2020/02/21 (金) 19:22
2020年最初のG1『第35回読売新聞社杯全日本選抜競輪』が豊橋競輪場で行われました。
私は平塚競輪場からニコ生の中継に出演していましたが、SNSなどで流れてくる豊橋競輪本場のイベントの楽しそうなこと!有名人やお笑い芸人さんのステージは競輪場においてはもはや定番ですが、それ以外の元選手や地元選手たちによる他にはない企画がとても魅力的でした。
競輪に携わるようになって、良くも悪くも競輪場のイベントに慣れてしまっていたのですが、イチ競輪ファンとして本場へいきたかったなぁ!と、久々に思いました。レジェンド歌合戦、見たかったなぁ!聴きたかったなぁ!なんて思いながら、競輪ファンのみなさんや関係者の方々が楽しそうに更新するタイムラインに「いいね!」をしていました。
さて、今回のG1を観ていて、私は『選手心理を読む』ことの面白さを改めて感じました。特に感じたのは2日目の優秀競走『スタールビー賞』です。茨城の吉田拓矢(茨城107期)選手の番手を埼玉の平原康多(埼玉87期)選手が回っていました。自力の後輩-自力の先輩でラインができると、まず想像するのが2段駆けや、番手の先輩選手のヨコではなくタテ脚での勝負。準決勝へフリーパスの優秀競走なら、今日はスンナリ吉田選手が先行し、番手から平原選手が……という展開を考えた人も多かったのではないでしょうか?しかし、結果は平原選手が捲ってきた松浦悠士(広島98期)選手を止めに、止める。近況さらに強さを増している松浦選手も簡単には止まらないので、2人のやり合いが長くなったため、南関勢の捲り頃。結果的に先行の番手にいた平原選手は何と9着で優秀競走を終えたのであります。
平原選手を買っていた人ならば確かに「なんで?!」と、思うでしょう。タテに踏んでくれたら!そう思う気持ちも分かるし、そこで大勝負をしていた人もいるかも知れません。ここで、これはあくまでも私個人の意見ですが、あそこまで止めにいった平原選手の気持ちを想像したら、分かるような気がしました。ヨコの動きはきっと前を残そうとする意志の表れ、そして、この先のレースまでも想定して、松浦選手の強さを確かめたかったのではないか?と、私は想像しました。
レース後、e-SHINBUN特設サイトの平原選手のコメントには下記のようなものでした。
「改めて、今の松浦君の強さを実感したレース。あれは番手から出る感じでないと止められない。最後は2人で意地になったし、逆に押し返された」
松浦選手は今年に入って、G3(和歌山記念と高松記念)を連覇。『松浦時代』と、まで言われる程に上り調子です。その松浦選手と今後も対戦することを想定して、平原選手がどう立ち回ったら松浦選手を封じられるのか?勝てるのか?を考えるために、あそこまでブロックにこだわっていたとしたら……。結果的に決勝で平原選手は自力の競走となりましたが、もしも関東の先行選手の番手を回っていたら、私は間違いなく2段駆けを想定して、車券を買っていたでしょう。この優秀競走を布石として__。
もちろん、ファンは一戦、一戦、選手の走りに賭ける訳ですから、獲れる(であろう)1着をミスミス逃して欲しくはありません。でも、優秀競走がシードレースである以上。また、最終的に決勝で勝つために走っていると思うと、勝ち上がり方式がどんな影響を及ぼすのか?それも予想の大事な材料であり、それを加味しながら選手の動きを考えると、より深く競輪を楽しめる気がしました。
特に今回の豊橋のように、それぞれの思惑が色濃く出るG1の舞台。決まり手や脚力、ラインによる展開予想も良いですが、もう一つのスパイスとして選手心理をより深く読んでみませんか?
きっと時に腹黒く!?時に純粋に!?見える選手の心がレースをよりドラマチックにしてくれますよ!
木三原さくら(きみはら・さくら)
1989年3月28日生 岐阜県出身
2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている
木三原さくら
2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。