全日本選抜の準決勝。中釜章成はいわゆる「死に駆け」で近畿の先輩3人を優出へ導いた。結果は「暴走失格」となり、後味は悪くなってしまったが、あれだけ頑張った中釜はいつか報われて欲しいと個人的に思う。

　そんな中釜の弟である健次が京王閣にあっせん。少し話を聞いてみた。

「兄貴と連絡ですか？ 取っていませんよ。GIは見ていたけど、頑張っていましたよね」と意外にもよそよそしい。あれだけ兄が頑張っていたし、こみ上げる想いなどあるのか尋ねると「兄貴の分までって気持ちは全くないです(笑)」とまさかの回答。「あっせんが止まっても大丈夫でしょう。兄貴は金持ちなので。走れない期間、金を貸して上げる？ 絶対にないですね」と超冷たい返答には思わず笑ってしまった。

　それでも兄には感謝しているようで「最近、成績が良くなっているのは兄貴のアドバイスのおかげ。まだまだな部分はあるけど、教えてもらうようになってから成績は上がっている」。

　照れ隠しなのか兄を想う言葉は出てこなかったが、兄弟で支え合っているのは間違いなさそう。しばらく走れない兄の分まで弟の健次が『走り』で感謝を伝える。(アオケイ・石濱記者)