今、選手の中で話の面白さは荒井崇博、田中誠、坂本健太郎が一番だと思っている。もちろん中川誠一郎は異次元の面白さだし、プロデュースしている側近の力量が、更に面白さをアップ。

　田中誠は初日特選を快勝して「翼は策士。まずは、味方から騙した(笑)。本当は突っ張ると言いながら、赤板で車間を切らない。それから少しフェイントを掛けて簡単に引いて来た。あとは、いつものやつ(自分だけ届く捲り)でした(笑)。味方が分からないぐらいだから、敵も、翼がどう走るか分からないよね。まあ、内に切り込んで頭まで行ったし、俺の調子は問題ない」。

　田中誠曰く「荒井さんは脚も実力も振る舞いもビッグボスキャラ。俺なんて、そこまでの選手ではないから、優しくオブラートに包んで言っているだけ(笑)」。

　そこに北津留翼も駆け寄り「田中さんは高校は違うけど2個上の先輩なので、昔から知っている。優しかったけど、今と違う、大人しかった。選手になってからと、高校の時は全然違います(笑)」と、突然の告白。

　どうあれ、荒井崇博もそうだが、頭の回転が良く、田中誠の言葉は毒の中にも愛情が含まれている。(町田洋一)