閉じる
前田睦生の感情移入

【大阪・関西万博協賛リレーGIII】富山から四日市へ…内藤秀久の“信頼”と“スピード感”

2025/06/11 (水) 12:00 9

内藤秀久が新たなステージに進む

昼は富山でトランキーロ

 すでに定番化した感のある昼夜のリレーGIIIが6月12〜15日に行われる。デイの富山は「富山市合併20周年記念 第13回大阪・関西万博協賛競輪」で、ナイターの四日市は「大阪・関西万博協賛 ベイサイドナイトドリーム」だ。

 富山シリーズの注目は内藤秀久(43歳・神奈川=89期)だ。「超」が付くハードマーカーとして鳴らしており、ラインの信頼度は高い。あきらめずに突っ込む根性にも「ド」が付く。GI、GIIの決勝にも乗っており、なんとかGIII優勝に手を伸ばしたい。

 内藤が武器としたいのは“信頼”と“スピード感”だ。ラインを大事にしつつ、勝負どころではファンの期待に応えていく。今年に入り、調子を落とした時期もあったが、近況は鋭さも備えている。横浜で物品の買取という副業を始めたとのことで、その意識もまじえて今回は勝負する。

 競輪で培ってきた大事なことを、副業に生かすというのも実直な内藤らしい。デイの富山を「あっせんなよ!」の気持ちで冷静に楽しみ、ナイターの四日市につなぎたい。

来年のA級陥落が決定的な木暮安由

木暮安由はまだ長い先がある

 ナイターの四日市はやはり木暮安由(40歳・群馬=92期)に注目が集まる。度重なる落車、ケガで調子を崩し、前回別府記念(オランダ王国友好杯)は勝負駆けだったが内抜きでの失格。今期2回目の失格で、来々期、来年1月からのA級陥落は決定的だ。

 1角、コーナーに入るところで、並走から下がってきた選手の内からラインを追走した。3番手としてラインを崩せないこともあって、またコーナーに走るところともあり、迂回することができなかった。

 波乱万丈の選手人生。さすがに落ち込んでいたものの、まだ先のある男だ。夢は、今大会で決勝3着までに入り競輪祭出場を決め、競輪祭優勝でS級S班になれば大どんでん返し。さすがに現実的にどうか…はあるので、やはり「トランキーロ」。焦るなよ、の気持ちで丁寧に一戦一戦を積み重ね、来期の復活。そして2008年4月から見せた連勝街道再び、でS級に帰ってきてほしい。

伊藤優里は焦らず自分の走りを

伊藤優里は目を見を開いて

 四日市競輪場はナイター充実の場として長く定着している。この制度のナイターGIII開催も多く、ホームバンクの伊藤優里(20歳・三重=126期)は3月の開催にも参加した。体調を崩した後もあり、決勝進出ならず。今回こそは…と思っていることだろう。

 しかし「トランキーロ(焦るな)」だ。今はまだ、自分の戦いに徹し、実力を確かなものにしていってほしい。ドラゴンボールの全王様に似ている柔らかい表情だが、険しい道のりを目を見開いて切り開いていってほしい。

 ファン目線としてちょっと焦りたい選手もいる。平子結菜(21歳・三重=126期)だ。ホームバンクは松阪になるが、もちろん地元戦。150cmに満たない小柄な体格だが、踏み続ける根性と伸びは魅力そのもの。今回ははっきりと初優勝を期待したい。

平子結菜(左)がポーズを取ると仲澤春香がヒジを押し、顔面に激突
「も〜」と嘆く平子と、うれしそうな仲澤


X(旧 Twitter)でも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のXはこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

前田睦生の感情移入

前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

閉じる

前田睦生コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票