2021/02/14 (日) 12:00 8
こんにちは、ヤマコウです。奈良競輪開設70周年記念春日賞争覇戦決勝メンバーが出揃いました。ラインと共に紹介します。
⑨稲毛健太(97期・和歌山)-⑧山田久徳(93期・京都)-①村上博幸(86期・京都)
⑦松本貴治(111期・愛媛)-②佐藤慎太郎(78期・福島)
⑤宿口陽一(91期・埼玉)-③武藤龍生(98期・埼玉)
④中井俊亮(103期・奈良)-⑥中井太祐(97期・奈良)
以上の9選手です。
注目は地元の中井兄弟がそろって決勝に進出したことです。村上兄弟(兄義弘、弟博幸)が当たり前のようにビッグレースで連係していますが、実は兄弟そろって走る機会はあるようでないものです。
私も24年現役生活を送って、弟の富生(68期)と走ったのは2回しかありません。兄弟で選手になって掲げる目標は「兄弟で走ること」です。しかし、ほとんどの選手は一緒に走る機会がないまま現役生活を終えます。そんな幸せな舞台が、地元の奈良GIIIで実現する中井兄弟の心中は察するに余りあると思います。
気合いで勝てるほどGIIIは甘くありませんが、もうひとつの近畿ラインの先頭が稲毛健太だということは、中井兄弟にとって好材料でしょう。稲毛は中井太祐と同期で97期。近畿の中でも、和歌山と奈良は「紀和(紀州と大和)ライン」と言って結びつきは強いです。中井との無理な叩き合いは稲毛も避けたいはず。稲毛の戦法は、打鐘からホームの一発勝負に賭けるでしょう。1番車に村上博幸がいても、稲毛は前受けをすると考えます。
先行の航続距離を考えると、③宿口や④中井弟は前受けすると展開不利となります。そこに続くのは、初日予選で1着に来るもファンの罵声を浴び、2日目から人が変わったかのような攻めをしている⑦松本です。この位置は、後ろ攻めの選手が動くので最終的に主導権が取れる最高のポジションです。
その後ろは、④中井弟でも⑤宿口でもどちらでもいいと思います。宿口は、先行勝負するかもしれない中井弟の後ろが欲しいので、前でも後ろでも自分で動いて中井弟を出させるはずです。ここでは、宿口は中井弟より前で考えます。
S.⑨⑧①、⑦②、⑤③、④⑥
⑤宿口が動いて④中井弟を出させるのが残り2周。
残り2周.④⑥、⑤③、⑨⑧①、⑦②
ここから④中井弟は先行するでしょうか?
私はしないと思います。その理由の一つに、仮に先行して⑥中井兄が番手まくりの展開を作っても、優勝に近いのは⑤宿口になってしまうからです。それなら、巻き返してくる⑦松本を出させても3番手がある。そうすると中井兄弟2人にチャンスが出ます。
←⑨⑧①
打鐘.⑦②、④⑥、⑤③
この態勢になったら、⑨稲毛は全力で⑦松本を潰しにかかる。今節の稲毛は調子がいいので、②慎太郎の横までは来そうです。慎太郎も行かれまいと必死でブロックして稲毛失速。
⑨
⑧①
B.⑦②、④⑥、⑤③
・買い目
ここから優勝するのは⑦松本だと思います。みなし直線38メートルの奈良バンクでは、②慎太郎より⑦松本が有利と考えます。3番手が取れる④中井弟ですが、ここから優勝できるイメージが私には湧きません。
⑦-②-⑤③⑥
④中井弟は、兄にもチャンスがあるように仕掛けると思うので④は外します。調子が良く、中井ラインの後ろにいる⑤宿口、③武藤を狙い目に入れます。
今節は落車が多く、高配当が続出しました。落車、失格はファンの購買意欲を下げるので、選手は細心の注意を払って走って欲しいです。
以上、ヤマコウがお伝えしました!
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。