2020/10/20 (火) 16:54
G1第29回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメントが10月15日から18日まで前橋競輪場で開催された。そして、年末の12月30日に控えたKEIRINグランプリ2020を目指した熱戦は今年も小倉競輪場でのG1競輪祭を残すだけになった。前橋での戦いを終え、出場選手の当落もある程度は見えてきた。
今年のグランプリは平塚競輪場で行われる。言わずと知れた全国屈指の集客力を誇る競輪場である。しかし、先日、スポーツ紙やネットニュースを確認して、驚いてしまった。グランプリの入場者数が2,000人限定に決まったのだ。それも各日2,000人ではなく、3日間のグランプリシリーズを通してのこと。同様の入場制限は9月の伊東競輪場でのG2共同通信社杯で、3日間総計=1,500人であった。平塚と伊東では競輪場のキャパシティーも違うし、立地条件も違う。2018年のデータだが、平塚競輪場の入場者数は1日平均で約4,000人。それなのに3日間で2,000人とはどうしてなのだろうか?加えて、その2,000人は事前の申し込みで当選した“神奈川県在住者に限る”と、されている。
グランプリ以外に目を向けると、寛仁親王牌は滞留者が5,000人を越えたら入場制限をするという方式。競輪祭は各日2,500人の事前抽選で“福岡・大分・佐賀・熊本・山口県の在住者”に限定されている。そう、福岡県だけということはない。
他の競技でも事前抽選や滞留者の人数によって制限をするところはある。どちらが正解かではなく、グレードや人の集まりによって異なってくるのだろう。
確かに自治体の決定は受け入れなければならない。あくまでも個人的な意見だが、グランプリは前橋形式を取るのが最良だと思っている。平塚で3日間総計=2,000人というのは首を傾げたくなる。限定するのであれば普段の開催から2,000人にすれば良いと、感じてしまう。やはり、1年の総決算であるグランプリは特別な大会なのだ。そして、2,000人といっても各日ではなく、1日=2,000人が入場の権利を得るということで、毎日、2,000人が競輪場に足を運ぶ訳ではない。それこそ初日、2日目は1,000人前後だったりすることもあり得る。残り1,000人は仕事の都合や家の事情で来場できないかも知れない。それならば各日2,000人にした方がより多くのファンが本場観戦できる。もちろん、各競輪場、自治体の感染対策が優先されるのは当たり前なのだが、毎回、違うのはファンの立場からしてみれば不思議でならない。ビッグレースでの入場についてはJKAがリーダーシップを取っていただきたいものだ。
未だに先が見えない新型コロナウイルスだが、GO TOキャンペーンで対象外にされていた東京も参加できるようになった。『WITH コロナ』という言葉はしばらく続くであろう。その中で業界はどういった対応を取っていくのだろうか?JKA、自治体、選手会はまだ一体感がないように感じる。一枚岩となって、この難局を乗り越えようとする気持ちが伝わってこない__そう感じてしまうのは筆者だけであろうか?
先日も2名の競輪選手がコロナウイルスに感染したと、発表された。この状況でコロナに感染してしまうリスクは高い。ただし、やるべきことをやっていてのことならば誰も責められないだろう。
宿舎の部屋は個室になっているのか?などなど、徹底した対策が取られているのかどうかは疑問だ。仮に相部屋で感染が拡大してしまったら、これは人為的なものと、考えざるを得なくなる。経済が少しずつ回り出した今、基本的なことがシッカリなされているのか?関係団体は改めて検証すべきであろう。
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター