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鈴木誠のハイブリッド展望

【玉藻杯争覇戦予想】4車で盤石の四国ライン! と思いきや、そうは問屋が卸さない走りをしてきそうなのは、別ラインとなったSS班!/鈴木誠の展望

2022/01/30 (日) 12:00 1

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は高松競輪場で開催されている玉藻杯争覇戦の決勝レース展望です。

バンクレコードを更新して、今大会に臨んできた、中川の一発にも期待!

 地元香川の選手が準決勝に沢山乗って来た【玉藻杯争覇戦】。決勝に何人が進むのかも注目していましたが、香川選手、池田選手、原選手と3名が名を連ねることになりました。

 決勝はそこに徳島の小川選手が前を回る形で、以下、香川-池田-原と四国4車のラインとなりました。一方、中四国での連係も考えられた松浦選手は、福島の佐藤選手とSSラインでの連係を選択。古性選手の後ろは、同じ近畿ラインの山田選手。熊本の中川選手は単騎となります。

 スタートは1番車を引いた古性選手でしょう。松浦選手-佐藤選手は近畿ラインの後ろで。5番以降が四国ライン。単騎の中川選手は最後方のレースとなりそうです。

 古性選手を押さえる形で、一気に先頭に立つのは小川選手だと思います。これまでの四国ラインとの連係からしても、松浦選手がその邪魔をすることはありえませんし、古性選手も番手で粘るようなことはしないはずです。

 こうなると、捲りを狙う松浦選手、古性選手が欲しい位置は、四国ラインの後ろとなります。前受けをした古性選手が四国ラインの後ろで粘り込む公算が高いですが、もし、松浦選手が5番手を取った場合でも、すぐに捲りには行かず、古性選手の仕掛けを待つと思います。

 こうなると、古性選手と小川選手の叩き合いとなるのですが、2人の脚を比べた場合、やはり、グランプリレーサーである古性選手に分がありそうです。準決勝の12レースでは、先行した眞杉選手が流していたとはいえども、ホームでかましていきながら、一気に先頭に躍り出た走りは鮮やかでした。

 古性選手の後ろを走る山田選手は、今大会の優勝こそありませんが、それでも調子の良さが走りにも表れています。ラインで出切れたのならば、ゴール前では古性選手を抜き去る可能性も充分にありそうです。

 一方、小川選手は自在型で、捲り追込を得意としていますが、純粋な先行型では無いので、先頭に立ってからのペース配分が掴めない可能性もあります。

 しかも、四国ラインの番手を回る香川選手は追込の選手であり、番手捲りを得意とはしていません。なので、香川選手は古性選手の番手を上手く捌けたときに、勝機が見えてくると言えそうです。

 穴で狙いたいのが単騎の中川選手です。準決勝の上がり時計の11秒2は、決勝メンバーの中でも最速でしたし、なおかつ、前走の【佐世保競輪】ではバンクレコードを更新(10秒7)しています。

 しかも、冬場の重いバンクでのレコードは、そう出せるものではありません。ポテンシャルは決勝に進んだSS級のメンバーとも引けを取らないと思いますし、道中は脚を溜めて、ラインが短くなったのを見計らってからの一発を期待したくなります。

 もし、中川選手が捲り切った時に、その後ろから来ていそうなのが、松浦選手と佐藤選手です。両者共にさすがSS級と言うべきレースを、連日に渡って見せてくれていますし、混戦になればなるほど、自分で活路を切り開いてきます。結果的には古性選手も含めて、SS班で上位独占ということになっているのかもしれません。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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