アプリ限定 2025/06/23 (月) 12:00 9
『競輪選手になるために、そして夢を叶えるために』今年は第129回生として男子72名、第130回生として女子21名の候補生たちが日本競輪選手養成所に入所し、2026年のプロデビューを目指している。この時期、“未来の競輪スター候補”と題して毎年お届けしている本シリーズだが、今年は10名の注目候補生へインタビューを実施した。今回は129回生・中村嶺央(なかむら・れお)候補生を紹介する。(取材・netkeirin編集部)
千葉支部長・中村浩士を父に持つ中村嶺央候補生、20歳。新生活をスタートさせた中村候補生に競輪選手を目指したきっかけや父・浩士の存在について話を聞いた。
ーー中村嶺央候補生は千葉支部長・中村浩士選手のご長男です。周囲の視線にプレッシャーはありますか?
いいえ、プレッシャーはありません。逆に原動力というか、僕自身のエンジンを動かすエネルギーになっている感覚です。
ーー競輪選手を目指したきっかけはやはりお父さんの存在でしょうか?
はい。競輪選手の父に憧れて、競輪選手に夢を見ました。
ーー中村候補生にとってお父さん、なおかつ競輪選手としての大先輩・中村浩士はどのように映っていますか?
父親としても、競輪選手としても、とにかく本当に格好良くて憧れる存在です。小さい頃から今までずっとそう思っています。
ーー特に“かっこいい”と思う部分を教えてください。
喜怒哀楽が激しくなく、いつでも「お前なら大丈夫だ」と後押ししてくれる部分です。選手としては練習などでもリーダーシップを発揮して、率先して努力する姿を見させてもらっています。“背中で教える”ような人だと思います。そこがとてもかっこいいです。
ーー入所前の練習はお父さんの道場で行なっていたのですか?
はい、父だけでなく、上位戦線に位置する先輩選手たちとも一緒に練習できるありがたい環境で鍛えることができました。たくさんのことを教えてもらいました。
ーー具体的にどのようなことを教えてもらったのですか?
フォームやペダリングといった技術的なこともそうですし、心構えとか精神面についても教えてもらいました。自転車以外の楽しみ方や競輪選手はいい仕事だぞ、とかもですね。
ーー養成所に送り出される際にお父さんにはどんな言葉をかけられましたか?
『素直さが嶺央の強みだから、その素直さに負けず嫌いを兼ね備えて、“素直な負けず嫌い”をモットーに頑張ってこい。とにかく夢と目標を持って突き進んでこい』という言葉で送り出してもらいました。
ーーすごく素敵な言葉ですね。中村候補生の弟・孔翼(こうすけ)さんも自転車競技選手(※全日本トラック自転車競技選手権・男子ジュニアスプリントで優勝の実績)ですよね。弟さんからはどんな言葉で送り出してもらいましたか?
『がんばってね〜にいちゃ〜ん』みたいな感じでした。
ーーいきなりゆるい温度感になりました(笑)。
はい(笑)
ーーなにか“自転車一家ならでは”の中村家の面白エピソードを教えてください。
なんでしょうね。毎日のように上半身裸パンツ一丁とかですかね(笑)。それで体幹を鍛えたり、お互いの体をケアし合ったりしていました。うちでは体幹トレーニングをしている時にバランスボールを使っていたんですが、体をぶつけにいったりもしましたね。
ーーパンツ一丁のぶつかり稽古の絵図を想像しました(笑)
当然ですが、父がイチバン強いです。
ーーこれから約1年間の養成所生活ではどんなことに期待していますか?
自分はずっと野球をやってきて、自転車競技の経験がありません。でも同期候補生の中にはすでに競技人生で成績を残している人もたくさんいます。そういった人達の経験を自分も吸収できるように励んでいきたいです。また、その上で自分の強みを活かしていきたいなと思っています。
ーー中村候補生の脚質タイプや強みはどうでしょうか?
脚質はスプリンタータイプに近いのかなと思います。あと、自分は体の使い方がちょっとは長けている方なのかな?と思うことがあるので、自転車の乗り方に繋げていけるように磨きたいです。
ーーこれから目指していく理想の競輪選手像のイメージを教えてください。
中村浩士です。理想を思い浮かべるとたくさんの選手がいますけど、1人だけ挙げるなら、やっぱり一番は中村浩士です。
ーー今日はいろいろお聞かせいただき、ありがとうございます。最後に養成所生活に向けての意気込みをお願いします。
ありがとうございました。父の座右の銘が「夢は力」です。この言葉は夢を持てば、その夢が力になり、その夢が叶うというものです。これからの1年間もその先の競輪人生も夢を持って努力していきます。
父・中村浩士が主宰する練習グループ「中村道場」にて鍛え上げ、S級S班の岩本俊介らともトレーニングを共にした中村嶺央候補生。第1回目の記録会ではゴールデンキャップこそ獲得ならなかったが、能力は「A」評価。200mTT、400mTT、1,000mTT、3,000mTTの4種目のうち、1,000m以外の3種目は最高評価の「5」を獲得しており、400mTTは全体3位のタイムを計測。学生時代は野球に打ち込み自転車未経験だったが、3度目の受験で入所した今年、すでにそのポテンシャルは表面化している。真っすぐに「憧れの父のような選手に」と語る眼差しは堂々としており、力強さがみなぎっていた。
netkeirin編集部
netkeirin Editorial department
netkeirin編集部がピックアップする“未来の競輪スター候補”のインタビューをお届けします。