2022/03/29 (火) 12:00 3
玉野競輪場で開催されている「瀬戸の王子杯争奪戦(GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は16時40分発走予定。
主力どころはウィナーズカップからの転戦になり、上積みは期待できないが…! 高いレベルを保つ調整はできている。オールドファンの格言(?)に「まくりの本命に絶対はない」というものがあるが、ウィナーズカップ決勝でこの格言が証明されちまった。
脇本雄太の走りに変化があるのか、どうなのか。ウィナーズカップ同様『まくり一辺倒』の走りに徹するのか!? はたまた初心に立ち返り、強地脚を生かす赤板から「全ツッパ」で気を吐くか!? この一点に大注目していたが! 玉野記念はウィナーズカップの反省とばかりに通常の走りに戻した脇本雄太。まくりは派手だが、凄みは逃げて押し切るスタイルが一番。
準決勝10Rは太田竜馬が前受けから。チャレンジャー山根将太が逃げる。最周回は一本棒にし、慎太郎さんが恵まれ逃げ残った。太田を完封した山根に大器の片鱗を感じた…!
11Rは脇本VSヨシタクの力勝負の構図になった。ジャンから仕掛けた脇本にヨシタクが切り替えゴール前で交わす。ヨシタクだから成せるがマーク屋では難しい! また、あれだけ脚を使った松岡辰泰が3着に粘りで高配当とは。
12Rは松浦悠士が隙を見せる事なく仕掛けた。マークした柏野に差されたが勝ち上がりを知り尽くす憎い走りはさすがだ…!
決勝戦の並びは⑦脇本雄太-③佐藤慎太郎-⑨和田圭の混成トリオに、⑥山根将太-⑤松浦悠士-①柏野智典の中国勢、②吉田拓矢-④志村太賀の関東コンビ、単騎は⑧松岡辰泰となっている。(⇐⑦③⑨・⑥⑤①・②④・⑧)
山根の逃げに中団はヨシタクか松岡、脇本の巻き返しが決まるかどうかのレースだよ! 奈良記念とウィナーズカップで松浦に2タテを食らった脇本は苦手意識を感じているだろうか?
いや、むしろ同じ轍を踏む訳にはいかないとリベンジを誓って臨むだろう。しかも相手に戦意喪失させる強烈な一手で。となれば、前受けから突っ張り先行が対戦相手を震い上がらせる一手になるよ。
慎太郎さんとの直線勝負からがオーソドックスな狙い目かね。引いてかますと松浦が番手まくりで応戦し、脇本=松浦。脇本が不発なら松浦-柏野になっちまう。
妄想は最初の展開で、脇本が山根ラインに対し突っ張るも“手こずる時”。脚をためるヨシタクと松岡のまくり合戦に慎太郎さんと和田圭が突っ込む②③⑧⑨のボックス車券かね! これなら高配当だろ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。