、直線でも内から鋭く抜け出して1着に激走。高配当の使者となっている。②町田という強力な先行選手を得たここは、前を残せるようにギリギリまで我慢して、最後の直線で一気に差し切るシーンが思い浮かぶ。6番車ということで、配当妙味が一気に高まるのも魅力的だ。
2着候補は素直に、同じラインの②町田と④桑原。あとは、外から捲ってくる⑦長島か。3着はけっこう手広く拾うが、それでも⑥岩津の1着固定で3連単15点ならば、組み合わせ次第ではかなり大きなリターンが得られるはず。ここは“格”で人気する関東勢の評価を割り引いて、中国勢重視のスタンスで勝負といきたい。
【推奨買い目】
⑥→②④⑦→①②③④⑦⑧(15点)
山田裕仁
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。