豪華メンバーの共演となった初日特選は実に激しいレースだった。

　眞杉匠が根田空史を強引に叩いて主導権。番手の小林泰正が巻き返してきた新田祐大をけん制しようと車を外に外すと、小林の内に新田が潜り込んで眞杉後位を奪取し直線で差し切った。裸逃げながら僅差の2着だった眞杉の強さが光ったのはもちろん、番手を明け渡しながらも大槻寛徳との併走をしのいで先着した泰正の動きも良かったように見えたが、師匠で叔父の小林潤二は「余計な動きをして…。もったいない」と甥っ子の走りに注文を付けた。

「眞杉が強いんだから、ヨコには動かず車間を切ったりするだけでいい、ってレース前にアドバイスをしたんだけどね。(泰正が)まっすぐ走っていたら結果は違っていたはずだしもったいない。何かしたくなる気持ちもわかるんだけど。余計なことをして(確定板を)外すのは叔父さんのオレ(の初日)と一緒(苦笑)。そんなの真似しなくていいのにね。2日目は師弟そろっていいレースができるように頑張りますよ」。

　その後、泰正にヨコの動きについて聞くと「あのタイミングで新田さんが必ず来ると思ったので振ったんですが…」と返ってきた。追い込みの素質は間違いなくある泰正だが、それはまだまだ先の話。

　準決10Rは「根田さんが相手の二分戦なので、内容重視の走りをする。できれば先行したい」と積極策を示唆。

　今度は初日から一転、痛烈なタテ攻撃で難関を突破し、眞杉ら関東の仲間の勝ち上がりを待つ。(netkeirin特派員)