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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【ふるさとカップ予想】関東は4車!昨年の吉田の走りから展開を考える/ヤマコウ展望

2022/07/31 (日) 12:00 27

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 弥彦競輪開設72周年記念ふるさとカップGIII決勝メンバーが出揃いました。車番、ライン構成は以下の通り。

⑨吉田拓矢(茨城・107期)ー⑤平原康多(埼玉・87期)ー①諸橋愛(新潟・79期)ー⑥横山尚則(茨城・100期)
⑦三谷竜生(奈良・101期)ー②荒井崇博(佐賀・82期)
⑧飯野祐太(福島・90期)ー④小松崎大地(福島・99期)ー③成田和也(福島・88期)

 ⑨吉田や⑧飯野は是が非でも主導権を…という気持ちでしょう。⑨吉田は兄弟子の⑥横山が4番手を固め、2番手3番手には⑤平原①諸橋もいる。⑧飯野も福島3人並んだので主導権を取りたい。絶対先行したいと思うラインが2つあれば、「どちらかを動かして先行」と考えるラインは主導権を取れないと思います。

 昨年、弥彦競輪場で行われた寛仁親王牌決勝は、北日本勢(新山、新田、菅田、大槻)が前受けから先行。突っ張られた吉田拓矢は、新田の後ろに入り事なきを得ましたが(優勝は平原)、菅田が離れなければ関東勢(吉田、平原、諸橋)は全滅の可能性もありました。その経験から⑨吉田は「同じことをやられるとまずい…」と思うので関東勢前受けで考えました。無駄脚を使いたくない⑦三谷②荒井ラインは中団か前受けからレースを進める。出来れば突っ張り先行する関東勢の後ろを取り、5番手を確保したいところです。

S.⑨⑤①⑥ ⑦② ⑧④③

 後ろから⑧飯野先頭の北日本が動きます。ここで⑨吉田が突っ張って駆けたら⑤平原①諸橋が有利にレースを運べます。ただ、⑨吉田が引くと中団を⑦三谷と並走するか、一旦6番手まで引いて巻き返すレースになります。これだと関東勢はリスクがある。もちろん前受けもリスクがありますが最悪北日本の番手で粘ればいい。関東勢が負けるリスクが低いのは前受けからの突っ張り先行です。

    ←⑧④③
H.⑨⑤①⑥ ⑦②

     ←④③
B.←⑤①⑥ ⑦②
    ⑨    ⑧(T-T)

 ここから有利に運べるのは⑤平原ですね。「優勝しか考えていない」諸橋にもチャンスが訪れます。絶好の展開をモノにできるかどうか?

⑴狙い目
5=1ー2367

 初日特選、成田と諸橋で最終バックから並走し、成田が平原の後ろを奪いました。一度あることは二度あることも考えて…。

⑵狙い目
5ー3ー16

 次は北日本が前受けしたらどうなるでしょう。

S.⑧④③ ⑨⑤①⑥ ⑦②

 ⑦三谷が動いて北日本を叩こうとしますが、引いたら巻き返せない⑧飯野は突っ張って主導権を取ります。

      ⑦②
打鐘.⑧④③ ⑨⑤①⑥

     ⑦②
H.←④③ ⑨⑤①⑥
    ⑧

⑶狙い目
3=94ー5941

 一見、関東勢が有利に見えますが、⑧飯野も主導権を譲らない走りをすると思うので難解な一戦となりました。SS班の⑨吉田はこの難敵相手にどう戦うでしょうか。動きの激しいレースになりそうです。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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