ーー少し早いですが、今年1年をふり返っていかがですか？

年明けから結構調子が良くて。デビュー以来、競走得点が一番高い時期もあったんですけど、ここ3、4か月ですごく落ちてしまって。体調が安定しなかったことが要因ですね。5月の四日市の開催後に初めて扁桃炎になって高熱を出してからは、疲れが溜まると1か月に2回ぐらい熱が出る癖がついた。練習しても練習しても熱が出るという悪いサイクルで…。どうしたら体調が戻るかなと思いながら、探り探りやってはいるんですけど。やっと、少しずつ良くはなってきているかなと思います。

ーー体が資本の世界ですし、思い通りに体調が整わず苦しかったですね。

せっかく初めて53点台まで乗せられたのに、どん底まで落ちてしまって。点数が上がれば自分の好きなレース展開にもっていけるし、動きやすくもなるのでレースが楽しいんです。だけど、体調を崩すようになってからは…。そんな時期に祖父が病気で亡くなり、13年間一緒だった愛犬が亡くなって。悲しいことが続いて、メンタルまで落ち込んでしまいましたね。

ーー辛い時期になりましたね。前を向くには時間がかかったのでは？

はい。でも、そんな苦しい時期に、よくイラストを描いてくださるファンの方がいて、飼っている猫と犬と一緒に自分が自転車で走っている姿を描いてくれたんです。その絵にすごく救われて「頑張らないと」って。ファンの声援も力になりますね。どんなに悪い時でも信じて「頑張って」と応援してくれる人がいる。感謝しかありません。

ーー苦しい時期を乗り越えて、復調の兆しは見えてきましたか？

そうですね。良い時って気持ちも乗っていけるじゃないですか。この苦しい時にどこまで耐えられるかって自分に言い聞かせて。「この壁を乗り越えたら、きっと53点以上のものを取り戻せる」と信じて、トレーニング方法も変えて。パーソナルトレーニングに通い始めました。以前に比べて、体感が安定して自転車にずっしりと乗れる感じになったと思う。練習を変えたら半年は我慢と聞くので頑張ります。

ーー選手を目指すきっかけとなったオールスターにも出場しました。

上位の選手とは点数の差があるのに、ファンの方々の投票のおかげで出場できました。今までに感じたことのない緊張感と観客の数に圧倒されたけど、「さゆきちゃん頑張れ〜」とたくさん聞こえてきて、すっごく嬉しかったです。

ーー10年前のガールズケイリンコレクション(14年オールスター・前橋ステージ)を見て選手を目指したのですね。憧れの舞台を走ってみて、どうでしたか？

選手を目指したきっかけとなった舞台に出場することができて、1つの目標は達成できたかな。でも、応援してくれる人がたくさんいるので、もっと上を目指したいですね。

ーーデビュー3年目、レーススタイルは定まってきましたか？

まだですね。全体のレベルが上がっていて、色々なことができる選手にならないとやっていけないなって思います。そのためには「もう大丈夫だろう」と自信を持てるぐらい練習ができるようにならないと、と思ってパーソナルトレーニングを始めたんです。1人だと自分の中で勝手に限界を決めてしまう。誰かに見てもらうことによって「もうキツい！」と思っても「まだ！」ってなるじゃないですか(笑)。限界を超える練習をしていきたいです。

ーー理想の選手像や女性としてなりたい像を教えてください。

何でもできる選手、目標としている選手は「石井寛子さん」です。きれいでありながら強い選手になりたい！

ーーお肌がツヤツヤ！ 美容で気をつけていることは？

デビューしたときは、めっちゃニキビができて。環境の変化やミッドナイトを走って不慣れな生活リズムを送ったりした影響ですかね。最近は水素を吸う機器を買いました。肌にも良くて美容にも良いし、レース後にも効果があるみたいなので買うしかない！ と思って。

ーーせっかくなので、プライベートなことも聞かせてください。休日はどのように過ごしていますか？

ホットヨガやサウナに行ったり。友達と休みが合えば、長野に行くことも多くて「自然を感じに行こう！」って(笑)。この間は群馬にある四万湖へ行って、カヌーに乗りました。

ーーちょっとびっくりです。結構アクティブなんですね。

わりと買い物はそんなにしないですね。化粧品とかも半年、1年ぐらい同じものを使ったりするし、ブランドものも全然持っていない。化粧品よりも、最近は月一のお手入れでコルギ(韓国発の美容法)やエステに行っています。

ーー趣味や、やってみたいことってありますか？

趣味はあまりなくて。何をしているかと言われたら、ずーっと猫と遊んでいます。動物は好きですね。動物園を巡ってみたいかも。日本だけじゃなくて世界中の動物園に！

ーー世界中ですか、規模が大きい(笑)。最近、感動したことがあったら教えてください。

最近、嬉しかったことがあって。母の勤め先で「僕も競輪選手になりたい」という日記を書いてくれた幼稚園生がいて「誰を見てそうなりたいの？」と聞いたら「さゆきだよ」って答えてくれたみたいです。誰かに夢を与えられる職業なんだなって思ったのと同時に、もっと私も頑張りたいと思えました。競輪選手になって、こんなに多くの人が応援してくれて、色んな人に支えてもらっていることに気がつきましたね。

ーー選手冥利に尽きますね。最後に、来年はどんな年にしたいですか？

来年こそは、もっと優勝できるように。安定した成績を残して、お客さんが安心して買えるような選手になりたいです。ビッグレースにも出場できるように頑張ります！

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