「函館記念、凄かったですよね、瓜生(崇智)さん。昨年の熊本記念を獲った嘉永(泰斗)さんもそうですし、熊本勢はみんな強い。先輩方の活躍をみると、自分もはやく上のクラスで戦いたいな、とは思う。でも、まずは目先のことを一つずつクリアしてきたい」

　そう話すのはデビュー2年目を迎えた熊本の新鋭・谷口力也。

　ルーキーイヤーの出来を聞いてみると「50点ぐらいですかね、自分にしてはやれた方かな、って。自分の持ち味はダッシュ力。そこに磨きをかけて先行選手として、もっと頑張りたい。あとは課題である持久力を強化していきたいですね」。

　高校、大学時代は自転車競技部。主にスプリント種目を得意とし、全国大会で活躍した谷口。しかし、意外な経歴の持ち主で…
「空手で世界一になりました。小学生から中学校3年までの9年間、空手少年でした。空手を始めたきっかけ？」と、何やら口ごもる。

「兄に構ってほしくって(笑)。歳の離れた兄が二人いて、7、8歳も離れていると、遊びたくても全く相手にしてもらえない。だから、兄たちが習っていた空手を自分も習えば、構ってくれるかな、と。でも、兄たちはサッサと辞めましたけどね(笑)」と、照れくさそうに話す。

「自転車競技を始めたのは、高校で友人に誘われたのがきっかけ。その友人は先に辞めたけど、自分は自転車に面白さを感じていて、気がついたら大学まで続けていた。実は父も昔、競輪選手(谷口城明・57期引退)でした。現役時代を知らないので、あまりピンとこないけど…(笑)」

　PIST6歴代優勝者には、瓜生崇智、中川誠一郎ら同郷の先輩たちの名が並ぶ。谷口は、直前の福井(FII)で完全優勝と勢い十分。学生時代に培った競技経験をフルに発揮して、先輩たちに負けない活躍を見せてほしい。(アオケイ・八角記者)

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