清水は以前、中川誠一郎のフレームを譲り受けて使っていたが、3月にようやく自分の新車が到着し、しばし乗っていたという。だがイマイチかみ合わず、前回の別府では新たなフレームを投入していた。今回も同じものを携えて検車場に姿を現した。そこにはメーカー名「ケルビム」の名が。ま、まさか…。

「はい、神山雄一郎さんのフレームです。大阪の葉狩伸泰さんに体を見てもらっていて。骨格的に神山さんみたいだなと言われたんです」。

　いくら体つきが似ていると言われても、神山さんのフレームにたどり着くのはおかしな話。選手間の中では「誰とでも社交的」と言われる清水でも、さすがに神山に直接ツテは無いだろう。

「神山さんはなかなか(笑)。よく話をする安谷屋将志君にそれとなく話したら『僕、神山さんのフレーム持ってましたよ』って言うんです。『ただ、今は三木健治さんのところにありますけど』って」。

　その話を聞いた清水は思わずニンマリしたという。なぜなら三木の子供さんが現在、岡山で競輪選手を目指しており、子供の師匠の野崎将史が同期だったからだ。

　しかも「野崎に頼まれて、以前に三木さんの息子さん用に自分のフレームを譲ったんですよ。だからすぐに安谷屋に『三木さんに連絡してくれ！』って頼みました(笑)」とフレームにまつわる奇縁を明かした。

　今開催に三木がいたので聞くと「そうなんです。自分にはカタすぎて乗りこなせなかったんです」との話だった。かくして、待望の神山フレームを手に入れた清水。「別府で走って今回が2場所目。もう少しつかみたいですね」と手探り状態だ。

　ただ、謎が2点。ひとつは安谷屋がどうして神山フレームを持っていたのか？ ふたつ目は中川フレームはどこへ行ったのか？

「安谷屋がどんなルートで入手したのかは謎ですね、今度聞いておきます(笑)。誠一郎さんのフレームは…まだ持ってます！」とのことだった。(netkeirin特派員)