閉じる
伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【桜花賞・海老澤清杯予想】主力選手の状態を評価!導き出されるレースの動き/ヤマコウ展望

2022/04/17 (日) 12:00 9

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 川崎競輪開設73周年記念海老澤清杯決勝メンバーが出揃いました。

 メンバー、ライン構成は以下の通りです。

①郡司浩平(神奈川・99期)ー⑨松谷秀幸(神奈川・96期)
②吉田拓矢(茨城・107期)ー⑧恩田淳平(群馬・100期)
③守澤太志(秋田・96期)
⑥小森貴大(福井・111期)ー⑤東口善朋(和歌山・85期)
⑦松浦悠士(広島・98期)ー④小川勇介(福岡・90期)

 私が見た主力選手の評価を述べたいと思います。

 地元GIIIを連戦で戦う①郡司は、前場所の平塚記念決勝戦の失敗を教訓にして、仕掛けるポイントを少し早くしている印象です。欲を言えば、もうワンテンポ早く仕掛けられると、GI準決勝でも自力で勝ち上がれると思いますが、自転車の進み具合は悪くないと思います。決勝の先行は⑥小森だと思うので、そこの3番手が取れたら優勝に近づきます。

 ②吉田拓矢は、地元の取手全日本選抜競輪で活躍できませんでしたが、脚力は安定しています。彼の弱点は位置取りが甘いこと。いくら強い脚力を持っていても、対戦相手のレベルが上がれば、位置取りのいい選手の方が有利に戦えます。記憶に新しいレースは、宇都宮ウィナーズカップの準決勝。新山響平と脇本雄太がいても前受けからレースを始めました。横の動きを全くしない両者なら、先行するラインに付いて行っても粘られないはず。自在選手はレースの機微を誰よりも感じなければいけないのにそこを読み違えた。振り返ると彼はそういうレースが多いので、決勝戦も前受けで混戦捲り一発狙いになるのではないかと読んでいます。

 そして⑦松浦悠士。②1①着で勝ち上がっても、今節の彼のレース運びはいつもと違うように感じます。記念競輪を自力で走る時の彼は、「ホームかまし」を基本に戦っているのに対して、今節は中団を狙って組み立てているように見えます。もちろん、自在選手はまず中団を狙うのがセオリーだとは思いますが、松浦の長所は要所のレースで中団を狙いに行くこと。今節は2次予選で中団を狙って取ったのが気になります。決勝は、枠が悪いので①郡司、②吉田次第のところはありますが、⑥小森を叩く展開はないだろうと見ています。

 先行意欲が強いのは記念初優参の⑥小森でしょう。枠的に後攻めからレースを進めると思います。では誰が前を取るでしょうか。①郡司は「前は取りたくないが後ろ中団なら先行させられるかも…」、②吉田は「混戦を捲ろう」と考えていると思うので、②吉田拓矢が前受けで考え、①郡司は前中団だと考えます。そうなると必然的に⑦松浦が後ろ中団になります。

S.②⑧ ①⑨ ③ ⑦④ ⑥⑤

 ⑥小森が後ろから動こうとすると⑦松浦が先に動いて、近畿勢の後ろを取りに行くでしょう。その時に、前中団の①郡司が動き、結果的に⑥小森ライン、⑦松浦ライン、①郡司ライン、②吉田ラインとなります。

打鐘〜H.⑥⑤ ⑦④ ③ ①⑨ ②⑧

 前受けする②吉田は最後方になりますが、彼も①郡司もこのまま戦局を見ていると思います。

   ←⑦④ ③ ①⑨ ②⑧
B.⑥⑤

 ⑦松浦が捲り、さらに①郡司が追込む、③守澤は松浦ラインの後ろ、最後に仕掛けるのは②吉田という構図です。

・買い目
1=7ー4392
1=2ー9837

 ⑦松浦が3番手捲りなので④小川ー③守澤と続く展開も考えたいですね。

・穴目
7ー4=3

 ①郡司は平塚記念で失敗した分も、川崎記念の優勝を狙ってくると思うので、決勝での先行策はあまり考えられませんでした。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

伝説ヤマコウ 炎のレース展望

山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

閉じる

山口幸二コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票