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不屈の男・金子貴志の奮闘記 〜40代の挑戦〜

【金子貴志の初心】“塵も積もれば山となる”を証明するため、8年前の親王牌からずっと数え続けていること

2021/10/19 (火) 15:00 10

 netkeirinをご覧の皆さんこんにちは。金子貴志です。今回は10月21日から新潟県の弥彦競輪場で始まるGI『寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント』について書きたいと思います。

弥彦競輪場は自分にとって特別な場所

 寛仁親王牌は私が初めてGIのタイトルを獲った大会です。2013年7月、場所は弥彦競輪場でした。近年、寛仁親王牌は群馬県のグリーンドーム前橋で開催されていましたが、今年は6年ぶりに弥彦競輪場で行われます。

全国で唯一“村”が運営する競輪場。2021年の親王牌はこの弥彦競輪で開催(写真:チャリ・ロト)

 私にとって弥彦競輪場は競輪だけではなく、競技の全日本プロ選手権・スプリントでも初優勝しているので、本当に思い出深い競輪場です。当時の私は過渡期というか、長い間結果を残せていませんでした。それでもチャンスが来た時に掴めるように、試行錯誤しながら日々トレーニングに打ち込んでいました。そんな中でチャンスが巡ってきました。

 決勝戦は弟子の深谷との連係で優勝することができました。言葉では表せないほど嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。そして何より、GIの舞台で深谷とワンツーを決められたことが最高の喜びでした。ファンの歓声も凄かったことを覚えています。この時ほど、「選手をやってきて良かった」と思ったことはありません。

2013年寛仁親王牌決勝、金子貴志選手(4番車・青)と深谷知広選手(1番車・白)は師弟ワンツーを決めた。成田和也選手(5番車・黄)と3車横並びでゴールの大接戦となった(撮影:村越希世子)

 この優勝が契機となって、その年の競輪祭、そしてグランプリでも深谷の計り知れない力を借りて優勝することができました。

2013年から継続することを数値化し始めた

 初のタイトルを獲った後、メインでやっていたウエイトトレーニング『デッドリフト』の数を数えるようになりました。私のデッドリフトは自転車に力を伝えることに特化し、改良してきたデッドリフトです。動物のチーターのように体をしならせて前に進む姿が理想の体であり、それに近づくためにイメージしているトレーニングです。

思い描く肉体を手に入れるために1回1回集中して持ち上げる(写真:YouTubeCH「カラフルスタイルTakashi Kaneko」より)

 私の場合、バーベルの重さを220Kgに設定し、5回を1セットとしてカウントしています。これがもうすぐ9,000セットになるところです。『できないことはない』ということを証明するため、10,000セットを目標に決めたのが、もう8年前。『塵も積もれば山となる』を信じ、バーベルを上げ続けてきました。

 しっかりとした土台を創り上げ、その上に積み重ねることによって、ブレない気持ちが養われました。もうすぐ目標にしている10,000セットに到達します。積み重ねることが重要で、まさに『継続は力なり』です。

体だけではなく初志貫徹する“精神力”も鍛え続けている(写真:YouTubeCH「カラフルスタイルTakashi Kaneko」より)

ブレない気持ちで走る! いざ寛仁親王牌へ

 思い出の地で行われる寛仁親王牌。このコラムを書いている今、気持ちは高ぶっています。弥彦競輪場は今年9月にFI戦を走ってきました。自然豊かで本当に走っていて気持ちがいいバンクです。ファンも皆、暖かく、声援も凄い。スタンドとバンクの距離が近いということで、ファンとの一体感があるんですよね。その雰囲気が最高にいいです。

 私は最近、思うような結果を残せていません。でも思い出のバンクでチャンスを掴めるように、培ってきた“ブレない強い気持ち”でレースに臨みます。

トレーニングに打ち込むだけでなく、自転車のセッティングにも余念がない(撮影:島尻譲)

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金子貴志

Kaneko Takashi

愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。

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