アプリ限定 2025/06/21(土) 19:00 0 10
ダービー決勝で見事に車券を外し、悔しさに地団駄踏んだnetkeirin編集部員が「今度こそ」と奮起し、GI・GII決勝にグランプリ2走を加えた直近2年間のビッグレース全23走の結果を調査。すると、ラインの中で圧倒的に優勝回数が多い位置が判明! 22日決勝の車券戦略に必読。
競輪ファンの皆さんは、9車立てのビッグ決勝やグランプリについて、こんなイメージを持っていないだろうか。
「レースのクライマックス、最終2センターから4コーナーで激しい戦いになり、ラインの番手選手もブロックを繰り出すなど厳しい戦いを強いられるため、3番手回りの選手や単騎の選手が突っ込んで大波乱が起きやすい」
ところが実際のレースは、このイメージとはズレているようだ。
直近2年間のビッグ決勝とグランプリ全23走を走った選手の、のべ人数は207人。そのうち、ラインの先頭選手と2番手選手は各71人。3番手は29人、4番手は2人、単騎は34人である(5人以上のラインなし)。下記は、ラインの位置別の、のべ人数と着順回数の表である。
表①位置別のべ人数と着順数
位置 | 人数 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|---|---|
先頭 | 71人 | 4回 | 7回 | 5回 | 55回 |
2番手 | 71人 | 17回 | 8回 | 5回 | 41回 |
3番手 | 29人 | 0回 | 2回 | 5回 | 22回 |
4番手 | 2人 | 0回 | 0回 | 1回 | 1回 |
単騎 | 34人 | 2回 | 6回 | 7回 | 19回 |
上記のとおり、優勝(決勝1着)回数が圧倒的に多いのはラインの「2番手」で17回。2年間23レースを出走した選手の、のべ人数は207人。そのうち2番手選手はのべ71人で、全体の約34%の選手が、1着数の約74%を占めている。
ちなみに、2024年10月の「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」から25年5月の「日本選手権競輪(GI)」までの直近6走は、全て2番手の優勝である。
さらに、現在"輪界最強の自力選手"と言ってもよい脇本雄太は、当該期間中、24年3月の「ウィナーズカップ(GII)」、同年11月の「朝日新聞社杯競輪祭(GI)」、25年2月の「読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)」を制しているが、全て番手戦での優勝。
また、山口拳矢や眞杉匠ら20代の若手がさっそうと優勝をさらったため、 「単騎の選手がそこそこ勝っている」という印象も強いかもしれない。しかし実際の単騎の優勝は、この2名による2回だけである。ただし2着、3着は多く、3連対率は44%になる。
ラインの先頭選手はのべ71人いて優勝はわずか4回。3番手・4番手回りの選手はのべ31人いて優勝はゼロ、2着は2回だけである。
全23走の3連単配当を見てみると、万車券は14回出ているが、5万円以上の大穴は2回だけ(うち10万円以上が1回)。波乱はあっても大穴は出にくいと言えそうだ。
そして、スピードレース化する現代競輪で、先行選手がいかに不利か、ということを表②-1〜3で示しておきたい。
表②-1.Hを取った選手の着順数
1着 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|
0回 | 0回 | 3回 | 20回 |
②-2.Bを取った選手の着順数
1着 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|
3回 | 2回 | 3回 | 15回 |
②-3.HBを取った選手の着順数
1着 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|
0回 | 0回 | 3回 | 10回 |
※Hはホーム、Bはバック、HBはホームとバック
まず目を引くのは、H、B、HBを取った選手の「圧倒的な着外数の多さ」である。そしてHないしHBを取った選手は優勝も連対もできず、3着以内に入る可能性は極めて低いことがわかる。
さらに、Bを取って優勝している3人(眞杉匠、北井佑季、脇本雄太)は、全て番手回りで二段駆けからの自力発進であり、ラインの先頭選手が自力でBを取って優勝したケースはゼロである。
ついでに言えば、ペースの緩まない現代のビッグレース決勝で、Hを取った選手は上記の通り惨憺たる結果となっている(23人中連対はゼロ、3着3回)。
ビッグレース決勝とグランプリは、
ということが浮き彫りとなった。
▶決勝インタビュー
▶決勝の出走表
▶出走表で見られる!最終BSでの選手の位置取り予想