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鈴木誠のハイブリッド展望

【たちあおい賞争奪戦予想】大混戦となりそうなコマ切れ戦! 総合力で上回るSSラインを捲っていけるのはどの選手だ?/鈴木誠の展望

2022/02/06 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は静岡競輪場で開催されているたちあおい賞争奪戦の決勝レース展望です。

単騎の3選手の中で一発がありそうなのは、ここまで2-1-1と好調の荒井! 

【たちあおい賞争奪戦】の取材で、静岡競輪場に来ています。気温が下がっているだけでなく、バンク内にも風が流れているせいか、連日共に重い印象があり、結果として、若手の先行選手が実力を発揮できないようなコンディションとなっていました。

 しかも、その風が2コーナーから4コーナーにかけて斜めに吹いていました。こうなると先行選手だけでなく、ホームではその風が当たってしまう番手選手にとっても、きつい展開となります。脚を溜められなかったのか、番手選手がゴール前で前の選手を交わせないレースも見受けられました。

 こんなバンク状態でも、安定した走りができるのがベテラン選手たちです。決勝に進んできたメンバーを見ても、若手と言えるのは117期の伊藤選手ぐらいですが、その伊藤選手も徹底先行型ではありません。それだけに、この決勝でもどの選手が先行するのかにも注目が集まります。

 並びを見て見ましょう。ラインが出来ているのはSS班2人が並んだ郡司選手-佐藤選手。徳島2人となった小川選手-小倉選手。そして関東の吉澤選手-諸橋選手。そして、荒井選手、伊藤選手、浅井選手は単騎というコマ切れ戦になりました。

 こうなると先行がありそうなのは、やはりラインが出来ている3選手となりそうですが、小川選手と吉澤選手はいずれも捲りで結果を出してきました。両者共に決勝だけに1周ぐらいなら先行しても…と思っているかもしれませんが、その2人よりも先行意欲が強いのは郡司選手だと思います。

 車番的にも前受けができそうなのは郡司選手です。そのすぐ後ろが枠的にも徳島の2人で、関東ラインは後方からのレースとなりそうです。

 関東ラインは前受けをした郡司選手を押さえにかかるかと思います。その時の郡司選手の動きや、後ろに置かれた徳島の2人がどう動いていくかなどで、展開は目まぐるしく変わってきます。

 先行体制に入った関東ラインの後ろに郡司選手が付いて行けるようだと、SS班2人でのワンツーフィニッシュが濃厚となってきます。

 今大会では初めての連係となる郡司選手と佐藤選手ですが、これまでの連係実績は勿論のこと、準決勝でも浅井選手の後ろを回っていた佐藤選手が、郡司選手を選択したというのは、今大会における調子の良さ、上手さなどを含めた総合力で、郡司選手が上回っていると思ったからでしょう。

 ただ、徳島ラインが先に仕掛けてインを切ってくるようだと、郡司選手は一旦、車を下げてから先行体制に入るはずです。

 そうなると、その後ろを取れそうな徳島ラインは、捲っていくのには絶好のポジションとなります。小川選手も今大会では捲りが出ていますし、それは優秀な上がりタイムにも証明されています。

 また、この展開となった時に浮上してくる選手が、ここまで2-1-1と好調な荒井選手です。単騎とはなりましたが、準決勝のように勝負のできる位置取りでレースを進めていくはず。それが上手くはまるようだと、コマ切れ戦の利を生かして一発もあり得ます。

 他の単騎の選手ですが、浅井選手は展開待ちとなりそうですし、伊藤選手はこのメンバーを相手に単騎で捲っていくのは大変かと思います。

 スタートの並び次第では、ラインができた3選手の仕掛けもまた変わってくるかもしれません。その意味でも、号砲から目の離せないレースとなりそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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