アプリ限定 2025/03/13 (木) 18:00 11
伊東温泉競輪場で23日に行われる「第7回ガールズフレッシュクイーン」。今年の見どころや出場選手の近況をデイリースポーツの松本直記者に解説いただきます。
「第7回ガールズフレッシュクイーン」が伊東温泉競輪場を舞台に開催される。サブタイトルは『リンカイカップ』。優勝賞金48万1000円(副賞込み)をかけた新鋭レーサーたちの一発勝負だ。
選考期間は2024年7月から12月。124期、126期の中で選考期間における平均競走得点上位7人が選抜された。
堂々の選考1位で出場するのは126期の仲澤春香。2024年5月富山でデビューし、ルーキーシリーズは3開催参加して2回優勝。7月の本格デビュー後は1着量産の快進撃を見せ“規格外ルーキー”として注目を集めている。9月平塚で梅川風子、同名古屋で坂口楓華とグランプリ出場歴を持つ強豪を撃破。今年1月には大宮で太田りゆに先着して優勝と勢いが止まらない。
連勝は9月29日初日の名古屋から1月26日の大宮まで継続の22連勝中。ガールズケイリンの連勝記録は坂口楓華の持つ32連勝。近況の強さなら連勝はまだまだ伸びそうだ。
同期126期のベスト7で争った、昨年11月防府のルーキーシリーズプラスでは打鐘から主導権を奪って逃げ切り1着と完勝。2月にアジア選手権(マレーシア)、3月前半にネーションズカップ(トルコ)と遠征が続く点だけは不安だが、海外遠征の疲れや時差ボケに打ち勝つ力強い競走に期待したい。
選考2位は124期の竹野百香。2024年は優勝5回の活躍で、6月のパールカップではGI初出場も果たした。
今年も1月いわき平、2月名古屋で優勝と順調に賞金を積み重ねている。昨年4月のフレッシュクイーン(高知)は前受けからそのまま逃がされる展開になって3着と悔しい思いをしただけに、今年は優勝だけを狙っていくはずだ。
仲澤春香とはすでに4度対戦しているが仲澤が全て1着と分が悪い(2024年9月名古屋、2025年1月大宮)。それでも1年先輩の意地と、何でもできる強みを生かして逆転を目指す。
選考3位は熊谷芽緯。2024年は6月小田原、7月平塚、9月青森と3回優勝して優秀新人賞に選出された。
11月の競輪祭女子王座戦でGI初出場を果たすと、3日間先行勝負で場内を沸かせた。今年に入ってからは1月の名古屋で逃げ切り優勝。この優勝は柳原真緒、奥井迪とグランプリ出場選手を倒してのもので、大きな価値がある。
熊谷の持ち味は先行力。仲澤とは昨年9月の名古屋以来の対戦となる。過去の先着実績はないが、成長した今の熊谷なら逃げ切る可能性も十分ありそうだ。
選考順位4位は松井優佳。昨年は5月の岸和田で優勝。選考期間内は15場所走って、決勝進出を外したのは9月函館の1回だけと安定感が松井の魅力で、今年も決勝進出は外していない。
昨年のフレッシュクイーンは最終4角で外へ斜行して失格してしまった。リベンジとなるレースで結果を残したい。
選考5位は宇野紅音。デビュー以来優勝がまだないが、レースセンスは抜群で車券貢献度の高さが魅力だ。
昨年は1年間走りまくり、今年4月に地元岐阜で開催されるGIオールガールズクラシックの出場権をゲット。GI初挑戦に向けてボルテージは上がっている。
今大会は宇野のマーク追走技術を発揮できるメンバー構成で、位置取り次第ではフレッシュクイーンで初優勝となる可能性も十分ある。
選考6位は大浦彩瑛。学生時代は陸上選手で、大学卒業後は一般企業に就職していた。体を動かす仕事に魅力を感じ競輪選手に転向。養成所124期では不合格となったが、2度目の挑戦で合格をつかみ取った。
在所中にはゴールデンキャップも獲得した逸材で、昨年5月のデビュー後は自分でレースを動かす自力を主体に攻めて成績が少しずつ上昇。昨年12月の静岡で落車のアクシデントもあったが、今年に入ると1月平塚で1、1、2着の準優勝。3月の岐阜で初優勝を飾った。予選1は石井寛子の先まくりを乗り越えて1着。予選2は最終2角4番手からまくり攻撃。後ろにいた高橋梨香に差されて2着も動きの良さが目立った。最終日の決勝は最終ホーム7番手と絶望的な位置だったが、石井寛子、日野未来のまくり合戦の上をまくり切る驚きのレースを披露した。勝負強さを発揮すれば見逃せない存在になる。
選考7位は中島瞳。埼玉の名門・川越工業高校出身で、高校時代から自転車競技で活躍。日本競輪選手養成所126期では仲澤春香に続く在所2位で卒業した。
デビュー後は連戦連勝とはいかず苦しいレースが続いたが、今年1月の小倉で初優勝を達成。最終ホームで吉岡詩織後位へ追い上げて直線勝負で抜け出し、石井貴子、那須萌美の追い込みをしのいで価値ある初優勝をつかみ取った。
ポテンシャルの高さは折り紙つき。力を出し切ったときの一撃は魅力十分だ。
松本直
千葉県出身。2008年日刊プロスポーツ新聞社に入社。競輪専門紙「赤競」の記者となり、主に京王閣開催を担当。2014年からデイリースポーツへ。現在は関東、南関東を主戦場に現場を徹底取材し、選手の魅力とともに競輪の面白さを発信し続けている。