2023/04/11 (火) 10:44
今月6日の川口オートレース場。
森且行(川口25期)選手が、約2年3カ月ぶりに、オーバルの舞台へ帰還しました。
一昨年1月の飯塚オートレース場でのレースに出場し、落車。骨盤や腰椎の骨折など大きなケガを負い、長期欠場を強いられてしまいました。
生命の危機すらあったという中、一命を取り留め、そこから長く険しいリハビリへ。気付けば、2年以上の月日が流れており、復帰戦の日程が発表された時は、改めて、時の経過を実感しました。
復帰戦前からテレビ、新聞、Webなど、さまざまな媒体で取り上げられ、テレビ番組では朝の情報番組から夕方のニュースまで、森選手で目白押し。
復帰戦当日の午後に放送された情報番組では、森選手がレースを終えた直後に「速報」として伝える場面もあり、まさに「森くんフィーバー」状態でした。
大注目の中で迎えた復帰戦。森選手は8枠で登場。
試走タイムは3.32と1番時計をマークし、いきなりファンを驚かせました。単勝は1.2倍。果たして、レースは--。
事故の影響、長いブランク、完治していないと伝えられている身体の状況から、筆者はてっきり外攻めのみでレースに挑むものと想像していました。恐らく、同じことを考えておられた方も多いでしょう。
しかし、森選手は、今まで溜めに溜めていたもの、そして、走れる喜びを表すかのように、アグレッシブなレースを展開。前述した外攻めではなく、車群を縫うようにして捌いていき、なんと2周目に入るところで早くも先頭に。
見事、復帰戦を勝利で飾りました。
2年3カ月ぶりのレースで1着を取った8・森且行選手
復帰初戦を終えた森選手は、
「まず一緒に走った7人の選手に感謝したい」とコメント。
自分のことよりも、まずは一緒に戦った選手への想いを口にするところに、森選手の人柄が表れています。
復帰までに、計7節の練習参加。
「どんな走りをするのか、できるのか」。
多くの注目を浴びる中、いきなり結果で示したのです。
そして、さらに驚いたのは翌日。
突然の雨にも関わらず、この日も先頭でゴールを駆け抜け1着ゴール。復帰戦から連勝ゴールを成し遂げたのです。ちなみに、このレースで森選手は通算684勝目を飾りましたが、当該レースの3連単が684の順番で決着という、偶然にしては出来過ぎな事象も発生。
復帰3戦目は、3日目の準々決勝戦。
この日も雨が降り、発売中に湿走路へと変化していきました。そこから、森選手が人気を集めはじめ、オッズにも多少の変化が出てきていました。
3連勝への期待が高まる中、迎えた11レース。森選手はスタートで遅れを取ってしまい、序盤は最後方からの戦いを強いられてしまいます。レースは、「雨が降ればお任せあれ!」という加賀谷建明(川口27期)選手が、スタートから好位置につけ、その後、大きくリードをつけて1着ゴール。
驚異的だったのは、4番手で入線した森選手。序盤の遅れを挽回するかのような終盤の巻き返しには、目を見張るものがありました。4着入線ながら、現地では、スタンドから拍手が沸き起こったそうです。
メディアを通じた本人のコメントでは、「1番人気だったので、お客さんに申し訳ないことをした」と、振り返ったとのこと。「無事に走り終えられるか」といった次元の話は、本人の中ではとうに過ぎていて、人気・期待を背負う、1人のレーサーに戻っているのだなと、筆者は感じ取りました。
ここまでの走りっぷりを見ている限りでは、月末のSGオールスター・オートレース出場は問題なさそう……と、ここまでの原稿は、3日目を終えたときに書いていました。
迎えた開催4日目は、準決勝戦。勝負のセミファイナル。6枠から好スタートを決めて好位置に付けた! 優勝戦進出もあるぞ!と思った、その瞬間。緑の勝負服がバランスを崩しました。そのまま落車となってしまったのです。
1周2コーナーあたり、車が密集する中での落車に、ヒヤリとしましたが、レース後に自らの足でロッカーへと戻る姿が映し出されていました。完全にスピードに乗る前に落車ということも幸いしたのかもしれません。
レース後のコメントでは、
「いいスタートを切りすぎて、座るのにポジションが取れなかった」
「座り直したらリアが流れていった」
とのこと。
とはいえ、身体が完治していない中での落車。どこかしらの箇所に支障が出ている可能性もあり、予断を許さない状況も否めません。そして、競走車「ニジュウサン」の落車の影響も気になるところ。
川口オート公式Facebookによると、『森選手は大きなケガではない』ものの、参加解除となり、最終日は欠場となりました。軽傷を祈るばかりであります。
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Vol.92「流れを変える一打」
Vol.91「小松島競輪の新実況」
Vol.90「漫画ビリオンレーサー」
Vol.89「25期レーサー旋風」
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森泉宏一
生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。