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鈴木誠のハイブリッド展望

【平安賞in奈良予想】 唯一のSS班となった犬伏が、捲りで大会を制する! 対抗するのは地元の三谷が牽引する近畿ライン! 山田(庸)の先捲りも侮れない! /鈴木誠の展望

2025/09/28 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は奈良競輪場で開催されている「平安賞in奈良」の決勝レース展望です。

今大会を盛り上げたのは、一次予選、二次予選を連勝した、125期の新生谷内!

 今年の平安賞は向日町競輪場の改修工事もあり、奈良競輪場での開催となっています。

 奈良競輪場、向日町競輪場ともに近くには有名なお寺や仏閣があります。現役時には幾度か足を運びたいと思ったこともありましたが、観光客の方がとても多く、次の大会も考えると、ゆっくりしてもいられないと断念していました。

 ただ、解説者になってからは大会の後だけでなく、前乗りする形で時間が取れるようにもなりました。

 以前に向日町競輪場で解説の仕事をさせてもらった時には、ゆっくりと観光できただけでなく、グルメも楽しむことができました。

 ファンの皆さんの中には全国各地の競輪場に出向いて、「旅打ち」をされている方もいらっしゃると思います。 自分も解説やイベントの仕事として、様々な競輪場を訪れるようになってから、その楽しさが分かってきました。

 次に奈良競輪場に行く機会があれば、観光やグルメを楽しんでみたいと思います。そのためにも、この決勝の予想をしっかりと的中させたいですね。

 奈良競輪場は333バンクの中でも直線の距離が短く、先行選手が主導権を取り合う展開も激しくなります。現役時から攻略が難しいバンクだと思っていましたが、今大会も3連単で10万車券が続出するなど、予想も難しくなっています。

 そんな中で、初日から動きの良さが目立っていたのが、特別昇班を果たしたばかりの谷内選手です。

 この大会が初めての記念競輪かつ、9車立てのレースも、今年3月のルーキーチャンピオン以来となりました。

 どんなレースを見せてくれるのかと注目していましたが、一次予選、二次予選と突っ張り先行を見せて連勝を果たします。

 準決勝でも持ち味とも言える突っ張り先行を貫いて、ラインの2人(山田(久)選手、稲川選手)の決勝進出に貢献しました。

 谷内選手は学生時代に中長距離の競技で活躍していました。長い距離を先行してもスピードが持続できるような、地脚を持ち合わせています。

 近畿地区は脇本選手、寺崎選手と強い先行選手がいますが、ゆくゆくは谷内選手もそこに名を連ねていくのかもしれません。

 谷内選手と同じ125期の森田選手も準決勝に進出していましたが、両者ともに決勝進出とはなりませんでした。その一方でしっかりと決勝に進んできたのが、今大会唯一のSS班となった犬伏選手です。

 初日の特選こそ後方からのレースとなってしまいましたが、二次予選、準決勝と早めに主導権を取って、長い距離を踏んでいます。

 この決勝でも先行の意欲は強いと思いますが、ただ、3名が勝ち上がってきた近畿ラインとしては、おいそれとレースの主導権を渡したくないところです。

 決勝の並びですが、近畿ラインが①三谷選手-⑦山田(久)選手-④稲川選手。九州ラインが②山田(庸)選手-⑧塚本選手。四国ラインが⑨犬伏選手-③佐々木選手。栃木の2人は⑥金子選手-⑤雨谷選手の並びとなりました。

 並び的には近畿ラインがスタートを取れそうですが、雨谷選手、そして金子選手もスタートが早いだけに、関東ラインが前受けをしてきそうです。

 栃木の2人が前受けをすると、その後ろには近畿ライン、九州ラインとなり、8番手となった犬伏選手は、早めに前を抑えにかかります。その上から山田(庸)選手が抑えにかかりますが、緩んだタイミングで一気に先行態勢へと入っていくのが、地元の三谷選手でしょう。

 後方となった犬伏選手は捲りにかけますが、怖いのが展開的に4番手に入っている山田(庸)選手です。

 準決勝では脚を使って中団を取ると、そこからの捲り追い込みで2着に入っているだけに、サラ脚でその位置を回れているようならば、捲り切る可能性は充分にあります。

 犬伏選手として直線が短いだけに、早めに前を捕らえたいところです。ただ、仕掛けが早くなりすぎた場合には、番手にいる佐々木選手が、今大会ではずば抜けた出来だけに、ゴール前で交わす展開も考えられます。

 近畿ラインは先行した三谷選手の番手から、早めに抜け出してきそうな山田(久)選手に勝機が生まれてきそうです。

 大会は奈良で行われていますが、平安賞は京都の記念競輪だけに、山田(久)選手は勝ちにこだわった走りをしてくるのではないのでしょうか。

 印としては◎⑨犬伏選手、◯③佐々木選手、△⑦山田(久)選手、×②山田(庸)選手に打ちます。印は打っていませんが、金子選手も今大会は調子が良さそうなだけに、前がもつれた時には一発も期待できそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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