アプリ限定 2024/08/09(金) 18:00 0 19
すで後半戦に突入している2024年の競輪界。6月のGIでは北井佑季が初タイトルを飾った。ここまで3つのGI開催を終えまだS班にタイトルはなく、すでに来期のS班は3名入れ替わることが確定的となっている。まもなく開幕するGI「オールスター競輪」を前に、S班9名を中心に獲得賞金上位陣の序盤戦の戦いを振り返りたい。(※賞金は8月5日時点)
6月に行われたGI「高松宮記念杯競輪」では、2021年に31歳でデビューした元Jリーガー北井佑季が初タイトルを手にした。
これで北井は年末のKEIRINグランプリへの出場権を手にし、南関勢としては2月の全日本選抜を制した郡司浩平に続き2人目のグランプリ切符となった。
13日から、後半戦最初のGI「オールスター競輪」が開催される。直前の賞金状況を見てみると、ダービー優勝の平原康多とタイトルこそないものの安定して好成績を残しているS班・古性優作の2名が獲得賞金1億円を超えている状況だ。
では、まずS班以外の賞金上位選手の状況からグラフで見てみよう。
すでにグランプリ出場を決めているのは、GIタイトルを獲得した平原康多(1位)に北井佑季(3位)、そして郡司浩平(5位)の3名だ。
破竹の11連勝やダービー準Vと前半戦に大活躍した岩本俊介は6位とグランプリ出場圏内を維持。さらに吉田拓矢と小林泰正の関東2名もグランプリ出場ボーダーに位置している。
22年S班の吉田拓矢は、昨年の失格などの影響で現在はS級2班在籍となっているが、直近は成績が安定。5月ダービーでは決勝に進み、6月は地元記念(取手)初制覇を果たした。直近7月のGIIサマーナイトでも準優勝を挙げている。
小林泰正は5月ダービー、6月高松宮記念杯と立て続けにGI優出。6月には地元記念(前橋)でGIII初制覇を果たし、選手としての格もワンランク上がった印象だ。
ここまで3つのGI開催を終え、まだS班にタイトルはない。すでに今年はS班3名の入れ替わりが確定的だ。昨年はS班が4名入れ替わり“激動の1年”と言われたが、今年はそれ以上の動きもありそうだ。
実際にS班は賞金レースでも苦戦している選手が多く、グランプリ出場圏となる賞金ランキング9位以内に入っているのは3名のみ。6名がグランプリ出場圏外という厳しい状況に置かれている。
ここで、S班の獲得賞金状況を見てみよう。
年始から好調を維持し、1月のいわき平記念以外すべての出場レースで決勝進出している古性優作は賞金1億円を突破し2位。8月の松戸記念で今年3度目の記念Vを果たした清水裕友が4位につけている。
脇本雄太は高額賞金のダービーをケガで欠場したのが痛手となったが、復帰後は決勝進出を外さず、地元福井記念で完全優勝を挙げた。
賞金9〜11位の“グランプリ出場ボーダー”は接戦で、4700万円台に3名がひしめいている状況。今年6年ぶりにS班復帰している深谷知広は、5月の武雄記念で優勝するなどGIIIでは安定して決勝に乗れているが、GIではまだ決勝進出がない。
年初のケガや病気による欠場が響き、6月高松宮記念杯終了時点の賞金ランキングは24位と出遅れていた眞杉匠は、7月のGIIサマーナイトフェスティバルで優勝し11位までジャンプアップ。一気にグランプリ出場圏が見えてきた。
現状のグランプリ出場ボーダーよりやや下位に位置し、獲得賞金が4000万円に届いていないのが新山響平、佐藤慎太郎、松浦悠士、山口拳矢だ。
昨年のグランプリ覇者・松浦悠士は5年連続S班の座に君臨しているが、いまだ賞金ランキング23位に沈んでいる。今年は3月のGIIウィナーズカップで落車し負傷。4月末のGIダービーでの復帰後はまだ優勝がない。しかし直近の別府記念では、初日特選であっと驚く逃げを打ち3着に粘った。“夏男”がいよいよ本調子に戻ってきたように見受けられる。
S班の中では賞金ランキング最下位となる24位に沈む山口拳矢。序盤戦で病気欠場が重なり出遅れてしまった。ダービーでの優出(決勝8着)で挽回したが、なかなか波には乗れていない印象だ。だが「持ってる」のが山口。これまで多くの場面で周囲をあっと驚かせてきたように、持ち前の勝負強さで“一発逆転”もあり得そう。
参考までに、ここまででS班が出場した開催数(途中欠場含む)と優勝回数を表に示した。
選手名 | 開催数 | 優勝回数 |
---|---|---|
古性優作 | 12 | 3 |
清水裕友 | 14 | 4 |
脇本雄太 | 12 | 2 |
深谷知広 | 16 | 1 |
眞杉匠 | 14 | 2 |
新山響平 | 14 | 0 |
佐藤慎太郎 | 18 | 0 |
松浦悠士 | 11 | 1 |
山口拳矢 | 12 | 0 |
※獲得賞金順、清水裕友の優勝回数にはSPR賞(全プロ記念競輪)を含む。新山響平の開催数にPIST6は含まない
2024年もすでに折り返し、後半戦最初のGI「オールスター競輪」を迎えようとしている。言わずもがな、優勝すれば年末のKEIRINグランプリ出場権獲得となる。
オールスターは6日間の長丁場、順調に勝ち上がれば5レースを走る過酷な戦いだ。GIではダービーに次いで賞金が高く、優勝すれば5900万円、準優勝でも3195万円獲得となる。
11月の競輪祭まで続く熾烈なKEIRINグランプリ出場権争い。すでに南関が2枠(郡司浩平・北井佑季)、関東が1枠(平原康多)獲得している。ここまでの賞金状況や今年の戦績も参考に、GIオールスター競輪の予想を楽しんでほしい。