2021/02/28 (日) 11:00 8
こんにちは、ヤマコウです。
今節(いわき平競輪開設70周年記念いわき金杯争奪戦)の前検日、成清龍之介選手(117期・千葉)が交通事故で亡くなるという悲報が入ってきました。
息子の拳矢と同期で仲もよく、父がよく走った成清貴之だったのでさらにショックが大きいです。両親のことを思うと胸が張り裂けそうです。
3月14日には117期のルーキーチャンピオンレースが大垣競輪場で行われます。同期のみんなは、天国の龍之介くんまで届くような熱いレースをしてくれるでしょう。ご冥福をお祈りいたします。
いわき金杯決勝メンバー、ライン構成は以下の通りです
①飯野祐太(90期・福島)-④庄子信弘(84期・宮城)
⑧朝倉智仁(115期・茨城)-②森田優弥(117期・埼玉)-⑤河野通孝(88期・茨城)
⑨村田雅一(90期・兵庫)-③鷲田佳史(88期・福井)-⑥西岡正一(84期・和歌山)
⑦隅田洋介(107期・栃木)
整理しておきたいのは、関東が2つに分かれること。変則的な並びと言っていいでしょう。
この経緯は、森田が朝倉の番手を回りたいと意思表示したことを受け、河野が弟弟子の朝倉の後ろを譲ったのです。ただ、「3番手は回してもらう」ということでしょう。列外となった隅田は複雑な心境で、「並びの経緯に関しては勘弁してください」と相当悔しそうな表情でした。
番手を主張した森田ですが、彼は勝負に徹していると思います。「自分が勝つためにラインを形成している」という根底があるように感じました。
タイトルを取るためには自己主張は大事です。「誰かがいい位置を回してくれる」ものではありません。自分で掴みに行く事が非常に大事だと思います。
前を任された朝倉は「前回の四日市FIの決勝で失敗したのでその分も頑張りたい」と、山岸佳太(107期・茨城)、神山拓弥(91期・栃木)、阿部大樹(94期・埼玉)を連れて、ラインから優勝者を出せなかっただけに「今度こそ!」と気合いが入っていました。
私には、山岸の番手発進が遅れただけのように見えますが…。それでも、主導権は朝倉が譲らないだろうと思います。
対して地元の①飯野祐太、近畿3車の⑨村田雅一は苦しいと言わざるを得ないでしょう。
飯野は、地元で連勝して勝ち上がった(2次予選、準決)とはいえ、坂本貴史(94期・青森)の番手戦でした。今の飯野が、デビューしたての若手相手(しかも2段掛け)に自力で戦うには、神風でも吹かないと優勝は難しいでしょう。
追込み主体の⑨村田も同じことです。ただ「番手含め何でもする」と言っているので、⑧朝倉の番手で②森田と勝負することはあると思います。外競りを嫌って前受けすると、飛び付けず近畿ラインの出番はないでしょうが…。
関東ラインに参加できなかった⑦隅田は混戦をまくる狙い、それは①飯野も同じで、⑨村田の番手競りを期待して前受けからレースを進めると思います。
S.①④、⑧②⑤、⑨③⑥、⑦
この並びなら⑧朝倉が押さえに行く時⑨村田は追い上げ、
⑨③⑥
打鐘 ⑧②⑤、①④、⑦
競りは②森田の方が強引な上に、脚力で勝っているので守り切りそうです。
⑨③⑥
H.⑧②⑤、①④、⑦
番手から②森田が抜け出して優勝。
・買い目
②-⑤-①④③
②-⑤=⑦
・穴目
⑨村田が追込み選手の意地を見せて外並走で粘っている時です。その時は混戦なので、①飯野より⑦隅田がおもしろそうです。
⑦-②-⑤①④
⑨村田が何もしないとレースが単調になってしまい②森田の優勝が濃厚だと思います。
今節、脚力があっても戦術面がイマイチで勝ち上がれなかった選手がたくさんいます。そこを磨いたら、すぐGIで活躍できると思います。身体を追い込むことだけが練習ではない。レースの流れを読むことも大事な練習のひとつだと感じました。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。