2024/11/06 (水) 18:00
やっと涼しくなって、ようやく秋を感じる気候となりました。涼しくなって嬉しい反面、金木犀が香る秋の夕方は、毎年、寂しさを覚えます。と言っても、10代、20代の頃のようなひりっとする寂しさに、誰かに会いたくなるようなことはなく、ちゃっちゃと帰ってお風呂に入って、YouTubeを見て競輪しようと、家へと足を速めるだけ。競輪と競輪界に鍛えられ、脱メンヘラした私。心身ともに強くなると、秋の寂しさも余裕の心で楽しめるようになりました。
さて、そんな秋深まる中、松戸競輪では日本名輪会カップ第23回吉井秀仁杯が開催されました。
吉井さんに、私たちチャリチャンメンバーは大変かわいがってもらってきました。2013年4月にチャリチャンが始まって、当初はネット放送や競輪素人女子が買い目を出すなんてありえないと言われてきたと聞いています。そんな中でも、吉井さんは「自由にやらせてあげたらいいんじゃない?」と言ってくださっていたそうです。選手として、そして引退後は解説者として、競輪を愛してきた吉井さんに見守っていただきながら、チャリチャンは松戸での放送を続けてきました。お漬物に落花生やみかん、近所で行列のパン屋さんのパン。困った時は1247ボックス、苦肉の策は枠複全-全など、吉井さんから教えてもらったことは山ほどあって、豪快で愉快に私たちに競輪の楽しさを教えてくれてきました。
その吉井杯のS級決勝戦。3着という結果でしたが、強さを見せてくれたのは地元千葉の根田空史選手。初日特選は坂井洋選手と踏み合っての7着でしたが、準決勝は悠々とした先行でラインで上位独占を決め、決勝に進出していました。
この決勝戦、実は私は茨城の橋本壮史選手に期待をしていたのです。先行力、また番手が師匠の横山尚則選手ということで、橋本選手が思い切り先行した場合、根田選手は苦戦するのでは?と、考えていました。
ところが、レースはその展開になったものの、根田選手は橋本選手を叩ききり、先頭に立ちます。「力でねじ伏せる」という言葉がぴったりな走り、そして、さらに捲りにくる川口聖二選手も寄せ付けず、3番手にいた坂井選手にも捲りを仕掛けさせないレースを見せました。最後は番手から抜け出した松谷選手の優勝となりましたが、根田選手のパワフルな走りが記憶にこびりつきました。優勝した松谷秀幸選手も「今までついてきて、一番強かった」と話し、根田選手の走りを称えていました。
何を隠そう同学年の根田選手。同い年の選手のパワフルな走りは若手選手の先行とはまた違うエネルギーをもらいます。20代の頃のように、がむしゃらフレッシュにはいかないし、かといってベテランにはまだ遠い、難しいお年頃(根田選手もそう思っているかは分かりませんが)。しかし、そんなこと知るかー!と言わんばかりの力強いレースは、私の背中を押してくれました。
今年もあと2カ月。怒とうの年末に向けて、私ももう一段ギアを入れ、風を切って頑張っていきたいと思います!
木三原さくら
2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。