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伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【ちぎり賞争奪戦 決勝レース展望】聡明な走りを見せた野原雅也の動きがポイントか!?

2021/01/31 (日) 12:00 14

競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 みなさんこんにちは。
 豊橋競輪場で親子共々罵声を浴びているヤマコウです。

 ちぎり賞の決勝メンバーが以下の通り勝ち上がりました。4分線+単騎のライン構成です。

①浅井康太(90期・三重)-⑥吉田敏洋(85期・愛知)
②深谷知広(96期・静岡)-⑧岡村潤(86期・静岡)
③諸橋愛(79期・新潟)
⑨野原雅也(103期・福井)-④村上博幸(86期・京都)
⑦松浦悠士(98期・広島)ー⑤佐藤慎太郎(78期・福島)

 今回の決勝は、岸和田記念の才迫開や、松山記念の島川将貴のような死に駆けの選手がいないことです。まず先行する選手を考えます。

 先行にこだわりがあるのは②深谷です。初日特選こそ⑨野原に先手を許しましたが、組み立ては前受けから主導権を取りに行くスタイルにブレはありません。決勝も前受けからレースを組み立てるでしょう。

・⑨野原や⑦松浦は、②深谷を相手にどう戦う?

 ⑨野原は初日特選、②深谷相手に先行しましたが最終バックでまくられています。2次予選は強風の中、脚を溜めて3角まくり。準決は⑦松浦が駆け渋るところを一気に打鐘4角で仕掛けて2着。シリーズを通してクレバーな走りをしている印象です。

 対して⑦松浦。松山記念はどこかチグハグな攻めが印象に残りましたが、今節はしっかり修正できています。それでも、3日間の走りは納得するデキではないようで、エースフレームに変えて決勝に挑みます。「全く同じサイズですが、エースフレームに付いているサドルが少し右に向いていてスピードが乗りやすいと分かったので、そちらにします」という理由です。

 ②深谷を前受けと考えると、初手が見えてきます。

 ①浅井はスピードを乗せてもらって仕掛けたいのと、後ろの動きが遅いと②深谷は突っ張るかも知れないので、後ろを狙うでしょう。

S.②深谷-⑧岡村、①浅井-⑥敏洋、⑨野原-④博幸、③諸橋、⑦松浦-⑤慎太郎
各選手の妥協点はこの並びだと思います。

 ⑦松浦が一度動いて⑨野原を出させる。③諸橋は、②深谷がかますかどうかのリスクを取るより、⑨野原に付いていくと思います。

打鐘 ⑨野原-④博幸、③諸橋、⑦松浦-⑤慎太郎、①浅井-⑥敏洋、②深谷-⑧岡村

 深谷が仕掛けるところで⑨雅也は突っ張るのか、引いて3番手を取るのか? ここが【ポイント】だと思います。

野原雅也、この男の動きがカギを握る

 初日は⑨雅也が先行しましたが、山田英明と浅井との位置取り争いでペースが上がったので、そのまま駆けたのではないかと見ています。踏み合いがなければ、⑨雅也は②深谷を出させたのではないでしょうか。

 しかし、結果として先行したのは⑨雅也。決勝は遅いと突っ張られると②深谷は思うでしょう。そこで、⑨雅也が初日のフリを活かしてスッと引くと②深谷先行で3番手が取れ、優勝が狙える位置になります。仮に突っ張るとしたら、近畿と静岡勢の優勝の目はなくなり、⑦松浦有利になるでしょう。

ここでは引くと考えて進めます。
H.②⑧、⑨④、②、⑦⑤、①⑥

 ⑦松浦が⑨雅也の仕掛け待ちのレースはしないと思うので、多少強引にでも最終ホームから仕掛けると思います。初日の⑦松浦は②深谷がかました上をバックでまくっているので、最終バックで捕らえる可能性は高い。①浅井の仕掛けは最後になるでしょう。

B.⑦⑤、⑨④③①⑥
②⑧

・買い目
この態勢から有利に進められるのは⑤佐藤慎太郎だと思います。
⑤=⑦-⑨④

・穴目
最終ホームで⑦松浦が仕掛けなかったら、⑨雅也にもチャンスが巡ってくるでしょう。
B.②⑧⑨④③⑦⑤①⑥

穴目は⑨雅也で
⑨-④=⑦
⑨-④-③

 今節は、別の意味での親子参加でいろいろ感じたこともありました。もう一度みなさんに喜んでもらえる選手になれるように話し合いたいと思います。すこし時間をください。

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山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

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