2022/08/14 (日) 12:00 13
GI週特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」では、輪界のレジェンドであり解説者として活躍中の山田裕仁さんが、GI開催の中から穴レースを厳選予想。今回の対象レースは西武園2R・S級一般、南関東ラインの先頭・渡邉雄太選手から売れていますが…。
【予想レース】
8月14日(日) 西武園2R オールスター競輪(GI)S級一般
①渡邉雄太(105期=静岡・27歳)
②久木原洋(97期=埼玉・38歳)
③佐々木豪(109期=愛媛・26歳)
④神山雄一郎(61期=栃木・54歳)
⑤神田紘輔(100期=大阪・36歳)
⑥中村浩士(79期=千葉・44歳)
⑦湊聖二(86期=徳島・45歳)
⑧石塚輪太郎(105期=和歌山・28歳)
⑨小原太樹(95期=神奈川・34歳)
【並び予想】
←①⑨⑥(南関東)②④(関東)③⑦(四国)⑧⑤(近畿)
ここで人気の中心となるのは、間違いなく①渡邉。勝率や競走得点の高さを持ち出すまでもなく、その力はここに入ると一枚上といえる。しかも四分戦となったこのレースで、南関東ラインは唯一の3車。番手を回る⑨小原も能力上位となると、一本かぶりで人気を集める可能性までありそうだ。
しかし、このシリーズにおける①渡邉の走りは、正直なところ冴えない。一次予選が7着で二次予選が8着と着順が振るわないが、内容にも見るべきものがなく、かなりデキを落としている印象を受けた。相手関係が一気に楽になる負け戦であっても、過信は禁物とみた。このラインについては「あって①渡邉の3着まで」と決め打ってしまいたい。
①渡邉については、前受けからのレースの組み立て次第では、「後方に置かれて捲るも不発」という展開になるケースも十分に考えられる。調子がいいならば突っ張っての主導権奪取もあるだろうが、デキが悪いここは、いったん引いてからのカマシ捲りのほうを選択しそう。しかし、最後の直線が短い西武園バンクで今のデキだと、果たしてどうか。いずれにせよ、人気のわりに危なっかしいのは間違いない。
ならばどのラインを狙うかだが、地元の②久木原が先頭の関東ラインも、あまり食指が動かされない。力はあるが機動型ではなく、番手を回るのも④神山となれば、そう強くは推せないだろう。ならば当然ながら浮上するのが、③佐々木が先頭の四国勢。持ち前の鋭いダッシュで、ここが強引にでも主導権を奪いにいきそうだ。
しかし、こちらにも懸念材料がある。車番通りに初手7番手からのレースの組み立てだと、最後方の⑧石塚が先頭の①渡邉を斬り、それをさらに斬っての主導権奪取となるが、その後に外から②久木原や①渡邉が前を叩きにくることを考えると、かなり早くから脚を使わされる展開になりそうなのである。③佐々木が早々と止まってしまうカタチだと、当然ながら番手マークの⑦湊も厳しい。
この展開でもっとも恵まれるのが、四国ラインの直後につけられる近畿勢。その先頭を走る⑧石塚は、さすがにこのシリーズでは相手が強く結果こそ出せていないが、近況の内容は見どころアリで、デキのよさが感じられる。本命を打つのは、その番手から直線で力強く抜け出してくる⑤神田。基本的には、ここを1着固定で狙ってみたい。
2着候補も、⑧石塚と逃げ粘る③佐々木の2車に絞り込む。3着は少しだけ手を広げるが、それでも3連単の買い目は8点だけなので、当たれば非常に大きなリターンが得られることだろう。どういった車券を狙うにせよ、①渡邉を過信しないのがこのレースの“勘どころ”となるはず。その点だけでも、ぜひ参考にしていただきたい。
【推奨買い目】
⑤→③⑧→①②③⑦⑧(8点)
山田裕仁
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。