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『森泉宏一の実況天国』Vol.36

2020/07/27 (月) 18:57

『森泉宏一の実況天国』Vol.36

7月に入り、スポーツ新聞を賑わしているのは各地区で行われている高校野球。
優勝の先にある甲子園出場の権利はなく、球場も選手の保護者のみの入場(保護者も不可の場合もあり)で、原則は無観客。
地域によっては試合後の校歌斉唱が行われなかったりという独自大会であるものの、各都道府県で熱戦が展開されています。


*過去写真=この賑わいが戻ってきて欲しい!

私は今年、茨城県と千葉県の試合実況を担当させていただいています。
夏の茨城大会の担当は2014年からなので、今年で7年目となります。
ありがたいことに中長期的に見ていると、変わった経歴を持つ選手に出くわすこともしばしば。

今年、担当した試合では高校入学から本格的に野球を始めた選手が出場していました。
決して強いチームではありませんが、彼は試合に出るだけでなく、スタメン出場。
さらには5番打者と、主軸の一角を担っていました。
その選手が高校最後の公式戦、最後の打席で安打を放ちました。
追い込まれたカウントから変化球に食らいついての安打。
実況中ではありましたけれども、3年間の集大成がそこに詰まっている。
そう考えただけで、実況という立場ながら感極まるものがありました。
はい、私1人で『仮想・熱闘甲子園』状態。
もしも彼が将来、父親になった時に、自分の子供に自慢できる宝物を手に入れた。
その瞬間を実況することができ、嬉しい限りです。

そんな異色の経歴を持つ選手。
公営競技でも変わった経歴を持つ選手はいないでしょうか。
以前から気になっていた分野です。
多少は知っているものの、それもほんの一部。

そもそも公営競技は野球やサッカーのように子供の頃から、その競技を続ける。
その先にあるプロ選手を目指していく、というものではなく、ほぼ全選手が競技未経験から始めるものばかり。
当たり前と言えば当たり前。
しかし、異色と言えば異色の世界です。
そんなことを思いつき、書き記してみました。

やはり、スポーツ関連の出身でまず浮かぶのは競輪界。
元プロ野球選手、元Jリーガーも多数在籍。
NPB勢(プロ野球)では北野良栄(愛知95期)選手、松谷秀幸(神奈川96期)選手、兵動秀治(広島97期)選手、宮崎一彰(高知99期)選手、伊代野貴照(奈良101期)選手など。
Jリーグ勢からは河野淳吾(神奈川99期)選手、竹内翼(広島109期)選手など。

まだ公営競技に馴染みのなかった若い頃。
野球選手がセカンドキャリアとして競輪選手に転向する道を選択という新聞記事を読んで
「そんなルートがあるのかっ!」
と、強い衝撃を受けた記憶があります。

特に、兵動選手は私が広島に住んでいた頃のドラフト上位選手。
北野選手は星稜高校出身で、あの松井秀喜選手と同じ左の長距離砲であることから『ゴジラ2世』と、呼ばれていただけに驚きは大きなものでした。
さらに松谷選手は元プロ野球選手出身で初めてG3優勝を果たし、全く違う競技でグレードレースを制するという事実に衝撃を受けました。

河野選手は横浜FCや水戸ホーリーホック、徳島ヴォルティスでレギュラーを張ったディフェンダーの選手。
体格を活かしていうところでは他の公営競技にはない魅力の一つですね。

オートレースの異業種出身というところでは。
詳細は割愛させていただきますけれども、森且行(川口25期)選手は外せません。
あとはモトクロスなどのバイク競技出身選手でしょう。

岡谷美由紀(浜松32期)選手はスピードスケートの選手。
インターハイ3位、国体2位の実績を残しています。
選手時代はあの小平奈緒選手とも関係があったそうです。
就職を機にスピードスケートを引退。
その後、オートレーサーになりました。

木村享平(伊勢崎31期)選手はスピードスケートのショートトラックから転向。
当時、一緒に滑ったという坂爪亮介選手はオリンピック出場選手。
確か坂爪選手がオリンピックに出場していた頃。
同じ時に開催していたオートレースで、木村選手が好成績を残した記憶が残っています。

ボートレースではJリーガー・尾崎雄二(岡山110期)選手。
尾崎選手のお父さんもボートレーサー。
驚いたのは、2012年の年末。
サッカーの元・韓国代表だった朴康造(パク・カンジョ)選手がボートレーサーを目指し、突如サッカー選手を引退したこと。
ボートレーサーを育成するやまと学校に無事入学したものの、訓練中の怪我で残念ながら退学。
選手デビューしていたら__と、考えた時のワクワク感があっただけに、残念の一言に尽きます。

いくつか紹介して参りましたが、これらはほんの一部。
私が知らない情報もあり、これに関してはファンの方々の方が詳しいかも知れませんね。
いつかシッカリまとめたものをコラムで出してみたいと、考えております。

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【チャリ・ロト劇場 燃えろ!!オートレース】

まずお伝えしたいのは個人的に7車立ては相性が悪い!
記念レースでは通常の8車立て開催。
シッカリ統計を取った訳ではありませんが、恐らく、8車立ての方が回収率は高いように思われます。
もう一つ気になるのは自粛期間が終わり、うどんさん(塾長)がスタジオに帰ってきてから。車券の調子が下降している気もしますが……果たして!?

今後の放送日はこちら。
7月27日~7月29日(浜松オート・デイレース)
私は29日に出演予定です。
https://ch.nicovideo.jp/dmm-chari2
出演者などの詳細は「チャリ・ロト劇場 燃えろ!!オートレース」のTwitter公式アカウントをチェック!
https://twitter.com/VIP98668938?s=21

【オートレース/今後の記念レース日程】
・8/11~ SGオートレースグランプリ(伊勢崎オート・ナイターレース)
・8/26~ G1第44回キューポラ杯(川口オート・ナイターレース)

【略歴】


森泉宏一(もりいずみ・こういち)
1984年5月8日生まれ
東京都出身 広島県・富山県育ち

父親の影響もあり、学生時代は野球に打ち込む
25歳の時、ボートレースで公営競技実況デビュー
2017年4月から伊勢崎オートでオートレース実況を始める
公営競技実況の他、プロアマの野球実況
さらにはイベントや展示会の司会
広告モデルや話し方教室講師などでも活動
野球好きの選手からの誘いもあり、
伊勢崎オートの野球チーム「キラッツ」に入部
しかし、デビュー戦において投手で二桁失点を喫する
その為に最近、オートレース界隈でその実力が疑われている
某選手からの「投げるスタミナがあるだけで助かっている」
という慰めの言葉が唯一の救い

実況天国

森泉宏一

生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。

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