2017/07/27 (木) 15:04
この時期になると、早くも年末のグランプリの話題が多くなってくる。男子の場合はタイトルを獲った選手と獲得賞金上位者。現時点では既に平原康多、三谷竜生、新田祐大の3人が出場を決めている。残りのG1は3つ。11月の競輪祭終了後に選出委員会が開かれて決まる。獲得賞金に関しても競輪祭までだ。
しかし、女子の場合は男子と違う。「ガールズフェスティバル」などのビッグレースはあるが、タイトルではない。いくら勝ってもガールズグランプリの出場権を得られるものではなく、純粋な賞金額によって、出場する7選手が決まる。ただ、その期間が不思議でならない。男子が11月の競輪祭までなのに対して、女子は約2ヶ月も早い9月いっぱいになっている。なぜ9月にしたのかはJKAの判断だろうが、早過ぎはしないか?理由をハッキリ聞きたいものである。男子と同じ11月にすれば、最後の最後まで激しい賞金争いが繰り広げられるはずだ。現に男子の場合、競輪祭では毎日、目まぐるしく獲得賞金上位者が変わることから土壇場での劇的な逆転ドラマを生むこともあった。
8月には「オールスター」が開催される。それと同時に、女子もファン投票1~7位の「ドリームレース」と、8~14位の「アルテミス賞」も行われることに。オールスターは基本的に男子もファン投票が基準となっているが、実はファン投票で出場できるのは50人と、決まっているらしい。これはこれで摩訶不思議なことなのだが……。
話しを女子に戻そう。あくまでもファン投票であるため、過去にも実力不足と思われる選手が出場したこともあった。ただ、あまりにも力の差がありすぎて、観ている方も「あれはおかしい、興醒めだ」、「実力差がありすぎて、レースでの事故が心配になった」などの声も聞かれた。今年から「ドリームレース」と「アルテミス賞」に分けたのなら、純粋な競走得点上位者と、人気投票に分けてもいいのではなかろうか。
女子はおおよそ普段の開催で3連勝すれば、賞金は50万円程度になる。8月の大会が終われば、残す期間は1ヶ月。ほぼガールズグランプリ出場者は決まってくるだろう。ここで問題が発生する……ファン投票15位の選手(今年は尾崎睦/神奈川108期)の扱いだ。補欠ということで、開催前日には前検があるので競輪場に来ないといけない。ルール上、仕方のないところだが……。1日拘束となる訳だが、そのため、前後のレースに参加できなくなってくる。賞金でどう見てもガールズグランプリに出場できない選手ならまだしも、ボーダーラインの選手にとっては痛いどころではない。補欠の場合、極端な言い方にはなるが、前検日の翌日からの開催があれば、参加させてもいいのではないかと考える。前後の大会で6連勝すれば、約100万円の上積みが可能。それができないとなると、やれ追加、追加となってくる訳だ。
追加となれば「特定の選手だけ追加が入るのはおかしい」という声も聞こえてきそうだ。公平を期すためにも、ビッグレースが終わって1ヶ月ではなく、男子と同じ期間にすべきだろう。今年で5回目を迎えるガールズグランプリの賞金は1,000万円。賞金と同時に、名誉もかかっている。売り上げが低迷する中、ミッドナイト競輪とガールズケイリンは堅調な売り上げがある。だからこそガールズケイリンの在り方、ガールズグランプリに関する選考条件をもう少し整えて貰いたいものだ。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta Navi・Joe Shimajiri
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター