2022/07/05(火) 12:00 0 8
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今回は先行を極めた奥井迪の好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
平塚競輪場で開催された「オッズパーク杯ALL GIRL'S 10th Anniversary」は好レースが多かった。中でも断トツ1番は2日目(30日)、グループAの準決10Rだ。
奥井迪(40歳・東京=106期)が、美しい先行を披露した。
「10周年の大会だし、いいレースをしたい」。
その思いから、自分がつくり上げてきた先行にもう一度、挑んだ。最たる強敵は太田りゆ(27歳・埼玉=112期)。世界に通用する脚力を持ち、そのまくりは、もはや天下一品。今年に入って、各地で勝利を積み重ねてきた。世界でも実績を積み上げてきた。
最終BSでは迫ってくる太田のまくりが決まるように見えた。立ち向かってきた太田美穂(25歳・三重=112期)を残り1周で強引に叩いて逃げている。トップスピードの違いがある…と思われた。
だが3角、2センター、4角と一心不乱に風を切り、合わせ切った。1着でゴールして、顔を上げた時、奥井の目には一瞬“先行の神様”が見えたんじゃないだろうか。そして、ガールズの選手たち、またファンは奥井の背中にその姿を見たんじゃないだろうか。
★5つ、とこのレースを称賛できることに感謝しよう。この走りを見せてもらえたこと、その思いが胸に満ちる。平塚の夜は熱かった。本当に熱かった。児玉碧衣(27歳・福岡=108期)の「さすが! 私の尊敬する先輩! 」の言葉が良かった。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)