2024年パリ五輪・自転車競技でのメダル獲得を目指す佐藤水菜。ナショナルチームの活動もあり、競輪への出走は月1度。4月の岐阜以来のレースとなる。先日のアジア選手権(インド・ニューデリー)では女子ケイリンで金メダル獲得。世界での経験やナショナル仕込みのトレーニング成果が競輪でどのように発揮されるのか。初日11レースでは断然の1番人気に推されている。

　インドから帰国後はロード練習にジムトレーニングで平塚のオールガールズに備えてきた。「不安もありますが、自分自身レースを楽しむ性分なので、車券を買ってもらった人に楽しんでもらうレースがしたいですね」。

　レース前に、細かい作戦は立てないという佐藤は、「自力、自在、マーク…何でも出来るのが私の強みと思っています。作戦は立てず、その日のコンディションやスタート次第。皆さんをワクワクさせるレースを見せます」。

　昨年末に出演したテレビ番組では練習の事を思い出し涙ぐむ場面が印象的だった。「五輪の事を考えると時間が限られた中で常に限界を突破する気持ちで成長していかないといけない。色んなプレッシャーもあって涙になったんですかね…。ナショナルチームの練習はキツいですよ！ 朝起きた時は『今日は勘弁して…』と思いますけど、頑張れば結果が付いてくることはこの1年で実感していますし、コーヒーでカフェインを摂って練習に行っています(笑)」。

　ガールズケイリン10周年を記念して行われる「ALL GIRL'S 10th Anniversary」。選手生活4年目を迎えた佐藤に最も印象に残っている出来事を聞くと「…色々ありますが、1つ挙げるなら、2020年にナショナルチームに入る前、凄く状態が良い時があって、川崎競輪場での練習で男子選手と張り合って捲って勝ったことですね。『男子と張り合ている自分凄い！』と思いました。怪我明け後だったんですが、平面での捲りだったし、あれは嬉しかったですね(笑)」。

　男子を捲るポテンシャルがさらにナショナルチームで磨かれ、進化を続ける佐藤。11レースは2、3着を上手く拾って車券を当てたいところだ。