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鈴木誠のハイブリッド展望

【レジェンド神山雄一郎カップ予想】「神山雄一郎」と名の付くタイトルが最も欲しいのは、地元宇都宮の2人! 後方から捲っていく坂井が、レジェンドから祝福を受ける! /鈴木誠の展望

2025/05/18 (日) 12:00 4

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は宇都宮競輪場で開催されている「レジェンド神山雄一郎カップ」の決勝レース展望です。

「一流」ではなく、「超一流」の選手だった神山さん。指導者としても「超一流」となってくれるはず!

 昨年末に現役生活を引退された、神山雄一郎さんの偉業を称えるべく、今年から開催されることとなったのが、【レジェンド神山雄一郎カップ】です。

 自分も地元だった松戸競輪場で、名前の冠名の付く大会(鈴木誠杯)を開催してもらっていますが、本当に名誉かつ、光栄なことです。

 ただ、記念競輪で名前の冠名が付く大会が行われているのは、中野浩一さん、滝澤正光さん、そして神山さんしかいません。それだけこの3人が、競輪界に貢献してきた証とも言えるでしょう。

 神山さんとは現役時代には幾度となく戦ってきただけでなく、バンクを離れれば、何でも話し合える関係でもありました。

 神山さんはその度に自転車について話してくれただけでなく、あれだけの素質がありながら、トレーニングにも精通しており、常に強くなることだけを考えていました。だからこそ「一流」ではなく、「超一流」の選手になれたのだと思います。

 しかも、これだけ長くトップの舞台で君臨してきた選手は、神山さんの他にはいません。だからこそ、競輪選手養成所の所長としては適役であり、競輪選手を目指す生徒にとっても、超一流の指導者となってくれると思います。

 現役選手たちにとっても、神山さんがレジェンドであるのは、引退した今でも変わりありません。

 冠名レースを勝ちたいと誰もが思っているはずであり、その中でも特に優勝したい思いが強いのは、神山さんの背中をずっと追いかけてきた、関東地区の選手たちだったと思います。

 その中でも優勝に最も近い存在と言えたのが、関東地区では唯一のSS班かつ、地元記念の2連覇もかかっていた眞杉選手でした。

 ただ、眞杉選手は準決勝では1着入線したものの、押上げで失格となります。それでも地元からは坂井選手と神山選手が決勝に進んできただけに、是非とも「第1回」と名の付くタイトルを勝ち取りたいことでしょう。

 決勝の並びは①坂井選手-⑨神山選手の関東ライン、②清水選手の後ろには、神奈川の⑤小原選手-⑥大塚選手がつけて、ここは3車での混成ラインとなりました。北日本ラインは④阿部選手-⑦伏見選手で、③嘉永選手と⑧小森選手は単騎となります。

 目標の無かった神奈川の2人は、先行選手3人の中で清水選手の後ろを選びました。これはSS班の格を重視したとも言えますし、清水選手もラインができたのならば、ここでは思い切ったレースをしてくるはずです。

 前受けは車番的に関東の2人となりそうであり、その後は嘉永選手を挟んでの混成ライン、北日本の2人、そして小森選手となります。

 後方から阿部選手が前を抑えに行きますが、その外からじんわりと動き出していった清水選手が、坂井選手を抑える形で先行態勢へと入っていくはずです。

 番手を任された小原選手は横の動きができる選手です。今大会好調の阿部選手が、後方から捲ってきたとしても、しっかりとブロックしてくれるでしょう。

 ただ、今回大会の清水選手の走りを見ると、ベストな状態にはまだ戻り切っていません。外から坂井選手や、嘉永選手が捲っていったのならば、トップスピードの違いで一気に交わされてしまうはずです。

 同じように単騎で捲りを狙っている小森選手も含めて、500バンクだけになるべく仕掛けを遅くしたいところではありますが、宇都宮バンクは3コーナーを過ぎると捲りづらくなる傾向があります。

 それを分かっているのが地元の坂井選手と神山選手です。坂井選手は単騎の2人よりも早めに動き出すことで捲りを封じ込むだけでなく、神山選手とのゴール前勝負に持ち込むはずです。

 印としては◎①坂井選手、〇⑨神山選手。▲③嘉永選手で、△は先行した清水選手が粘り込む展開も想定して、⑤小原選手に付けました。

 今大会では調子の良さが目立つ嘉永選手は、関東ラインよりも先に動いて行けるようだと、3連単の頭までも考えられます。

 その場合は後方から立て直しを図っていく、④阿部選手も上位に食い込むことは可能であり、そこに筋違いの決着となれば、決勝もまた、かなりの高配当が見込めそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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