2025/01/01 (水) 18:00 4
年末のKEIRINグランプリでは古性優作が優勝し、大団円で幕を閉じた2024年の競輪界。グランプリ前に競輪をプロレスになぞらえた“説”を提唱してくれた“元競輪選手プロレスラー”の川上真吾さんに、2024年に話題を集めた選手をまたまたプロレスラーに例えて語ってもらった。
netkeirin読者の皆さん、新年明けましておめでとうございます。昨年2月に競輪選手を引退してからは地元で『相原プロレス』を主宰し、プロレスラー「シンゴ・相原」として活動している川上真吾です。
現役時代は3年ほど競輪選手兼プロレスラーの“二刀流レーサー”を、今はプロレスラーと京王閣競輪の解説者、中学校の数学教師の“三刀流プロレスラー”として頑張っています。
年末の『グランプリレーサープロレスラーに例えてみた』企画ではさまざまな感想をいただきました。競輪とプロレスの共通点については、前回の記事をご覧いただくとして…。
試合には勝者と敗者がいるのが常ですが、勝ち負け以上にその過程に“生き様”が表れるのが競輪とプロレスの魅力だと思います。
今回は2024年に話題を集めた選手を、敬意こめてプロレスラーに例えさせていただきます! 連綿と続く競輪界の歴史を彩った選手、これから歴史を作っていくであろう選手を9名、選ばせていただきました。
佐藤慎太郎(48歳・福島=78期)
…“怒りの咆哮” 真壁刀義
追い込み選手には厳しい時代と言われるなか、苦労して苦労して第一線を走りぬき、時代と戦うエンターテイナー慎太郎選手。トップ選手でありながら親しみやすいキャラクターでファンから愛されています。自身の魅せ方を徹底しており、タレント性もあります。同じく苦労人である真壁選手もワイルドさと「スイーツ好き」な一面のギャップが魅力で、リングの内外で活躍していますね。
松浦悠士(34歳・広島=98期)
…“IQレスラー”桜庭和志
この二人に共通するのはやはり競技に対する“IQ”の高さ。MMA(総合格闘技)やセメントマッチにも対応する桜庭選手と、オールラウンドな走りができ競りにも行ける松浦選手。自分なりの理論が確立していて、どんな手段を使ってでも勝ちに行ける実力を備えているところが重なります。
太田海也(25歳・岡山=121期)
…“新時代エース”安齊勇馬
パリ五輪に出場し、世界の舞台でも活躍する太田海也選手。競輪を走れば強さが際立ち、これから活躍しなくてはいけない使命を背負う“次世代のエース”です。安齊選手もデビュー2年で全日本プロレス最高峰タイトルを獲得。ともに甘いマスクも注目され、新しいファンを呼ぶという意味でも希望を託された存在かもしれません。
仲澤春香(23歳・福井=126期)
…“未来への懸け橋”ビクトリア弓月
24年5月のデビューからすでに10回優勝している“超大型ルーキー”仲澤選手。最初から「完成している」という印象を受けました。プロレスではデビュー直後から勝ちまくることはなかなかないですが、ポテンシャルの高さを示す鮮烈なデビューの印象からビクトリア弓月選手を重ねてみました。この二人が業界の未来を担う存在になることは間違いないでしょう。
加瀬加奈子(44歳・新潟=102期)
…“世界の超獣”アジャコング
高橋梨香(45歳・埼玉=106期)
…“孤高の女王”ジャガー横田
ガールズケイリンをけん引するベテランレーサーで、異なる戦法ながら“最年長優勝記録”を互いに更新しあうトップ選手の二人。もはや“生けるレジェンド”と言っても過言ではない活躍ぶりです。
“男道”を信条に、自ら風を切る戦法を貫く加瀬選手はまさにエンターテイナー。巧みな戦術と鋭い差し脚で白星を奪う梨香選手はクールなヒールレスラーが似合うかなと思いました。今年も第一線で活躍を続け、若手の“壁”として立ちはだかるでしょう。
新田祐大(38歳・福島=90期)
…“ゴールデン☆スター”飯伏幸太
東京五輪に出場、2022年にグランドスラムを達成した新田祐大選手。2024年は非常に苦しい1年になりました。カリスマ的存在から一転、逆風を受けながらもがいている姿は、新日本プロレスで輝かしい成績を残しながらも近年は苦しんでいる飯伏選手と重なります。再起をかけた戦いに勝ち、再び輝く姿を待っています。
山崎賢人(32歳・長崎=111期)
…“ミスターアフロ” モハメド・ヨネ
山崎選手はパリ五輪はリザーブとなり出場できませんでしたが、その後の世界選手権で日本勢37年ぶりとなる金メダルを獲得し話題となりました。例えたのは“ミスターアフロ”…、もはや説明の必要もないかもしれません(笑)。
神山雄一郎(56歳・栃木=61期)
…“プロレスリング・マスター”武藤敬司
そして、年の瀬に届いた衝撃的なニュース… “生ける伝説”だった神山雄一郎さんがS級のまま引退されました。常に第一線を戦ってきたレジェンドで、“生涯現役”を貫いてきた方が惜しまれながら自ら身を引く… 2023年に引退した武藤敬司さんのようです。ラストランはしっかり仕事をして1着と「まだまだできる」と思わせる戦いぶりが印象的でした。そんな姿も武藤さんの引退試合と重なりました。
感情を乗せた“人間”が戦うからこその面白さがある競輪とプロレス。自分の人生と歴史を重ね合わせて感動したり、熱狂したりできるのが魅力だと思います。
競輪選手の人数は、男女合わせて2,300名ほど。ここで紹介させていただいた選手のほかにも、魅力的な個性を持った選手がたくさんいます。
鍛え上げられた肉体、スピードとテクニックを駆使して戦うレースは競輪場で見てこそ迫力が伝わってくると思うので、ぜひ競輪場に足を運んで生のレースを見てみてください!
そしてまもなく1月3日、僕が主催する『相原プロレス』のVol.5となる大会を開催します!
『相原プロレス』では地域貢献を目的として、お客様からはお金をいただかず企業協賛、個人協賛で興行をおこなっています。もちろん遠方からのご来場も大歓迎。入場無料で2試合をお届けしますので、ご都合のつく方はぜひ会場にいらしてください!
『相原プロレス Vol.5』 ※雨天中止
日時:2025年1月3日(金) 13時開場、14時開始
会場:フォレストリング相原(町田市相原町1689-3 木のカフェ向かい駐車場)
詳細はシンゴ・相原 公式X※外部サイトに遷移します
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
netkeirin取材スタッフがお届けするエンタメコーナー。競輪の面白さをお伝えするため、既成概念を打ち破るコンテンツをお届けします。